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2008年5月 8日 (木)

第30話 「円キャリートレード」

本日の日経新聞夕刊の「目からうろこの投資術」という欄で、伝説のトレーダーの藤巻健史さんが、「円キャリートレードの解消が円高ドル安の原因と言われるが、円キャリートレードなど存在しない。自分がJPモルガン銀行の支店長だった時にヘッジファンドに円を貸したことはない」など書いていました。なんだか、”おいおい、老いぼれたか”と言いたくなるような内容でした。昔は、藤巻さんの”プロパガンダ”を読んで、こんな面白いことを書く人がいるのかと思ったものでしたが、時の経つのは、早いものです。藤巻さんは、本当に円の資金を借りて、それをドルに換えることが円キャリートレードだと思っているのでしょうか?実際の取引は、円の先物予約(フォワード取引)で行われていることは、ほとんどの人が知っている話ですよね。フォワードは、将来日付で決済する為替取引で、例えば、3ヶ月後に、円を売って、ドルを買うといったものです。この場合、約定する為替レートは、3ヶ月の円ドルフォワードレートを使用し、スポットレートと2カ国間の金利差で計算上、決定されます。従って、フォワードでドルを買うと、円資金を借りて、ドルを買うのと同じ効果になり、通常こういう取引を引き受ける銀行にとっても、円資金を貸して、ドル資金の預金を受け入れたようになるわけです。ヘッジファンドを含む為替取引を行う機関投資家は、このフォワード取引で為替ポジションと作ります。この場合、金利の低い国の投資家から見ると、どうしても高金利通貨をロングにする傾向があります。なぜなら、黙っていても金利差が収入になるし、相場感が当たれば、ダブルで運用成果を上げ易いのです。逆に高金利通貨のショートポジションは見通しと逆に動くと金利差と為替の動きでダブルで損になる可能性があるので、相当見通しに確信がないと取りにくいポジションです。だからこそ、サブプライムショックまでの為替相場は、最も居心地が良い(すなわち、高金利通貨が強く、ロングしていればダブルで儲かった)時期だったわけです。その解消で、円高になったとすれば、非常に納得のいく話で、藤巻さんの言っている根拠が全く良く分かりません。彼は、円安論者なので、ポジショントークでそういうことを言い出したのでしょうか?であれば、伝説のトレーダーもへぼトレーダーもあまり差がないということですか。。

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