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2008年6月20日 (金)

第73話 「テーマ・ファンド」

6月19日付のGlobal Pensionsによると、世界有数のインデックス提供会社であるFTSEが、環境関連の株式インデックス(Environmental Opportunities All-share Index)を発表しました。この株式インデックスは、環境テクノロジーや環境ビジネスに関連した売上が全体の20%以上を占める企業の株式から構成されています。FTSEとしては、この株式インデックスに連動したETFやパッシブ運用が開発されていくことを期待しているとしています。資産運用の観点からすれば、こうした比較となるインデックスが開発されることは望ましいことですが、こうしたテーマファンドの場合、評価は難しいですね。20%以上が環境と言っても、残りの80%が何やってるか分からないわけで、全体として環境ビジネスで恩恵を受けれるのかどうか、不明です。それにしても、最近、日本でも洞爺湖サミットに向けて、この環境テクノロジー関連に注目が集まってる(または、証券会社等が盛り上げようと努力している)ようで、電池メーカーなどの株価が相対的に上昇しています。投信も環境系のテーマファンドかブラジル、ロシア、中東などのカントリーファンド(広い意味でテーマファンドだと思います)中心に設定されています。しかし、そもそもテーマファンドを単独で投資するのは、いかがなものかと考えます。すでに、十分にグローバルに株式投資を行っていて、加えて、テーマファンドに投資するなら良いのですが、売ろうかなの営業トークに負けて、テーマファンドだけに投資するのは、非常に歪なポジションになってしまいます。この点は、金商法が施行されても何も変わるところがありません。株式だから株式としての総論のリスクしか説明しないでは、投資家を間違った報告に導くことになります。投信は5月に持ち直したとは言え、総じて、売上が不調です。市場動向も不透明ですが、その場しのぎでテーマファンドばかり取り上げていると、運用会社も販売会社も、さらに窮地に追い込まれるかもしれません。本当に、個人投資家のマインドを変え、貯蓄から投資への流れを作るのは、決してテーマファンドではないことを気づいてもらいたいと願います。

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