« 第10話 「インフレ・ヘッジ投資」 | トップページ | 第12話 週末版 「グロソブ」 »

2008年4月19日 (土)

第11話 週末版 「SRI投資」

4月17日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると、オーストラリアの投資家は、代替エネルギー業種の株式が低迷している今でも、SRI、社会的責任投資にこだわっていると伝えています。こだわる理由としては、年金などでは、SRIこそ中長期的に良い運用成果を上げると信じられているからだとしています。SRI、社会的責任投資については、以前、「環境ファンド」の中でも述べましたが、環境ファンドはSRIの一つの分野と言えます。SRI投資の歴史を見るとといくつかの発展がありました。まず、1番目が、”ネガティブ・スクリーニング”です。これは、反社会的、道徳的な活動に関係する企業を排除しようとするものです。例えば、軍需産業とかです。2番目が”ポジティブ・スクリーニング”です。これは逆に社会的な企業の責任を積極的に果たしている企業を選び出して投資するというものです。現在多くのSRI投資はこの”ポジティブ・スクリーニング”を採用しています。しかし、このスクリーニング系の手法は多くの批判を受けました。そもそも投資というのは、できるだけ広い範囲の投資対象から良い銘柄を選ぶべきなのに、わざわざ投資範囲を狭めるスクリーニングは間違っているという考え方です。これがSRI普及の最大の足かせとなっていました。

その後、”エンゲージメント”という考え方が現れます。これは、企業にSRI的活動を投資家として働きかけようという、ソフトアクティビストのような発想です。そして最近では、環境ファンドのようなテーマ性、事業性の高い分野に投資したり、”ESG”(Environment, Social, Governance)という、環境、社会性、ガバンナンスという3つの観点を必ず通常の株式投資の銘柄選定基準に入れるという新しい動きが次々に出てきています。このテーマファンドとESGの考え方は、今まで、SRIに反対してきた人たちにもハードルが下がって、受け入れられ、その結果、世界的に広がってきています。従って、株式投資を皆さんが行う際には、この2つ観点からの銘柄選択により、世界の巨大な年金マネーが買いに来ていることを忘れないでいただきたいです。。

« 第10話 「インフレ・ヘッジ投資」 | トップページ | 第12話 週末版 「グロソブ」 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512329/40920819

この記事へのトラックバック一覧です: 第11話 週末版 「SRI投資」:

« 第10話 「インフレ・ヘッジ投資」 | トップページ | 第12話 週末版 「グロソブ」 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ