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2008年6月25日 (水)

第78話 「ヘッジファンドの今後」

6月24日付けのGlobal Pensionsによると、コンサルティング会社であるグリニッジ・アソシエイト社が2007年のヘッジファンドのリターン結果などに関する調査結果を発表しました。それによると、10%超のリターンを達成したヘッジファンドは、2006年で全体の62%から2007年は52%に低下しました。特に債券戦略のヘッジファンドのリターンは不調で半分以上を債券戦略に投資したファンドのうち、2桁のリターンを達成できたのは、43%でした。また、うち8%はマイナスのリターンとなりました。加えて、地域別では、欧州系のヘッジファンドは、債券戦略の比率が高く、資金の引き上げが他の地域よりも厳しかったとのことです。

正直ところ、ここまでの情報は改めて調査結果と言われるまでもなく、世間で話されているような内容と一致しています。サブプライムなどの証券化商品、デレバレッジ、流動性の枯渇などの影響で昨年のヘッジファンドは、ポールソンなどの一部のスーパーファンドを除いて、厳しい年となりました。しかし、もうすでに6月、昨年のことよりも今後の動向の方が気になります。ここまでのところ、1-3月が大きなマイナスとなり、4-5月で一部取り戻したという途中経過です。すでにこのブログでも取り上げましたが、証券化商品の再崩落が起こっているので、ディストレス戦略でモーゲージ債に投資したファンドが現在厳しい状況にあると聞いています。加えて、デレバレッジの影響も消えておらず、一部のヘッジファンドでは再び、解約停止や清算を発表したところがあります。比較的好調なのは、マクロ戦略のようです。昨年のような大きな変動やトレンドが出ると、先程のポールソンのように驚異的なリターンを達成することができますが、今年は、市場は低迷状態のままですが、一方方向に大きく動いていません。加えて、解約に備えて現金ポジションも高めにしていることも考えると2008年のヘッジファンドの報酬控除後リターンは、現金リターンを上回る可能性が低いのでないでしょうか?そうなった場合、投資家から高い運用報酬に対する非難が集まることは容易に推測できます。ヘッジファンド業界の機関化もターニングポイントに来たかもしれません。

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