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2008年4月26日 (土)

第18話 週末版 「ヘッジファンド・クローン」

4月24日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると、スウェーデンの公的年金の一つAP3のリスク・アロケーションのヘッドが、いわゆる「ヘッジファンド複製商品」を投資対象として検討してきたが、今は、懐疑的に考えていると講演会で述べたと伝えています。ヘッジファンド複製商品、別名「ヘッジファンド・クローン」(クローン人間のクローンです)は、ここ2年前ぐらいから注目されている商品です。考え方は、ヘッジファンドの運用は、大きく2つに分けられるという考え方です。一つは、「ヘッジファンド・ベータ」。これは、ヘッジファンドは主に、大型株と小型株のパフォーマンス差であったり、金利差であったり、為替であったり、それらのロングとショートの組み合わせで説明できるという部分、すなわち、市場の先物等の組み合わせで複製可能と考えられる部分です。もう一つが「ヘッジファンド・アルファ」。これは、ヘッジファンド運用者のスキルに起因する部分で、簡単に複製することは難しい部分です。「ヘッジファンド・クローン」は、この「ヘッジファンド・ベータ」部分を複製し、商品化したものです。これらの商品の言い分としては、ヘッジファンド・アルファを捨てることになるが、そもそもヘッジファンドの運用報酬が高すぎるので、安いヘッジファンド・クローン商品は、十分に競争力があるとしています。提供者としては、メリル、ゴールドマンそしてスイスのパートナーズなどが有名です。日本でも、一部の金融機関で、この商品が主に先物の組み合わせで分かりやすいことと、通常のヘッジファンドが解約できる頻度が四半期毎ですが、それに比べて流動性が高いので投資しやすいと考えている場合もあります。

しかし、これはあまりに単純で、そもそもヘッジファンドが、ヘッジファンド・ベータなるもので、ほぼ説明が済むのであれば、これでだけ普及したでしょうか?流動性の低いニッチな商品(例えば、証券化商品も以前は花形でしたが)にも投資してパフォーマンスを高めてきたわけですし。実際、ヘッジファンド・クローンは、登場後、あまりヘッジファンドの運用結果にリンクしていないなどの悪評も出てきています。今回のAP3の判断もそうした実証結果も加味しているかもしれません。金融の世界は、イノベーションで支えられていますが、何でも出せば良いわけではありません。それを見極める必要があります。。

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