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2008年6月 2日 (月)

第55話 「企業年金連合会」

Nikkei Net マネー&マーケットというHPに「経済羅針盤」という連載があります。本日掲載された最新号に、企業年金連合会の矢野専務理事が、「買収防衛策の前に取締役の忠実義務の確保を」という記事を載せています。内容的には、取締役は安易で自己保身的な買収防衛策を取るよりも、長期的な株主価値に資するような行動と取っているか、株主に対する忠実義務を問いかけています。この企業年金連合会という組織は、以前は、厚生年金基金連合会と呼ばれていた組織です。皆さんは、厚生年金基金という企業年金をご存じですか?これは、企業が従業員のために独自に積み立てる年金と国の厚生年金保険の一部(報酬比例分)を合わせて、従業員の年金を支払う仕組みです。この場合、本来国から支払われる厚生年金の一部は、企業からまとめて支払われることになります。しかし、転職などで、年金をもらう前に企業を退職したり、企業自体が厚生年金基金を止めてしまった場合、この部分が浮いてしまいます。そのため、その部分をこの企業年金連合会に移管し、その間、運用を行ってもらい、将来、厚生年金の一部を支払ってもらうのです。実は、私も転職した関係で、企業年金連合会に年金を運用してもらっている利害関係人です。しかし、この組織、ディスクロジャーが十分ではありません。HPを見ても、直近の運用状況など把握できませんし、どういう運用機関にいくらの報酬を払っているかも分かりません。また、最近では、年金の不払いが、この組織でも見つかり、理事長が責任をとって退任しています。そもそも、この組織にはまともなガバナンス体制がありません。厚生労働省の天下りにより、お役所体質で運営されているわけです。今回の矢野専務理事も、厚生省の年金局長までなったエリート官僚です。こうした人は、自分たちの組織のディスクロージャーやガバナンスも不十分なことも棚に上げて、民間企業の取締役を非難するのは、いささか本末転倒のようです。役人によくある民間いじめの一貫としか思えません。私は以前にも日本の公的年金の運営に異を唱えていますが、企業年金連合会も大きな問題を抱えた組織と言えます。。

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コメント

ファンドバスター様

海外の資産運用関連の調べものをしていて、こちらのブログにたどり着きました。P&I、IPE等をリアルタイムでウォッチされていることに驚愕しております。。。

ご指摘の点、共感しております。厚生年金基金連合会は企業年金連合会になってから、GPIFは独立行政法人になってから、閉鎖的な体質に磨きがかかってきていますね。第51話で取り上げられたCPPIBやその他の海外巨大年金のように、メッセージ性に富んだ電話帳並みに厚いアニュアルレポートで情報開示してこそ、社会的公器の役割を果たせると思っているのですが。。。

今後の情報発信を楽しみにしております。

dequeued様
コメントありがとうございました。なんとか続けておりますが、今後も、ご期待に沿えるよう、頑張ります。よろしくお願い致します。

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