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2008年4月21日 (月)

第13話 「格付けと債券運用」

4月11日付(すいません、少し昔ですが)のPensions & Investments誌によると、米国SECがSECの規定やガイドラインから格付会社による信用格付けを用いることを止めることを検討していると、SECコミッショナーのキャサリン・キャッシー氏が講演会で話したと伝えています。理由としては、一連の証券化商品の格付け問題に端を発して、格付会社の信用格付レーティングの質に懸念があるためと述べています。加えて、投資家は信用格付けに頼りすぎていたので、これからは自分で信用リスクを評価すべきとしています。

格付会社の格付けが信用できるかどうかの議論は、別の人にお願いするとして、こうした動きが運用の世界にどのように影響するかを考えたいと思います。日本でも金融機関やそこを取り締まるお役所が信用格付けに基づいたルールを用いています。SECが考えているようなことが日本で起これば、コンパスの無い航海のような状況に陥るでしょう。極端な話、国債以外の商品に投資することはサラリーマン投資家としてほとんどできなくなるかもしれません。これは運用側も資金調達側にとっても由々しき問題です。少なくとも信用リスクを自らの責任で評価しなければいけないというルールに変われば、そうした能力のある外部の債券専門の運用会社(例えば、ピムコとかブラックロックとか)に委託する動きが進むのではないでしょうか。そういう仮定に基づけば、こうした運用機関の運用にも注目していく必要があります。

一方、債券投資の面からすると、格付けの信用性が落ちると、いわゆる”信用スプレッド”に混乱が生じるかもしれません。通常、格付会社の格付けに応じて、AAAのスプレッドは?、とかそのような基準で債券投資を行ったものが、そうした基準が使えなくなるかもしれないからです。どんな優れた運用者でも適正価格が何であるかが一時的にも分からなくなると、投資に戸惑いを持つものです。

この記事は、どれほど世間で注目されているかわかりませんが、意外と影響があるかもしれず、引き続きフォローする必要があると思います。。

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