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2008年4月12日 (土)

第4話 週末版 「資産運用コンサルタント」

Global Pensions誌では、ニュース以外に定期的に特集読み物を掲載しています。その中から3月7日付特集で、「コンサルタント - 顧客ニーズに合わせたサバイバル合戦」がありましたので、週末版として取り上げたいと思います。ここでいうコンサルタントとは、私の仕事でもある「資産運用コンサルタント」を指します。年金の世界では、受託者責任といって、従業員のために年金資産を運用するのだから、担当者は十分に資産運用の知識や経験を持っていなければいけないと法的に定められています。しかし、実際には企業から派遣された人が全員、そうした知識を持っているわけではないので、その専門家であるコンサルタントを雇い、アドバイスを受けることで、その責任を果たすことができるわけです。世界的な有名なコンサルティング会社として、マーサー・コンサルティング、ワトソン・ワイアット、ラッセル、タワーズペリンなどがあります(日本でもこれらの会社はサービスを提供しています)。

この特集記事では、昔は、こうしたコンサルタントは比較的楽なビジネスだったとしています。すなわち、高齢化も進んでいない時代で、年金資産は増えていく一方で長期投資が可能だったこと、企業会計が年金運用の制約することはなかったこと、株式や債券中心でオルタナティブ運用など年金が投資対象としていなかったことが理由です。しかし、今はこうした条件が大きく変化し、コンサルタントも顧客のニーズに応えるために、苦労していると伝えています。加えて、先進的な金融技術が必要になったことで、投資銀行や運用会社が資産運用アドバイスを年金基金に提供するようになってきて、更に、競争は厳しくなっています。

サービスの変化の一つに、「LDI(Liability Driven Investment」の提供があります。LDIは、年金の会計上の負債に合わせて、運用を債券中心したり、スワップを活用するものです。債券運用でいう「イミュナイゼーション」のようなものです。しかし、コンサルタントは、スワップを自分でアレンジすることはできないので、投資銀行などが進出してきているわけです。確かに、自分の経験からしてもコンサルタントとは最終的には無力な存在です。ちょっと賢そうには見えますが、結局はアドバイスを提供するのみ。そのアドバイスをするかしないかは年金基金次第となります。加えて、このようにスワップをすべしとアドバイスしても、結局は投資銀行にお願いするしかない。自分の信じることを自分で実行できないジレンマは苦しい限りです。

私は、今後も世界の投資家が運用に望む水準は非常に高度になり続けることになり、コンサルタントのサービスは時代に追いつくことは困難であろうと考えます。その代わりに運用会社や投資銀行が代わりの役割を果たしていく方向に流れていくことでしょう。一方で、企業年金や公的年金で役割を終えつつあるコンサルタントは、個人の資産運用に新しい活路を見出していくのではないかと考えます。なんだかんだ言っても、個人の金融リテラシーは低いままです。確定拠出年金などを通じて、コンサルタントが個人の投資教育の分野に入っていければ、マクロで見て、意義ある存在になると思います。。

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