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2008年6月 4日 (水)

第57話 「確定拠出か確定給付か」

6月3日付のPensions & Investmentsによると、ウェストバージニア州教職員確定拠出年金の加入者の78%以上が当該確定拠出年金の資産を同じく教職員退職年金(確定給付年金)に移管するべきと投票しました。理由は、確定拠出年金では、将来に十分な退職給付を確保できないという不安からです。確かに、この不安、日本でも当てはまりますね。日本でも2001年から確定拠出年金制度が導入されました。従来の確定給付と確定拠出の違いは、確定給付がもらう年金額が事前に決まっている一方で、確定拠出は、企業が積み立てる金額が事前に決まっています。どちらも企業が従業員のためにお金を積み立てることに違いはありませんが、確定給付の場合、企業が運用のリスクを負い、確定拠出の場合、従業員がリスクを負うこととなります。2000年のITバブルの崩壊と新しい会計基準の導入で、企業は年金運用のリスクから解放されたいと強く欲し、確定拠出年金導入に向けたロビー活動を実施しました。一方、金融機関も個人向け商品の方が手数料が高くなり、また、退職後も顧客として囲い込めるとの思惑、また、コンピューター会社も新制度に必要なシステムの開発で設けられるとの思惑があり、確定拠出年金は導入されたわけです。しかし、導入されたものの、従業員は運用に対して慎重な態度を取り、元本保証の預金に多くの資金を配分しています。これでは、年金制度設計上の想定運用利回りの達成は困難であり、必要な退職後の年金額の確保に不安が生じているわけです。このままでは問題です。多くの年金難民が発生しそうです。私は、ここで企業の皆様に確定給付年金への再変更を求めます。そもそも確定拠出年金の特徴は、ポータビリティーです。転職しても持ち運びができるわけですが、人口減少の日本で、転職されて良いのでしょうか?今こそ、若い世代に長期で働いてもらうインセンティブを提供すべきです。その一つが従来ながらの確定給付年金なわけです。最近では、独身寮の復活など、過去への回帰も見られます。年金でも回帰したらどうかと思います。。

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