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2008年4月

2008年4月30日 (水)

第22話 「バランス型ファンド」

4月30日付の日経ネットのニュースによると、大手生保7社が企業年金から運用を受託している団体年金(特別勘定)の2007年度運用利回りが平均でマイナス14.81%と伝えています。確かに昨年度は、国内株式がマイナス28%、外国株式がマイナス17%だったのでこのマイナス幅は分からないでもないです。しかし、大まかな平均をとれば、各社とも日本株で30%程度、外国株で20%程度の組入れ比率と想像できます。すなわち、合計50%の株式組入れ比率となっているわけです。そもそもそれほどの株式比率にする必要があったのでしょうか?リスクの取り過ぎではなかったのでしょうか?疑問だらけです。私の試算では、過去20年間で国内と外国合わせて株式比率を25%程度にすると、最悪の年でもマイナス4%以内で収まっており、また、平均利回りも5%台を確保できています。すなわち、それほどリスクを取らなくても、4~5%を確保することは可能だったということです。企業年金は、最近では3%ぐらいの利回りがあれば年金制度を維持できるような設計をしているので、明らかに生保の運用はリスクの取りすぎなのです。ではどうしてこういうことを生保は続けているのか?これは彼らの商品が業界横並びの商品だからです。いつも業界内で情報交換をし、他社とあまり差が出ないような運用を行っているのですか。従って、昔から株式比率を50%程度にしてきたので、ずっとこれを維持してきているわけです。なんだかお役人の世界と同じです。慣例は変えられない。バランス型運用というのは、そもそも安定運用をパッケージ化した商品なのですから、マイナス14%を出すような運用をお客様は期待していないと早く気づいて下さい。ただ、おそらく気づかないかもしれませんが、日本の生保は。。

2008年4月29日 (火)

GW番外編 「運用会社のリストラ」

本日の日経新聞にみずほ証券が従業員の15%を削減するとの記事が出ておりました。サブプライム問題で業績が悪化したことが主因です。同社に限らず、年初から外資系証券を中心にリストラが進められています。しかし、証券は主にフローの商売と昔から言われるように、悪いときはリストラしますが、良くなれば採用も増やしますし、ボーナスも一杯払いますから、仕方ないとも言えます。一方、あまり表に出てきませんが、アセット商売のはずの運用会社も一部でリストラが行われているようです。業界の人から聞くところによると、フィデリティ投信や日興アセットが規模は分かりませんがリストラしたとの噂もあります。しかし、運用会社のリストラは投資哲学である中長期投資と相反するものであり、パフォーマンスに影響することは避けられないでしょう。運用会社と言ってもやはり投信ビジネスが中核をなす会社は証券会社と同じ思考回路があるので、運用会社選びには注意する必要があります。。

第21話 「年金問題が与えた原油価格への意外な影響」

本日は、本ブログの主旨と違うかもしれませんが、年金問題が思わぬところでマーケットに影響した話を取り上げます。25日の海外原油市場に関するあるコメントを読んでいたところ「25日の北海油田では、週末に予定されていたスコットランドのリファイナリーでのストに備え、BP石油はフォルティーズの石油パイプラインを停止すると表明した。同パイプラインは英国北海油田の生産の半分に当たる日糧70万バレルを油送している。」と書かれていました。どうもそのストの原因が、年金問題にあったようです。4月28日付けGlobal Pensionsによると、このスコットランドの会社は、イネオス社で、労働組合と年金制度の変更で相当もめているようです。会社側の提案は、現在の最終給与比例の確定給付年金制度(例えば、退職時の月給の何倍とかで決まる年金制度)を今後の新入社員には廃止し、すでに年金制度に入っている従業員の年金も一部カットするとしたものです。これに労働者が反発し、年金を守るためにストを決行したわけです。会社側も組合員を訴えたりとか、相当こじれているようです。こうした企業年金のカットは、日本でも2000年前半に頻繁に行われましたが、日本の労働者はおとなしく、雇用確保の大義名分から企業の提案を素直に認めてきました。しかし、企業の論理のみで、こうした事態が起こり、結果として、原油価格にまで影響し、世界経済にまで影響するとは、イネオス社も想定していたのでしょうか?昨今のマーケットが回復基調で良い雰囲気なので、原油市場がこれ以上影響受けないことを期待します。。

2008年4月28日 (月)

第20話 「130/30ファンド」

130/30という運用手法をご存じでしょうか?普通の株式運用は、フルインベストが原則です。すなわち、元本を100持っていれば、100の株式を買い持ちにするわけです。130/30とは、130の株式買い持ちと30の売り持ちのポジションを取ります。買いと売りですから、全体では相殺されて、100の買い持ちのポジションとなります。3年前ぐらいから登場し、昨年は海外で需要が増え、同時により多くの運用機関がこの運用手法の商品を顧客に提供するようになりました。ヘッジファンドとは異なり、通常買いしかできない運用機関が、売りもすることができる、すなわち、ダメだと思う銘柄は積極的にショートポジションにすることで、更に、運用リターンを高めようとするものです。4月25日付けのPensions & Investmentsは、直近6ヶ月間のこの商品に対する運用資産の増加率が、その前の6ヶ月に比べて大幅に落ち込んだと報じています。私は、非常に納得いく結果だと思います。そもそも買いしか行わない運用機関が売りもできるのかという疑問があります。例えば、フィデリティとかシュローダーとか、昔から良い銘柄を発掘することに注力している会社は、悪い銘柄(売りの銘柄)探すことなどしていませんでした。良い銘柄以外は悪い銘柄という簡単な方程式にはなりません。彼らがやってきた歴史は、良い銘柄が市場に100銘柄あり、自分が30銘柄をポートフォリオに入れたい場合、できるだけ、良い銘柄から30銘柄を選びたいと努力してきたのです。良い銘柄が他に70銘柄残っていても、また、それだけ残っている事実を知らなくでもいいわけです。しかし、売りの銘柄も探すとなると、この70銘柄を避けなければいけません。これは大変です。いままで30銘柄のみを選ぶことに注力していたわけですが、更に他の銘柄も注意を払わないといけません。加えて、良い銘柄を選ぶメンタリティと悪い銘柄を選ぶメンタリティは異なります。前向きか後向きかの差は大きいのです。従って、今までは、人の判断よりも、クオンツ系運用機関が130/30の株式商品を主に出していましたが、昨年のクオンツ受難の相場により、パフォーマンスが悪化した次第です。需要も伸びないはずです。皆さんも、理屈に合ってるかどうかを先ず考えてから、投資する商品を選ぶにようにして下さい。。

2008年4月27日 (日)

第19話 週末版 「投信評価のいい加減さ」

本日の日経ヴェリタス60面に格付投資情報センターが選んだ「ファンド大賞2008」が掲載されていました。選考対象は、国内公募追加型投信で残高10億円以上、運用期間3年以上としているそうです。部門別の最優秀ファンドの表が掲載されてますが、見て情けなくなりました。国内大型株、国内中小型株、国内債券、外国株式の運用残高は10億円台と正直言って残骸のようなファンドで、こんなファンドの評価が優秀と言われても、この3年間の偶然の賜物かもしれないのです。評価基準が機械的にシャープレシオを利用しているためにこういういい加減な内容になるわけですが。そもそも1つのきちんとしたポートフォリオを運用するには最低資産規模が必要です。資産によっても異なりますが、一般的には30億円以上は必要です。加えて、優れた運用を継続的に行っていくには維持費が必要で、それには運用会社の組織としてのサポートが必要です。今回表彰されている4ファンドの残高から見て、会社として繰り上げ償還させることもできず、管理しているといった色彩が強いと思わざるを得ません。そういう意味でもこうした表彰を行って、正しいとは思いづらい評価を一般投資家に伝えることはいかがなものでしょうか。格付投資情報センターは債券の信用格付けも発表しています。昨年の証券化商品の格付け問題以来、彼らに対する信頼が揺らいでいる中、投信でも同じく信頼に影響を与えることを行っているように思えてなりません。。

2008年4月26日 (土)

第18話 週末版 「ヘッジファンド・クローン」

4月24日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると、スウェーデンの公的年金の一つAP3のリスク・アロケーションのヘッドが、いわゆる「ヘッジファンド複製商品」を投資対象として検討してきたが、今は、懐疑的に考えていると講演会で述べたと伝えています。ヘッジファンド複製商品、別名「ヘッジファンド・クローン」(クローン人間のクローンです)は、ここ2年前ぐらいから注目されている商品です。考え方は、ヘッジファンドの運用は、大きく2つに分けられるという考え方です。一つは、「ヘッジファンド・ベータ」。これは、ヘッジファンドは主に、大型株と小型株のパフォーマンス差であったり、金利差であったり、為替であったり、それらのロングとショートの組み合わせで説明できるという部分、すなわち、市場の先物等の組み合わせで複製可能と考えられる部分です。もう一つが「ヘッジファンド・アルファ」。これは、ヘッジファンド運用者のスキルに起因する部分で、簡単に複製することは難しい部分です。「ヘッジファンド・クローン」は、この「ヘッジファンド・ベータ」部分を複製し、商品化したものです。これらの商品の言い分としては、ヘッジファンド・アルファを捨てることになるが、そもそもヘッジファンドの運用報酬が高すぎるので、安いヘッジファンド・クローン商品は、十分に競争力があるとしています。提供者としては、メリル、ゴールドマンそしてスイスのパートナーズなどが有名です。日本でも、一部の金融機関で、この商品が主に先物の組み合わせで分かりやすいことと、通常のヘッジファンドが解約できる頻度が四半期毎ですが、それに比べて流動性が高いので投資しやすいと考えている場合もあります。

しかし、これはあまりに単純で、そもそもヘッジファンドが、ヘッジファンド・ベータなるもので、ほぼ説明が済むのであれば、これでだけ普及したでしょうか?流動性の低いニッチな商品(例えば、証券化商品も以前は花形でしたが)にも投資してパフォーマンスを高めてきたわけですし。実際、ヘッジファンド・クローンは、登場後、あまりヘッジファンドの運用結果にリンクしていないなどの悪評も出てきています。今回のAP3の判断もそうした実証結果も加味しているかもしれません。金融の世界は、イノベーションで支えられていますが、何でも出せば良いわけではありません。それを見極める必要があります。。

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2008年4月25日 (金)

第17話 「コモディティ投資とその弊害」

世は、コモディティ投資真っ盛り。このブログでもインフレヘッジ投資やReal Asset投資として取り上げてきましたが、その深刻な弊害も出てきています。4月23日付けのCNBCのニュースによると、ブラジルがコメの輸出を一時停止すると発表しました。これは、昨今のタイでのコメの価格の上昇などに伴い、国内での供給を確保するためとしています。コメの価格は指標となるタイでの価格が、直近、1トン1000ドルを超えてきており、輸出第2位インドと第3位のベトナムが輸出制限を行いました、ブラジルは、それほどメジャーなコメの輸出国ではありませんが、自己防衛の観点から、輸出停止を決定したようです。コメの価格が高騰したことで、いくつかの国では暴動が起きているとの報道があります。それだけ、これらの地域ではコメは主食として重要なものであるわけです。アナリストによっては、このパニックもコメの新しい収穫を得て、在庫が溜まっていくので、沈静化すると見ていますが、価格高騰の傾向に歯止めがかかる雰囲気はありません。1トン1300ドルの見通しも出ています。今や、コモディティ投資は、原油から穀物に移ってきています。世界の投機資金が穀物に集まり、価格高騰を後押ししているわけです。前回取り上げた環境もバイオエタノールの関係で穀物相場に拍車を掛けています。投資としての、コモディティ投資。低相関やインフレヘッジなど、理屈は一杯ありますが、現実社会にこれだけの社会問題を引き起こしているかと思うと、そうした観点だけで投資を語って良いのか考えさせられます。。

2008年4月24日 (木)

第16話 「やっぱり”環境”」

4月23日付けの"Pensions & Investments"によると、米国の年金基金であるカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)のCIO(チーフインベストメントオフィサー)であるラッセル・リード氏が退任することが決まった。同氏は、2006年6月にカルパースに入り、非常にドラスティックに資産配分を変更し、同年金の素晴らしい運用結果をもたらした人材です。ドラスティックな資産配分の変化としては、プライベート・エクイティ、不動産を引き上げ、コモディティ、インフラストラクチャー・ファンド、森林ファンド、インフレ連動債などに投資する道筋をつくり、その手腕に対する評価が非常に高かったわけです。

このリード氏は、退任後、自分で環境やクリーン・テクノロジーへの投資を行う仕事を開始するとのことです。このテーマについて、リード氏は、自分のずっと思い続けてきた関心事だと言っています。すでに環境については、このブログで書いてきていますが、やっぱり「環境」が世界的な大きなテーマであることに間違いはありませんね。これだけ、運用業界で実績のある人が生涯をかけたテーマとして環境関連投資を挙げているわけで、我々の投資においても、この環境をテーマにポートフォリオを作るべきときにあると思いますが、いかがでしょう。。

2008年4月23日 (水)

第15話 「ヘッジファンド」

4月22日付 Investment & Pension Europe (IPE)の記事によると、オランダ年金で、最近のヘッジファンドのパフォーマンス悪化により、年金の積立比率が悪化していていることが取り上げられています。その結果、オランダ年金では、リスク回避やレバッレッジ比率の引き下げなどの方向性に舵を取り始めたとも報じています。確かに、ヘッジファンドの指数を計算しているHFRIの「HFRI FOF Composite Index」(ファンド・オブファンズの指数)は、今年1-3月で▲4.27%(ドルベース)と大幅なマイナスとなりました。昨年までは、サブプライム問題があったにも拘らず、プラスの成績を残していたことに比較すると、今年は厳しいスタートとなっています。特に、1月、2月には、ベア社の信用危機に端を発した流動性の枯渇から、ヘッジファンドが追証に追われて、強制的にレバレッジをポジションを解消しなければならなかったことが、このマイナス・パフォーマンスに影響したようです。そもそも少しづつプラスリターンを積み上げ、最終的に絶対リターンを追及しているヘッジファンドがマイナスからスタートすることは大変なことです。生損保や銀行などの機関投資家も現在非常に困っているのが実際です。90年代以降、歴史が繰り返されるようにヘッジファンドブームが起こっていましたが、今回の出来事は、その波がヘッジファンドの衰退に向っていることを示しているかもしれません。。

2008年4月22日 (火)

第14話 「エマージング債券ファンド」

本日の日経新聞に「日興高金利通貨ファンド」の広告で出ていましたが、確かに、最近、エマージング債に投資するファンドが続々と登場しています。大和住銀「グローバル好金利通貨分散バランス」、野村アセット「コインの未来」、DIAM「DIAMエマージング債券ファンド」、大和投信「ダイワ・エマージング高金利債券ファンド」など、先月から今月にかけて、エマージング債を投資対象としたファンドが設定されました。商品によって異なりますが、エマージング債券が50%以上含まれているケースが多く見られます。エマージング債ですから、南米、アフリカ、欧州エマージング国などが含まれます。投資対象は債券ではありますが、短期債券の場合が多いようです。各社、高金利または好金利(私にはこの使い分けがよく分かっていませんが)をうたい文句に、商品提供を行っています。先進国の金利は、米国発のリセッション懸念から金利低下傾向が続いており、今までように先進国債券のみで毎月分配など配当重視の投信を設計することが困難になったことから、エマージング債の組み入れ比率をこぞって引き上げているわけです。しかし、皆さん、この前に起きたアイスランドの通貨下落をお忘れですか?20%も下落するといくら金利が15%ぐらいに高くてもペイしません。加えて、機関投資家の世界ではエマージング債券投資はすでにバブルな状態を経験し、サブプライムのショックの時もなかなかスプレッドが拡大しませんでした。今更、この債券市場に投資するというのには、非常に疑問があります。個人向けだから良いのでしょうか?まさか、そんなことはないでしょうが。。

2008年4月21日 (月)

第13話 「格付けと債券運用」

4月11日付(すいません、少し昔ですが)のPensions & Investments誌によると、米国SECがSECの規定やガイドラインから格付会社による信用格付けを用いることを止めることを検討していると、SECコミッショナーのキャサリン・キャッシー氏が講演会で話したと伝えています。理由としては、一連の証券化商品の格付け問題に端を発して、格付会社の信用格付レーティングの質に懸念があるためと述べています。加えて、投資家は信用格付けに頼りすぎていたので、これからは自分で信用リスクを評価すべきとしています。

格付会社の格付けが信用できるかどうかの議論は、別の人にお願いするとして、こうした動きが運用の世界にどのように影響するかを考えたいと思います。日本でも金融機関やそこを取り締まるお役所が信用格付けに基づいたルールを用いています。SECが考えているようなことが日本で起これば、コンパスの無い航海のような状況に陥るでしょう。極端な話、国債以外の商品に投資することはサラリーマン投資家としてほとんどできなくなるかもしれません。これは運用側も資金調達側にとっても由々しき問題です。少なくとも信用リスクを自らの責任で評価しなければいけないというルールに変われば、そうした能力のある外部の債券専門の運用会社(例えば、ピムコとかブラックロックとか)に委託する動きが進むのではないでしょうか。そういう仮定に基づけば、こうした運用機関の運用にも注目していく必要があります。

一方、債券投資の面からすると、格付けの信用性が落ちると、いわゆる”信用スプレッド”に混乱が生じるかもしれません。通常、格付会社の格付けに応じて、AAAのスプレッドは?、とかそのような基準で債券投資を行ったものが、そうした基準が使えなくなるかもしれないからです。どんな優れた運用者でも適正価格が何であるかが一時的にも分からなくなると、投資に戸惑いを持つものです。

この記事は、どれほど世間で注目されているかわかりませんが、意外と影響があるかもしれず、引き続きフォローする必要があると思います。。

2008年4月20日 (日)

第12話 週末版 「グロソブ」

本日の日経ヴェリタス21面に”グロソブ”、すなわち「グローバル・ソブリン・オープン」を運用する国際投信投資顧問の山内副社長のインタビュー記事が掲載されております。ご存知のように”グロソブ”の愛称で親しまれるこの投信は、5兆5千億円の純資産と160万人の受益者を抱える巨大ファンドです。その昔、野村が1兆円ファンドとして出した”日本株戦略ファンド”のように強引に純資産を増やしたのではなく、10年間でここまで成長したのはお見事というところでしょうか。このグロソブは、毎月分配ということで、「再投資することによる運用効率を阻害し、結果、機会損失を顧客に与えている」と過去何度もも業界で批判する人がいました。特に運用のプロを自称する人に批判する人が多かったような気がします。しかし、この自称プロは、昔ながらの投資理論から脱却できていない古い考え方を持った人だと考えます。確かに再投資することで、運用効率を高めることができます。これは"Accumulation(アキュムレーション)"と呼ばれる手法です。収益を投資元本に組み入れ、合わせて投資に回すわけです。しかし、近年、先進国で高齢化が進むにつれて、生活費のために、配当を計画的に出しながら、運用をする投信が米国で広まってきています。これは、"Deccumulation(デキュムレーション)"と呼ばれる手法です。デキュムレーションでは、バランス型運用になっているケースが多く、従来のような投資理論の平均-分散法での最適化とは違う方法で資産配分が決定されます。退職すれば、当然、定期的な収入は年金中心になっていくわけですが、その補完のために、こうしたデキュムレーション・ファンドが日本でも発展する必要があると思います。グロソブも多少異なりますが、発想的に近い商品です。自称プロの批判に負けず、今後も頑張って下さい。。

2008年4月19日 (土)

第11話 週末版 「SRI投資」

4月17日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると、オーストラリアの投資家は、代替エネルギー業種の株式が低迷している今でも、SRI、社会的責任投資にこだわっていると伝えています。こだわる理由としては、年金などでは、SRIこそ中長期的に良い運用成果を上げると信じられているからだとしています。SRI、社会的責任投資については、以前、「環境ファンド」の中でも述べましたが、環境ファンドはSRIの一つの分野と言えます。SRI投資の歴史を見るとといくつかの発展がありました。まず、1番目が、”ネガティブ・スクリーニング”です。これは、反社会的、道徳的な活動に関係する企業を排除しようとするものです。例えば、軍需産業とかです。2番目が”ポジティブ・スクリーニング”です。これは逆に社会的な企業の責任を積極的に果たしている企業を選び出して投資するというものです。現在多くのSRI投資はこの”ポジティブ・スクリーニング”を採用しています。しかし、このスクリーニング系の手法は多くの批判を受けました。そもそも投資というのは、できるだけ広い範囲の投資対象から良い銘柄を選ぶべきなのに、わざわざ投資範囲を狭めるスクリーニングは間違っているという考え方です。これがSRI普及の最大の足かせとなっていました。

その後、”エンゲージメント”という考え方が現れます。これは、企業にSRI的活動を投資家として働きかけようという、ソフトアクティビストのような発想です。そして最近では、環境ファンドのようなテーマ性、事業性の高い分野に投資したり、”ESG”(Environment, Social, Governance)という、環境、社会性、ガバンナンスという3つの観点を必ず通常の株式投資の銘柄選定基準に入れるという新しい動きが次々に出てきています。このテーマファンドとESGの考え方は、今まで、SRIに反対してきた人たちにもハードルが下がって、受け入れられ、その結果、世界的に広がってきています。従って、株式投資を皆さんが行う際には、この2つ観点からの銘柄選択により、世界の巨大な年金マネーが買いに来ていることを忘れないでいただきたいです。。

2008年4月18日 (金)

第10話 「インフレ・ヘッジ投資」

4月15日付け Investment & Pension Europs(IPE)によると、オランダの大型年金であるPGGM(医療関係年金)が、インフレ・ヘッジ投資を増やすと伝えています。インフレ・ヘッジ投資、すなわち、将来のインフレ時に運用成果が高まる投資です。まず、最も直接的な投資商品として、インフレ連動債を資産全体の9%に増加させています。インフレ連動債は、昨年9.6%のリターンを稼ぎ出しました。次に、コモディティを5%から7%に、不動産とインフラファンドを15%から16%に、プライベート・エクイティを5%から6%にそれぞれ増加させる予定です。これだけでも合計38%になるわけですので、なかなかダイナミックな運用と言えます。しかし、原油価格が110ドルを超え、穀物への投資意欲が増す中、これぐらいの投資戦略が求められているのでしょう。

一方、日本の年金はどうでしょうか?企業年金の親分のような存在である「企業年金連合会」の資産配分は、国内債券37%、外国債券7%、国内株式33%、外国株式23%となっています。一部、プライベート・エクイティに投資されているとは聞きますが、何とも平凡な資産配分ではありませんか。世界の動きに大きく取り残された状況で、果たして、これで我々の年金原資を確保できるのか疑問です。先程述べた、世界的なコモディティ市場の上昇に全く対処できていない資産配分を無策としか言いようがありません。こういう面からも日本の将来に不安感を抱いてしまうのは私だけでしょうか。。

2008年4月17日 (木)

第9話 「トルコ投資の魅力」

4月16日付けのGlobal Pensionsニュースによると、ヨーロッパを中心に活動する不動産投資顧問会社のCordea Savills社が、トルコの不動産ファンドを立ち上げたそうです。投資対象としては、主にトルコのショッピングセンターや住宅です。トルコは、人口増加に対応するために年間65万戸の住宅が必要であると政府が予測しており、また、もうすぐEUに加盟することが予想され、経済成長率が高まると期待されることから、不動産ファンドの魅力が非常に高いと同社は見ています。また、別の投信会社であるリクソー社(Lyxor)が、トルコ株のETFを設定したことも挙げられています。

トルコについては、以前にも紹介したエマージング市場に含まれる株式市場で、経済成長の高さから注目される市場の一つだと思います。確かに、過去5年間で年率30%以上のリターン(ドル建て)を達成してきました。しかし、今年に入って若干様子が変わってきてます。皆さん、年初来のトップパフォーマーはどこの国でしょうか(ドル建て)?トップから挙げていくと、ガーナ、オマーン、クウェート、チュニジアと続きます。一方、ワーストパフォーマーは、ベトナム、キプロス、トルコ、中国となっています。トルコは、昨年までは良かったですが、今年に入って30%以上の下落(ドル建て)です。こういう状況を見ると、証券市場の規模以上に投資することはリスクが大きいなと思います。ベトナムなども昨年は注目されてきましたが、現在では、株式市場自体の構造問題が提議されることが多く見受けられます。先進国の株式市場の魅力が減少していることは認めますが、結果としてこうしたエマージング市場が取って代わるわけではないことを是非、考えて頂きたいです。

(おまけ)

本日、木村剛先生の"ゴーログ"に私のブログを取り上げて頂きました。光栄です。本当にありがとうございました。今後も励みにして、頑張ります。。

2008年4月16日 (水)

第8話 「浪速おふくろファンド」

第5話でも取り上げた地域ファンドの一つがこの浪速おふくろファンド。いつ見てもインパクトのあるネーミングです。運用の内容については、前回、辛口コメントを載せましたが、ビジネスとしての志しには、敬意を表したいです。やはり、こういう「おらが町の投信会社」のビジネスがなかなか容易に採算にのるとは思えないわけで、それでもこのビジネスを行うというのだから、相当強い志しがないとできないでしょう。さわかみ投信が支援しているとはいえ、昨今のコンプライアンスに求められる要求が年々高まる中で、こうした小規模運用会社が営業を行っていくことは非常に困難です。加えて、浪速おふくろ投信、かいたく投信および楽知ん投信などは直販会社ですから、口座を持つ会社の事務たるや大変であると想像します。その苦労の一例として、かいたく投信と楽知ん投信のオフィスの場所です。同じ麹町のビルの7階にあるわけですが、色々な意味でお互いに助け合っているのではないかと想像します。さわかみ投信も近くに集まってもらった方がサポートもしやすいでしょう。しかし、投信の事務や計理、そして発注などそんなに甘く見ていると後で大きな落とし穴があるかもしれません。経費を抑える意味では、どうしてもこうしたバックオフィスや管理部門を軽視しがちですが、昨今はこの部分で足元をすくわれる可能性があり、ひいては会社の存続にまで影響することは考えておいた方が良さそうです。加えて、人材です。どうしても金融経験のある人を採用するとある一定水準以上の報酬を払わざるを得ません。従って、ついつい人件費を抑えるために、金融と関係ない人を採用したり、金融経験者でも50歳代以上の人を採用したりとしている場合も見受けられます。投資商品として、長期保有を強調するのであれば、投信会社としての会社の体制も長期投資に耐えうるものかどうか、これもファンド選定のポイントでしょう。

ところで、「浪速おふくろファンド」さん、解約時の信託財産留保金を無しにしてますが、大丈夫ですか?中に組み込んでいるさわかみファンドなどしっかりと留保金取ってますけど。すいません、お節介でした。。

2008年4月15日 (火)

第7話 「森林ファンド」

昨日に続いて、やや珍しい投資の話です。4月11日付のGlobal Pensionsニュースによると、森林ファンド(直接的には木材)への投資ニーズが米国の年金基金で高まってきているとのことです。森林ファンドへの投資は、80年代から米国の年金では行われてきましたが、ここに来て更に注目されているとのことです。森林ファンドからは、非常に長期の投資対象で、インカム収入(これは主に木材を売ったときのキャッシュ)と値上がり益(これは切り株をそのまま残しておけばまた成長して、結局、森林や土地の価値が上がるというロジックらしい)が得られるます。過去、森林ファンドからは年率15%ぐらいのリターンが得られており、また、将来的にも、8%ぐらいのリターンが期待できると専門家は見ています。もちろん、災害のリスクなど、森林投資にもリスクはありますが、世は、”実物資産投資”ブームです。森林ファンドもその中の一つとして、非常に注目されてますし、リターンも高く、また、見方によっては環境という面でも”グリーン”をテーマとして注目されるでしょう。

こうした新商品が更に広がっていき、いつかは、個人でも投資できれば良いですね。。

2008年4月14日 (月)

第6話 「音楽著作権への投資」

4月11日付けのInvestment & Pension Europe(IPE)のニュースによると、世界第3位の大型年金基金であるオランダのABPが、系列の運用会社APG(All Pension Group)を通じて、クラシック音楽関連の出版社としては世界最大手のブージー・アンド・ホークスを1億5千7百万ユーロで買収したそうです。同社は、ストラヴィンスキーやバルトーク、コープランド、ブリテン、プロコフィエフ、リヒャルト・シュトラウス、ラフマニノフの全作品を含む、20世紀の多くの作品の版権を持つそうです(すいません、音楽には疎くて、書いていながらよく分かっていません)。

ABPが音楽著作権への投資を行うの今年の2月に続いて2回目。その時は、ユニバーサル・ミュージックグループから「レイ・オブ・ライト(マドンナ)」や「イレプレイスブル(ビヨンセ)」を含む9万曲の著作権を1億4千万ユーロで購入しています。APGのスポークスマンによると、この投資で8%の利回りを得られるとのことです。彼らにとって、年金運用の投資対象の中核である債券や株式と相関が低い資産に分散投資することは非常に重要で、著作権は、まさしく低相関かつ高利回りの商品を実現する商品です。彼らはこうした新しいアイディアを考えては、内部で提案し、こうして実現しているわけです。

著作権投資は、印税などから利払いを行うわけですが、確かに、映画ファンドに比べると安定しているような印象があります(ただ、正直、私はこの投資にそれほど詳しいわけではありませんが)。映画ファンドは一発屋の印象がありますが、音楽なら、根強いファンが長期に亘って定着しています。クラッシックもそうですし、ビートルズなどもそうですね。日本でもネットで調べると著作権ファンドは過去にいくつか出ているようです。しかし、仮に8%のような安定した利回りが期待できるのであれば、今後も需要は結構出るのでないでしょうか。我々も、ABPに負けないように、新しい投資アイディアを常に考える必要があります。。

2008年4月13日 (日)

第5話 週末版 「さわかみ投信と地域ファンド」

本日の日経ヴェリタス21面に「さわかみ投信」が地域ファンド設立の支援を加速しているという記事が出ていました。これは、地域密着型のファンド・オブ・ファンズを立ち上げる際に、さわかみファンドの組み入れや外資の運用会社などを紹介し、また人材面でも支援していくというものです。ここでの例では楽天投信が出ていましたが、60面で紹介されている「浪速おふくろ投信」もその一つです。他にも、「楽知ん投信」や「かいたく投信」が今回のさわかみ投信の地域ファンドの一環として新しく設立された投信会社です。また、若干異なりますが、セゾン投信やありがとう投信もさわかみファンドを組み入れる投信会社でもあります。

これらの会社の特徴は、①ファンド・オブ・ファンズなのでさわかみ投信など既存のファンドを組み入れる、②各社とも組み入れるファンドは、ほとんど同じ。日本株はさわかみ投信、新興国株式ファンドでコムジェストなど、③運用報酬を残高逓減にしていること、④直販で販売会社に依存しない、などが挙げられるます。このさわかみ投信の地域ファンドの発想ですが、ビジネスと運用の二つの側面があると考えます。ビジネスの面から見れば、「なかなか面白い発想でかつ良いところに目を付けたな」と感心します。日本の投信市場は、販売会社、すなわち証券や銀行の意向に沿った商品提供がなされています。従って、今も昔も販売会社は売れそうな、手数料の高い商品のみを扱いがちですし、長期投資よりも、インド、中国などのテーマ性や毎月分配などの売りやすさを求めてしまいます。こうした中で、販売会社の影響をできるだけ排除するには、運用会社にとって自前の販路を構築するしかありません。その点では、これらの新しい投信会社は、運用能力があるとはお世辞にも言えませんが、直販専門の会社として、さわかみ投信にとっては自前の販路となるわけです。

一方、運用という面では、正直、何を考えてこんなファンドを作ったかなと???一杯です。長期投資と言いながら、アセットアロケーション、カントリーアロケーション、カレンシーアロケーション、ベンチマークリスク等々、きちんとしたポリシーがあって運用戦略を行っているとは私には思えません(あくまで、個人的感想ですが)。そもそも、組み入れるべきファンドもおそらく会社設立に協力してくれたファンドを対象にしているのでしょうから、どれだけきちんとしたデューデリジェンスが行われたのか正直疑問です。。

さわかみ投信のビジネスモデルとしては興味あるものの、これらの投信会社とそのファンドの中身ついては、甚だ疑問があると言わざるを得ません。。

2008年4月12日 (土)

第4話 週末版 「資産運用コンサルタント」

Global Pensions誌では、ニュース以外に定期的に特集読み物を掲載しています。その中から3月7日付特集で、「コンサルタント - 顧客ニーズに合わせたサバイバル合戦」がありましたので、週末版として取り上げたいと思います。ここでいうコンサルタントとは、私の仕事でもある「資産運用コンサルタント」を指します。年金の世界では、受託者責任といって、従業員のために年金資産を運用するのだから、担当者は十分に資産運用の知識や経験を持っていなければいけないと法的に定められています。しかし、実際には企業から派遣された人が全員、そうした知識を持っているわけではないので、その専門家であるコンサルタントを雇い、アドバイスを受けることで、その責任を果たすことができるわけです。世界的な有名なコンサルティング会社として、マーサー・コンサルティング、ワトソン・ワイアット、ラッセル、タワーズペリンなどがあります(日本でもこれらの会社はサービスを提供しています)。

この特集記事では、昔は、こうしたコンサルタントは比較的楽なビジネスだったとしています。すなわち、高齢化も進んでいない時代で、年金資産は増えていく一方で長期投資が可能だったこと、企業会計が年金運用の制約することはなかったこと、株式や債券中心でオルタナティブ運用など年金が投資対象としていなかったことが理由です。しかし、今はこうした条件が大きく変化し、コンサルタントも顧客のニーズに応えるために、苦労していると伝えています。加えて、先進的な金融技術が必要になったことで、投資銀行や運用会社が資産運用アドバイスを年金基金に提供するようになってきて、更に、競争は厳しくなっています。

サービスの変化の一つに、「LDI(Liability Driven Investment」の提供があります。LDIは、年金の会計上の負債に合わせて、運用を債券中心したり、スワップを活用するものです。債券運用でいう「イミュナイゼーション」のようなものです。しかし、コンサルタントは、スワップを自分でアレンジすることはできないので、投資銀行などが進出してきているわけです。確かに、自分の経験からしてもコンサルタントとは最終的には無力な存在です。ちょっと賢そうには見えますが、結局はアドバイスを提供するのみ。そのアドバイスをするかしないかは年金基金次第となります。加えて、このようにスワップをすべしとアドバイスしても、結局は投資銀行にお願いするしかない。自分の信じることを自分で実行できないジレンマは苦しい限りです。

私は、今後も世界の投資家が運用に望む水準は非常に高度になり続けることになり、コンサルタントのサービスは時代に追いつくことは困難であろうと考えます。その代わりに運用会社や投資銀行が代わりの役割を果たしていく方向に流れていくことでしょう。一方で、企業年金や公的年金で役割を終えつつあるコンサルタントは、個人の資産運用に新しい活路を見出していくのではないかと考えます。なんだかんだ言っても、個人の金融リテラシーは低いままです。確定拠出年金などを通じて、コンサルタントが個人の投資教育の分野に入っていければ、マクロで見て、意義ある存在になると思います。。

2008年4月11日 (金)

第3話 「タクティカル・アセット・アロケーション」

4月9日付 IPE(Investment & Pension Europe)ニュースによると、オックスフォードシア州年金が、UBSに委託しているTAA(タクティカル・アセット・アロケーション)の運用結果を問題視し、過去に支払った成果報酬の返還をUBSに求めたと報じています。TAAとは、株式、債券、現金のアロケーションを機動的に変更して、収益を上げる運用手法を言います。ニュースによると、2007年第4四半期で、▲2.85%資産価値が下がったことが怒りをかったようです。しかし、UBSが過去の成果報酬返還に難色を示したことが遠因(または直接な原因?)でこの年金は、他の英国株式や債券の運用についてもUBSを解約することを決めました。まあ、何とも個人的には情けない話だなと思います。このブログは世界の進んだ話を載せたいと思いましたが、年金が運用成果が悪化したからと言って、過去の成果報酬を返せとは情けないです。日本だったら、損失補填を要求したとして、即アウトですよ。加えて、江戸の仇を長崎でのような、他の資産の解約も子供じみてます。海外といっても、まだ、このレベルの話もあるのですね(日本の年金基金の方も、似たようなことを昔、言われたこともありましたが)。

しかし、最近のタクティカル・アセット・アロケーションの運用結果は散々ですね。一文字、”G”が加わるGTAA(グローバル・タクティカル・アセット・アロケーション)について見ると、平成20年2月末現在2本のGTAA公募投信(野村メロン・ダイナミック・ファンドとGSグローバル・マーケット・ストラテジー)のパフォーマンスを見ると、過去1年でそれぞれ▲14.5%と▲20.9%です。絶対利回りを売り物としている商品としては、悲惨としか言いようがありません。これらは、通常、クオンツ運用と呼ばれる金融工学モデルに基づき、運用されています。昨年は、サブプライム問題などあり、モデルがほとんど効きませんでした。加えて、これらは意外と単純な理屈の「極端に上がったり、下がったりしたものは、平均に戻る」に基づいています。しかし、昨年のショックが長期化しており、そうした理屈が働かなかったのです。世の中、絶対などありませんが、しかし、運用結果が悪くなったからといって、運用報酬を返せなど言ってはいけませんよ。ちなみに、私は初めてGTAAを知った12年前から、この商品は好きになれません。運用報酬も非常に高いですし。。

2008年4月10日 (木)

第1話のおまけ 「環境ファンド」

第1話で取り上げた「環境ファンド」ですが、今日の日経新聞の7面に「洞爺湖にらむ環境金融」で特集されていました。やはり、環境ファンドに注目がきてますねscissors。ゴア氏のジェネレーションのファンドについても取り上げられていますが、残念なのは、このファンドを単独で買えないことです。ラッセルのファンドは、ジェネレーションを含め、複数のファンドを組み合わせるようなので、せっかくの良さを消し去ってしまいそうです。本当に残念。UBSグローバルののファンドも一時、約一千億と書いてありましたが、2月末では800億円を割り込んでいます。やはり、環境といっても、株は株なので、この下げの影響はあります。しかし、成長シナリオがなかなか描けない昨今の市場状況から見ても、こうした環境への注目度は益々増すのではないでしょうか。今日は、この日経新聞の特集が出たので、予定を変更して、おまけ版でした。明日は、今日書くつもりだった「タクティカル・アセット・アロケーション」について、第3話として取り上げたいと思います。。

2008年4月 9日 (水)

第2話 「エマージング・フロンティア」

4月8日付Global Pensionsの記事によると、格付け及びインデックス会社のS&P社が新しくアフリカ株式指数のシリーズを開発しました。同社の汎アフリカ指数には、ボツワナ、コートジボワール、エジプト、ガーナ、ケニア、モロッコ、南ア等々12市場が含まれているそうです。その中で更に小さな市場をアフリカ・フロンティア指数としています。しかし、世はエマージング市場ブームとは知っていましたが、ここまで来ると、BRICSやVISTAなんてカワイイものです。インデックス会社がカスタマイズではなく、汎用的な指数を作るのは、それなりにニーズが高いからでしょう。従って、世界的にこれからの市場、すなわちエマージングよりも更に小さく、成長の期待できる(?)エマージング・フロンティア株式に関心が移行していると思われます。しかし、私は恥ずかしながら、これらの国々に株式市場があることを知りませんでしたし、パフォーマンスも良かったとは気づきませんでした。一方で、運用対象もここまで来たかと、若干疑問にも思っています。皆さんはいかがでしょうか。。

2008年4月 8日 (火)

第1話 「環境ファンド」

それでは、記念すべき初回のテーマは、ずばり「環境ファンド」。42日付のGlobal Pensionsによると、カナダの公的年金であるCPPIB (Canada Pension Plan Investment Board)が、米国の風力発電会社のNobel Environment Powerに約200億円を投資することを決めたそうです。同社は、New YorkTexasなどに280メガワット超の電力供給ができるそうです。これは、7万世帯への電力供給に相当するそうです。7万世帯、大体、武蔵市や立川市がこれぐらいのようです。風力発電だけで武蔵市の電力を賄えるなんて、さすが、米国はデカイです。

しかし、ここにきて環境関連の投資の話題は、増加傾向が顕著です。やはり、アル・ゴアの「不都合な真実」という映画上映以降、世界的な関心の高まりにも目覚しいものがあります。そう言えば、6日(日)の日経ヴェリタスの小さな記事にも、このゴア氏の運用会社であるGeneration社の運用する環境ファンドを組み込んだ国内投信がでることが紹介されていましたが。冒頭のカナダの公的な年金のケースでもそうですが、こうした公的な存在のファンドは、率先して環境などに関心を示しているようです。これはSRI(社会的責任投資)、ESG(環境、社会、ガバナンス)などと言われて分野です。一昔前は、「~すべき」という倫理面が前面に出ているのが、こうした社会的責任投資でしたが、今は違います。今年からは環境が「ビジネス」に大きく変貌しているのです。従って、昔のように、「儲からなくても、~すべき」の倫理上で議論する時代は終わったのです。世界のプロは、環境関連ビジネスに(代替エネルギーやクリーン事業など)お金をシフトし始めています。注目すべきでは。。

はじめまして

はじめまして、皆さん。ついに今日からココログでブログを立ち上げることになりました。構想1ヶ月、ココログの有料研修まで受講して準備してきましたが、なかなか始められないものですね。

私は、10年以上、資産運用コンサルタントとして日本の年金ファンドなどに投資アドバイスを提供してきました。その情報や経験を是非、同じ問題意識を持った人と共有したいと思っていました。もちろん、私は、カリスマ・ファンドマネジャーでも、常勝トレーダーでもありませんので、自分の相場感をここに書くことはありません。しかし、今、世界の投資家、特に、年金ファンドや運用機関がどのようなことを考え、どういう行動をとっているかを、内外の専門メディア(Global Pensions,  Pension & Investmentsなど)から紹介し、それに関する自分の意見を表明していきたいと思います。そうした世界の潮流を知り、皆さんの投資戦略に活かしてもらいたいと思います。

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