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2008年6月

2008年6月30日 (月)

第83話 「ファンドラップ」

6月30日付け日経新聞朝刊33面に「金融商品深堀チェック」とい特集で、ファンドラップに関する記事が出ていました。記事の通りの説明文を使えば、ラップ口座とは、自分の方針を最初に示したうえであとは基本的に証券会社などに運用を任せる「ラップ口座」で、運用先を投資信託に限定したのが、「ファンドラップ」となります。最近、最低投資金額が引き下げられたことで契約資産は増加傾向にあるが、コストに見合う成績が出ていないというような、ややネガティブなトーンで記事は書かれています。ここでの試算では、年間3%程度のコストが必要で、これに補うにはリスクを高めた運用をせざるを得ないとしています。基本的に、この意見には同感です。3%も払って見合う結果が出る可能性は非常に低いことは明白です。私は、以前に、ラップ口座の可能性を示唆しましたが、これは、アセットアロケーションを重視して、コストの低い投信やETFを活用した一任運用を意図したものです。今あるファンドラップは、ファンドラップ専用投信のみしか投資できませんので、コストも問題ですが、選択肢が狭すぎます。これでは、お手盛りのファンド・オブ・ファンズと変わりません。まったく、価値の乏しい商品に自ら陥れているわけです。一方、「フィナンシャル・プランナーに相談して決める」と書いている「プロはこう見る」の欄に、ネット証券系の方のコメントもありましたが、結局、相談しても自分で決める時間、能力のある人に限られた話で、一般的とは言えません。素人も活用でき、かつプロのアセットアロケーションやリバランスのサービスが受けられる一任口座でないと万人には便利ではありません。ETFなども含め、もっとオープンに商品を選択できる"新ファンドラップ”を、金融機関の皆様、どなたか始めてみませんか。。

2008年6月29日 (日)

第82話 週末版 「ETFでポートフォリオを作る Part2」

本日の日経新聞の「投資入門 投資信託の基礎6」において、海外ETFの解説が掲載されています。私も、約1ヶ月前の第54話で「ETFでポートフォリオを作る」を紹介しました。そこで、国内株はETF、外国株は米国ETF、外債は投信、円債は国債現物で500万円のポートフォリオを作ることを考えました。そして、実際に6月2日に注文を出すのですが、当初計画と変更がありました。一つには、米国ETFでMSCI Kokusai指数に連動するバークレーズのisharesを購入しようと思いましたが、考えを変えて、国内投信にしました。理由としては、すごく面倒であるということ。ネット証券での発注ですが、先ず、円を入金し、それをドル資金に変える取引をし、その後、ETFの発注するのですが、思い通りの金額を買えるか、為替の時間差はどうかなど、考えると面倒になってしまったわけです。もう一つは、このETF、残高が10億円に満たないほどであることが分かり、ためらいました。米国では、上場したまでは良いが、残高が小さく、上場廃止予備軍のようなETFが多いそうです。次の変更点は、円債で国債現物での投資を諦め、これまた国内投資にしました。今月は債券の値段が大きく振れましたが、どうも個人が買える既発債市場の値段は、価格の反映が不透明でやはり躊躇しました。インデックス運用としては、住信アセットのパッシブがコスト的に最も優れていたので、これを利用しました。ちなみに、日本株ETFも投信に変更する予定です。私は、投資成果は、アセット・アロケーションとリバランス(当初決めた比率に戻すこと)で決まると思っています。しかし、ETFは最低取引単位がありますので、細かなリバランスには不向きです。元本が相当程度ないと、うまくいきません。さて、この1ヶ月の結果は?週末段階で、500万円の投資は、▲6千円の評価損です。小さな金額ですが、損は損。がっかり。

2008年6月28日 (土)

第81話 「ジム・ロジャースのご託宣」

6月28日付けのブルンバーグニュースによると、著名投資家であるジム・ロジャース氏が南京で講演し、「中国株は、50%下落したが、自分としては、再度買おうと考え始めている」と語ったそうです。加えて、いくつかの予想を語っており、「原油は、近々に誰かが大きな油田でも発見しないかぎり、まだ、上昇し続ける。ドル通貨は、持つな。米国株は、今後も下げる。米国は、第二次世界大戦以降、最悪のリセッションに入るかもしれない。」などと予想しています。う~ん、なかなか厳しい予想ですね。確かに、彼は、早くから原油や金の高騰を言い当てていたので、なんとなく説得力がありますが。しかし、これを前提として考えると今後増やすべき投資は、中国などの主要エマージング、コモディティとなって、減らすべき投資は、米国株、ドルということになりますね。また、彼は、サブプライムに端を発したモーゲージ危機も続くと予想してますので、金融株も減らすべき投資になります。これを忠実に守ると相当”いびつ”なポートフォリオになりそうですが、まさしく、世界経済が”いびつ”になってきてるになってきているからでしょう。今後の投資戦略を立てるは大変ですわ。

2008年6月27日 (金)

第80話 「General Motorの株価」

昨晩の米国株安について語らざるを得ないでしょう。世界の終焉とまでは言いませんが、相当な危機であることは間違いありません。その象徴がGM株です。11.43ドルまで下げ、53年間の最安値を記録しました。53年前とは、1955年ですね。チャートを見ると、70年代半ばと80年代初めの第1次、第2次オイルショック時の安値を大きく下回った(そのときで20ドル弱ぐらい)わけです。6月26日付けのロイターの記事では、GM株のクレジット・デフォルト・スワップから、市場は、25%の確率で1年以内にデフォルト、75%の確率で5年以内にデフォルトすると予想しているとのことです。また、別のロイターの記事によると、フォードとの合併話があったそうですが、お互いに直面する問題が大きく、その話は流れたとの記事もありました。もちろん、GMの債券自体は、ジャンク債なのですから、デフォルトの可能性をことさら大げさに取り上げる必要もないかもしれませんが、米国株市場の象徴のような印象を個人的に持っていたものですから、昨晩は、市場を見ながら興奮しました。非常に米国経済の舵取りは難しくなってきましたが、インフレの前に、リセッションへの対応、すなわち、金利引下げが近くなったのではないでしょうか。GM株の株価が予言しているような気がします。

2008年6月26日 (木)

第79話 「投資における非流動性」

6月26日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると、世界的な運用コンサルティング会社の一つであるマーサー社のガードナー氏がロンドンで開かれたセミナーで講演し、「プライベート・エクイティ、不動産、インフラストラクチャーような流動性の低い資産は、非常に長期な投資なので、途中でその商品に関する規制などが変わる可能性があり、非常に大きなリスクを持つ」と注意を喚起しました。ここで言う流動性とは、換金しやすさを言います。PEや不動産の場合、売りたい時にすぐに売れませんし、満期も10年以上の場合多いので、こうした資産は、流動性が低いと言います。一方、流動性が高いというと、預金、株式、債券、コモディティなどを一般に言いますが、債券でも最近の証券化商品などは、流動性が低い部類に入ってしまいます。従って、ガードナー氏は、こうした投資を行う時は、将来的な規制等の変化に対しても十分に精通している選ばれた運用機関と付き合いなさいと言っています。確かに指摘されていることは間違っていないと思いますが、なんだかプロのコメントとしては、消極的過ぎる感じもしますね。そもそも流動性の劣る投資商品に投資するのは、流動性を犠牲にした高いリターンです。加えて、そんな長期の投資を素人が投資することは、まず無いので、ここまでの保守的な注意喚起を機関投資家に対して行うのは疑問があります。実際、世界的に、機関投資家は、PE、不動産、インフラへの投資配分を増やしています。と言っても、やみくもに買っているわけではなく、配分を増やして資金投入のタイミングを見ています。例えば、PEでも一般論では高いリターンを狙えますが、ファンドの立ち上げ時期(ヴィンテージ)次第で最終リターンも大きく異なるからです。現在、流動性の高い資産から高い超過収益は狙いづらい状況ですので、長期投資可能な場合には、流動性にこだわり過ぎるのは、妥当ではないと思うのですか、ガードナーさん。

2008年6月25日 (水)

第78話 「ヘッジファンドの今後」

6月24日付けのGlobal Pensionsによると、コンサルティング会社であるグリニッジ・アソシエイト社が2007年のヘッジファンドのリターン結果などに関する調査結果を発表しました。それによると、10%超のリターンを達成したヘッジファンドは、2006年で全体の62%から2007年は52%に低下しました。特に債券戦略のヘッジファンドのリターンは不調で半分以上を債券戦略に投資したファンドのうち、2桁のリターンを達成できたのは、43%でした。また、うち8%はマイナスのリターンとなりました。加えて、地域別では、欧州系のヘッジファンドは、債券戦略の比率が高く、資金の引き上げが他の地域よりも厳しかったとのことです。

正直ところ、ここまでの情報は改めて調査結果と言われるまでもなく、世間で話されているような内容と一致しています。サブプライムなどの証券化商品、デレバレッジ、流動性の枯渇などの影響で昨年のヘッジファンドは、ポールソンなどの一部のスーパーファンドを除いて、厳しい年となりました。しかし、もうすでに6月、昨年のことよりも今後の動向の方が気になります。ここまでのところ、1-3月が大きなマイナスとなり、4-5月で一部取り戻したという途中経過です。すでにこのブログでも取り上げましたが、証券化商品の再崩落が起こっているので、ディストレス戦略でモーゲージ債に投資したファンドが現在厳しい状況にあると聞いています。加えて、デレバレッジの影響も消えておらず、一部のヘッジファンドでは再び、解約停止や清算を発表したところがあります。比較的好調なのは、マクロ戦略のようです。昨年のような大きな変動やトレンドが出ると、先程のポールソンのように驚異的なリターンを達成することができますが、今年は、市場は低迷状態のままですが、一方方向に大きく動いていません。加えて、解約に備えて現金ポジションも高めにしていることも考えると2008年のヘッジファンドの報酬控除後リターンは、現金リターンを上回る可能性が低いのでないでしょうか?そうなった場合、投資家から高い運用報酬に対する非難が集まることは容易に推測できます。ヘッジファンド業界の機関化もターニングポイントに来たかもしれません。

2008年6月24日 (火)

第77話 「コモディティ高騰の犯人探し」

6月23日付けのPensions & Investmentsによると、Enni Knupp & Associatesというコンサルティング会社が、最近の食料、エネルギーおよびその他コモディティ相場の高騰は、機関投資家が投機的に参入したためという、機関投資家犯人説は正しくないと指摘しました。同社によれば、3月末現在での機関投資家のコモディティへの投資額は、2,400億ドルと、商品先物市場の取引の一部であり、また、世界のエネルギーと天然ガスの生産量の3.7%、食料の8.7%に該当するとのことです。年金は、コモディティを買いだめしているわけでもなく、消費しているわけでもないと説明しています。従って、昨今のコモディティ市場において機関投資家を規制する法律に関して、疑問を呈しており、先物市場からOTC(店頭市場)に移るだけだと指摘しています。この規制に関しては、以前、このブログでも紹介しましたが、確かに、締め出すような規制は止めてほしいと思います。しかし、このコンサルティング会社のように、機関投資家の行動が市場に関係が少ないとは言い切れないのではないでしょうか。やはり、方法は違うにせよ、何かしらの規制は必要ではないかという考えに変わりはありません。しかし、何年に1回か、こうした議論が起こっているように思います。やはり、人間社会ではこうした犯人探しは、必然なのでしょうかね。特に先物などのデリバティブは犯人として疑われやすい宿命を背負っています。でも、最終的に、犯人が捕まったのを見たことがありません。古畑任三郎でも呼んできますか。

2008年6月23日 (月)

第76話 「老後の生活と商品相場の高騰」

6月23日付けのGlobal Pensionsによると、英国において、最新の政府発表の統計データを用いた場合、ある個人が受け取る公的および私的からの年金収入は、20年以内に生活費だけで使いきってしまうとの試算をスタンダード生命が発表したとのことです。また、特に昨今の商品相場の高騰は、年金生活者により深刻な影響を与えるとも言っています。すなわち、年金生活者にとっては、食品とエネルギー(ガソリンやガスとか)に対する消費の比率が高く、直接に感じるインフレ率が高いからです。確かに現役世代にとってのインフレ率には、サービスなどの価格も含まれて、多少、マイルドになっているわけです。本件に関するスタンダード生命の最終的な結論は、さすがに商売ぽく、「退職間近の世代は、インフレ連動債券に投資するなどの備えが必要です」となっています。しかし、この問題は、日本にとっても由々しき問題です。ただでさえ、年金不信が高まる中で、年金生活者の購買力さえも、インフレにより実質的に低下してしまうと、老後の安心など益々考えられなくなります。今、世界はインフレ対策を最重要課題として、金融政策を含め、即刻対応してほしいものです。また、個人ベースでも、既に、このブログでも何度も述べているインフレ対応の運用を是非始めて下さい。自己防衛も大切です。

2008年6月22日 (日)

第75話 週末版 「セゾン投信と適正な運用報酬」

本日付の日経ヴェリタス58面の「運用者の流儀」という欄で、セゾン投信の社長のコメントとセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドについて紹介されていました。このブログでもさわかみ投信関連のファンド・オブ・ファンズについて、愛のムチを与えてきましたが、セゾン投信もこのグループに属しています。しかし、今回は、記事にある同社社長のコメント「なぜ、他社の運用担当者は六本木の億ションに住んでいるのか?」「なぜ、彼らは億単位のボーナスをもらうのか?」に共感を持ちました。確かに、運用報酬の決まり方、特に、投信の運用報酬の決定方法は不透明です。普通、販売価格は、原価に利益を上乗せして決めます。しかし、投信の運用報酬に、明確な原価計算や利益率が決まっているでしょうか?答えは、ノーです。日本の投信の運用報酬は、1.5%前後が相場です。従って、過去の取引慣行に則り、決定しているだけです。加えて、残高が増えても報酬率は変わりません。例えば、グロソブは、、6兆円の資産があっても、変わらず1.25%の報酬を取っているわけです。すなわち700億円以上の売り上げを得ているわけです。加えて、この中身を見ると、運用を担当する運用機関の報酬率は資産残高に応じて逓減していますが、逆に販売会社の分が増え、グロソブの場合は、1.25%の内の大半が販売会社に支払われています。その結果、いくらになっても1.25%と運用報酬が変わらないわけです。他社も殆ど、同じ状況です。こうした金融機関の搾取により、先程の六本木に住んだり、億単位のボーナスに化けているわけです。私は、世界的な金融不況は長引くと考えており、こうした高コスト体質は早晩破綻すると考えています。今、運用機関は、改めて、原価を明確に把握し、適正な運用報酬に下げるべきだと思いますし、そうしたファンドしか、これからは売りにくくなると思います。また、こうした固定報酬を取ることで高いボーナスなどを払うのは妥当と思いませんが、運用結果に支払われる成果報酬はもっと取り入れられるべきと考えます。成果報酬で高いボーナスももらっても、それは正当な報酬と認められます。改革が進むのを期待します。

2008年6月21日 (土)

第74話 「証券化商品の再崩落」

6月20日付けのPensions & Investmentsによると、米国ミューチュアル・ファンドである"エバーグリーン・ウルトラ・ショート・オポチュニティーズ・ファンド(Evergreen Ultra Short Opportunities Fund)"の清算されることになりました。当該ファンドは、直近で約4億ドルの純資産がありましたが、投資家に現金で返還されるとのことです。このファンドは、米国の銀行ワコビアの子会社であるエバー・グリーン インベストメンツ社(Evergreen Investments)が運用するファンドで、米国モーニングスターの情報によると。3月末現在で、約62%を米国モーゲージ・パススルー債ならびにモーゲージCMO債に投資し、18%をその他の米国資産担保証券に投資していました。すなわち、80%の資産を米国の証券化商品に投資していたわけです。格付けは、いわゆる投資適格といわれるBBB以上に98%以上投資されておりました。しかし、年初から資産残高は半分以下になり、6月18日までの過去1週間で、ファンドの価値が15.2%下落したそうです。会社型投信の取締役会は、今、清算することが投資家に利益に最大限適うものだと結論付けたようです。しかし、このファンド価値の下落を見る限り、ここに来て、米国証券化商品の最終局面(だと良いのですが。)に近い下げが訪れているように思えます。今週は、大手投資銀行の決算、シティの更なる評価損の計上可能性やモノライン保険の格下げのニュースが流れましたが、それに沿った内容ように思えます。格付けの高い証券化商品は、昨年後半から始めており、サブプライムほどは下がっていませんでしたが、ついに崩落が始まったのかもしれません。そもそも、買い手が乏しい市場ですので、少しの売りで価格に大きく影響します。証券化商品の下落は、証券化という金融手法を封じ込めてしまったわけで、大変な痛手です。今後も、金融、不動産、REITにとって、厳しい状況が続くことは避けられないのではないでしょうか。それは、日本でも同じことなので、対岸の火事ではありません。

2008年6月20日 (金)

第73話 「テーマ・ファンド」

6月19日付のGlobal Pensionsによると、世界有数のインデックス提供会社であるFTSEが、環境関連の株式インデックス(Environmental Opportunities All-share Index)を発表しました。この株式インデックスは、環境テクノロジーや環境ビジネスに関連した売上が全体の20%以上を占める企業の株式から構成されています。FTSEとしては、この株式インデックスに連動したETFやパッシブ運用が開発されていくことを期待しているとしています。資産運用の観点からすれば、こうした比較となるインデックスが開発されることは望ましいことですが、こうしたテーマファンドの場合、評価は難しいですね。20%以上が環境と言っても、残りの80%が何やってるか分からないわけで、全体として環境ビジネスで恩恵を受けれるのかどうか、不明です。それにしても、最近、日本でも洞爺湖サミットに向けて、この環境テクノロジー関連に注目が集まってる(または、証券会社等が盛り上げようと努力している)ようで、電池メーカーなどの株価が相対的に上昇しています。投信も環境系のテーマファンドかブラジル、ロシア、中東などのカントリーファンド(広い意味でテーマファンドだと思います)中心に設定されています。しかし、そもそもテーマファンドを単独で投資するのは、いかがなものかと考えます。すでに、十分にグローバルに株式投資を行っていて、加えて、テーマファンドに投資するなら良いのですが、売ろうかなの営業トークに負けて、テーマファンドだけに投資するのは、非常に歪なポジションになってしまいます。この点は、金商法が施行されても何も変わるところがありません。株式だから株式としての総論のリスクしか説明しないでは、投資家を間違った報告に導くことになります。投信は5月に持ち直したとは言え、総じて、売上が不調です。市場動向も不透明ですが、その場しのぎでテーマファンドばかり取り上げていると、運用会社も販売会社も、さらに窮地に追い込まれるかもしれません。本当に、個人投資家のマインドを変え、貯蓄から投資への流れを作るのは、決してテーマファンドではないことを気づいてもらいたいと願います。

2008年6月19日 (木)

第72話 「コモディティ投資への投資規制」

6月18日付けのPensions & Investmentsによると、米国において、ジョー・リバーマン上院議員らが、コモディティ投資の規制に関する提案を行うと発表しました。内容としては、5億ドル以上の運用資産を持つ機関投資家によるコモディティ指数に連動するパッシブ運用を通じて、コモディティ市場に投資することを禁止するというものです。法案は、6月24日の公聴会で議論され、年内中の法案成立を期待しているとのことです。また、先物取引所に報告義務のないスワップなどの抜け道も規制するとしています。この考え方は、最近の穀物およびエネルギー価格の高騰について、先物市場での投機資金悪者説によるものです。確かに、市場規模が限られた中で、巨大な資金が動けば、こうした事態が生じる可能性があり、部分的に悪者説は正しいと考えます。従って、何か規制は必要であることには同意します。しかし、市場は特定の投資家を排除することは、いかがなものでしょうか?それでは、開かれた市場としての意義を否定するものです。私は、それほど、先物市場に詳しくありませんので、間違った考えかもしれませんが、誰かを排除する代わりに、証拠金率を引き上げるなどの手段はないのでしょうか。投資家にとって、コモディティは現物投資が困難です。原油やトウモロコシの現物を買うわけにいきません。そこで先物に行くわけで、ここは株式、債券投資と大きく異なる点です。ある投資家がコモディティ市場から排除されると分散投資ができなくなってしまいます。それは、結果として望ましいものではありません。証拠金率を極端に上げて、現物投資と先物投資を近づければ、レバレッジによる投資資金をある程度排除することができます。市場機能に支障をきたさないように、こうした法案以外の道が選ばれることを個人的に期待します。。

2008年6月18日 (水)

第71話 「ファンダメンタル・インデックス」

6月17日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると、パリで開かれた年金関係のコンファレンスでのパネルディスカッションで、時価ウェイト市場インデックスに代わるインデックスとして注目されている、例えば、ファンダメンタル・インデックスに対して、懐疑的な意見が述べられたとのことです。ここでいう市場インデックスとは、日本でいうとTOPIXのようなものです。TOPIXは、東証1部上場の全銘柄については、時価総額(時価単価×発行株式数)比率で加重平均した指数です。ファンダメンタル・インデックスを積極的に宣伝している人達は、こうした時価総額ベースのインデックスだと、株価が割高な株に多く投資し、逆に割安な株に少なく投資してしまっているという主張です。これでは、いつまでも割高株への傾斜配分となり、パフォーマンスを悪化させていると理由付けているわけです。そこで、時価総額ではなく、売上高とか利益の額等の複数の指標で、加重する比率を決めるファンダメンタル・インデックスが登場したわけです。このパネルディスカッションでは、ファンダメンタル・インデックスが市場インデックスよりも優れているとは言い難いという内容です。ファンダメンタル・インデックスの特徴として、いわゆる大型株が少なめになります。加えて、バリュー・バイアス(割安株傾向)、小型株バイアスの特徴が出やすくなります。こうなると、これはインデックスと名を語る一つの投資戦略と言えます。だから、インデックスという表現を使うと色々な議論を巻き起こしてしまいますが、ファンダメンタル戦略という言葉を使っていれば、こういう考え方も一部取り入れればいかがでしょうか?というトークで紹介できるわけです。営業上、インデックスという表現を使って方が、普遍的、一般的なイメージが出ますので、そうなったのでしょうが。いずれにせよ、このインデックスが恒常的に良いパフォーマンスを出すわけではありませんので、誤解の無いように。割安株投資の代替として、安価に投資できれば、意味があるかもしれません。。

2008年6月17日 (火)

第70話 「運用者によるファンドへの投資」

6月16日付のPensions & Investmentsによると、モーニングスターが米国での6000件のミューチアル・ファンドのデータベースでファンドを運用するポートフォリオマネジャーがそのファンドにと自己資金で投資しているかどうかの調査結果を発表しました。その結果、約半分のファンドに、そのファンドのポートフォリオマネジャーからの投資がなかったことが分かりました(正確には、米国株ファンドで47%、外国株ファンドで61%)。このデータは、数年前からSECの要請で公表する必要があるものです。モーニングスターは、この投資比率とパフォーマンスの関連について、現時点では調べていないが、将来的に調査したいとしています。ただ、コメントとして、自分のボーナス等がファンドの運用成績で決まる場合に、もしも、自分の投資資金が入っていると、運用成績を上げるために過度なリスクを取るようなことはないのではとも書かれています。興味深い調査だと思います。例えば、ヘッジファンドの場合、運用者の自己資金でのファンド投資は、ファンド選定の際の非常に重要なポイントになっています。自己の投資に自信があれば、顧客とともに、自身でファンドに投資するにが自然でしょう。しかし、ミューチュアルファンドのようにヘッジファンドほど、大きなリターンを狙わず、また、ヘッジファンドに比較してサラリーマン色の強い運用者は、自己資金を投じることが少ないのでしょう。いわんや、日本の投資信託で、何%のファンドに運用者の自己資金が入っているのでしょうか?おそらく、相当程度低いだろうと想像します。約半分どころではなく、4分の1、ないしは1桁なんてこともあってもおかしくありません。言われたから作る、そして運用するというのが、日本のサラリーマン運用者の性格ですから、そうなってしまうわけです。本当に自分の運用に自信があるかどうか、それは、自分でも投資しているという行為となって表れているかもしれません。今後の運用商品選定では、その点も評価ポイントとして、見てはいかがですか(日本では公表されてませんのでl、運用説明会などもしもあれば聞いてみて下さい。「自分でも買ってますか?」と。。

第69話 「UBSの苦悩2」

6月16日付のInvestment & Pension Europe (IPE)によると、スイスの年金基金であるProfundが、保有するUBS株式230万株を売却したそうです。UBSは、昨今のサブプライム問題で経営層が入れ替わり、Profundでは、新しい経営層に対して、信頼が置けないという判断を持っているようです。新しい経営層とは、リーガルカウンセルであったPeter Kurerが、会長職に就いたことです。同年金基金では、Kurerは今UBSが求める人材ではないと結論付けています。しかし、以前にもUBSの苦悩について指摘しましたが、欧州系金融機関のサブプライム関連の損失は非常に重大な水準にあります。欧州系金融機関というのは、進んでいるような雰囲気は醸し出しているのですが、どこか田舎くさい部分があって、こういう問題もすぐひっかかります。日本の中小金融機関とどことなく共通する部分を感じるのは私だけでしょうか?しかし、事業規模や従業員数はメジャー級なので、問題を起こすと影響は甚大なわけです。くどいようですが、今回の金融不況は、簡単に回復するとは思えません。こうした事態に陥って、突然に積極投資に向かうことないでしょう。まず、縮小均衡、そして、低空飛行を少し続けて、再び、上昇というシナリオが順当です。UBSの日本での分かりやすい形での縮小均衡は、まだ、世間には見えてきません。ただし、きっと、近いのでしょう。。

2008年6月15日 (日)

第68話 週末版 「個人ビジネスとラップ口座」

本日の日経ヴェリタスの特集に「個人資産1500兆円の現場」が掲載されてました最近の窓口での商品勧誘の状況や富裕層ビジネスに関することなので、掲載されています。しかし、ちょっと待って下さい。この内容は、1週間前にこのブログで取り上げた記者座談会の内容を詳細に記事にしたようなものですね。個人ビジネスにおいて金融機関側で顧客に合った商品を出せていないという内容でした。これを翌週に特集にするのだから、相当、業界は苦しんでいると思われます。ラップ口座の紹介もありましたが、個人的にはファンドラップやSMAに注目すべきと思います。ただ、自社が勧める投信を売らんがためのファンドラップに未来はありません。以前から主張しているようにETFなども活用し、顧客のための商品設計が重要です。今日のNHKの経済羅針盤という番組でセブン銀行の頭取が小売業の視点からビジネスを考えると言ってましたが、まさしくこれからの鍵だと思います。

2008年6月14日 (土)

第67話 週末版 「PE投資」

6月13日付けのPensions & Investmentsによると、サンフランシスコ市及び群の公務員退職年金が新アセットミックスを決定したと報じています。米国国内株と債券をそれぞれ、2%と5%減らして、外株とプライベートエクイティ(PE)と不動産にそれぞれ3%、2%、2%を増やすことに変更しました。世界的に株式投資には成長性を求めて配分を変更する傾向が強く、外株といってもエマージング株に向かい、流動性にを捨てても、プライベートエクイティの成長性にかけるわけです。しかし、昨年のサブプライム以降のクレジットクランチでPE投資は低迷しいるとの声が聞こえる中で、このニュースは認識を新たにしてくれました。投資資金は虎視眈々と成長性を狙える投資対象を待っているわけで、我々も昨今の市場の混乱に対して様子見姿勢では世界に負けてしまうことになるでしょう。頑張り所です。。

2008年6月13日 (金)

第66話 「ETFの将来性」

6月12日付けのInvestment & Pension Europe (IPE)によると,フランスのビジネススクールであるEDHECが機関投資家向けに行った"2008 ETF Survey"の結果、最近、成長しているが、完全に顧客のニーズに応えていないとの調査結果が出ました。まず、回答者の80%は株式のETFは活用しているが、コスト的に見合わない債券のETFはほとんど使われていないようでした。機関投資家にとって、ETFのコストが大きな問題と答えています。大きな資金を持つ機関投資家にとっては、自分でパッシブファンドの運用を委託した方が、運用コストが安くなるからです。もちろん、一時的に現金比率が高まった時に、ETFを使って、株式比率を維持する(エクイタイゼーション)には、有効だとも指摘しています。また、最近、新しいETFが出るが、透明性に問題があるとも指摘しています。個人的には、ETFの将来性はまだまだ大きいと信じていますが、問題点や使いづらさは、まだ残っているようですね。日本でも、銀行や生保などの機関投資家もETFを重要な投資対象として使用しています。ETFと投信のパッシブファンドでは、取引が場中でできるとか、引値の1回かの違いが、これら機関投資家には大きいようです。日中の相場観で、株式のポジションを変更したいという気持ちが、プロである機関投資家ほど強いようです。やはり、サラリーマン投資家の限界でしょうか。金のETFも解禁されん、ますますETFが注目されていくと思いますが、日本の投資家に受け入れられるためには、海外ETFよりも国内市場に上場されるETFの種類がもっと、もっと増えることが重要です。野村アセットが業種にリンクしたETFを何種類も出していますが、それよりももっと拡大すべき資産クラスがあるだろうと思います。顧客サイドに立って、必要なETFを投入すれば、投資家の拡大が期待されます。一方で、以前にも書きましたが、アクティブ運用の投信にとっては、厳しい事態が待っていることになりますが。。

2008年6月12日 (木)

第65話 「スタグフレーション下での投資」

6月11日付けGlobal Pensionsによると、コンサルタントのレディングトン・パートナーズのリサーチによると、英国年金でのインフレリスクが高まっているとのことです。英国の年金は、インフレによる賃金上昇が年金給付額に反映されるので、インフレが高まると年金給付支払い、すなわち年金債務が増加することになります。同調査では、最近の長期インフレ期待の上昇により、インフレ率4%超えのリスクが高まっているとのことです。これにより、FTSE100に採用されている企業の合計年金債務は、1,094億ドル、約11兆円増加するかもしれないとのことです。これは、企業業績に大きく影響します。しかし、インフレ問題は、様々なところで、経済にマイナスに影響しています。私は、ここでも、約1ヶ月前の第37話で「高まるインフレ期待」として取り上げ、コモディティやインフレ連動債の投資を提案しましたが、まさしく、1ヶ月たった現在、ひどいインフレ懸念相場になっています。株は下がる、金利は上昇するなど、悲惨な状況です。スタグフレーションが叫ばれていますが、確かに、スタグフレーション下での投資が必要です。まず、37話でも書きましたが、債券よりも株です。この時期にインフレ調整後の実質リターンで見ると、債券は非常に劣る投資商品です。また、株も債券よりもベターですが、やはり、直接的にヘッジできる物価連動債は保有すべきでしょう。資源の乏しい日本は、インフレの影響を受けやすく、為替安の可能性もありますので、海外の物価連動債も良いかもしれません。米国には、TIPSという物価連動債があります。皆さん、正念場です。。

2008年6月11日 (水)

第64話 「不動産に投資する意味」

6月10日付けのGlobal Pensionsによるカルパース(カリフォルニア州公務員退職年金基金)が投資していたカリフォルニアの大手不動産開発業者のランドソース・コミュニティーズ・デベロップメントが、連邦破産法第11条の適用を申請したと報じています。カルパースは、投資パートナーのマクファーレン・パートナーズを通じて行っていました。カルパースは、9億ドルを投資していましたが、全体の資産額が2,454億ドルですから、全体の0.5%のみ投資割合であり、影響は軽微だとカルパースはコメントしています。今回の破綻は、まさしく、米国不動産市況の低迷と信用収縮から起きたものです。特に、同社は、カリフォルニア南部に開発前の広大な土地を抱えていたことで、不動産価格の下落の影響を受けたようです。しかし、天下のカルパースでもこういう失敗もあるのですね。まあ、0.5%ですから、仕方ないと言えば、仕方ないですが。しかし、不動産投資全体で見ると、更なる影響があると想像されますので、今後、カルパースの運用状況がどうなるか注目されます。こうした不動産不況は、日本でも90年代のバブル崩壊で辛い経験をしてきたわけですが、また、こういう事が起きると、改めて、不動産投資の意味を考えるべきではないでしょうか?不動産投資は、昔から年金や生保のポートフォリオにはなくてはならないものでした。その理由としては、①インフレヘッジ、②高リターン、③他の資産との低相関と低ボラティリティ、などです。インフレヘッジについては、確かにそういう面はありますが、いわゆる消費者物価に対するヘッジでは、今一つ連動性が乏しいと言わざるを得ません。欧米でも物価連動債をインフレヘッジには使用するケースが増えています。次に、高リターンについては、市場サイクルの影響を大きく受けるので、一概には言えないでしょう。最後に、低相関、低ボラティリティですが、不動産への直接投資の場合、不動産価格の鑑定評価がある定期的(四半期とか年1回とか)しか行われませんので、ボラティリティが見た目、下がった見えます。ただし、最近は上場REITがありますので、実質的なボラティリティが見た目よりも高いことは想定できます。また、同じような理由から、他の資産との相関も低くなるので、分散投資の意味が高いということですが、多少割り引いて考える必要があります。このように、不動産への投資は、独立した資産クラスとしては、どうも強い必然性が無いというのが私の結論です。流動性も重大な問題ですし、市場タイミングも重要だとすると、REITや不動産株(三菱地所のような)で十分だと考えます。本件は、世間の意見は分かれるとは思いますが。

2008年6月10日 (火)

第63話 「運用コンサルティングから運用会社へ」

6月9日付けのPensions & Investmentsによると世界有数のマルチマネジャー運用会社であるラッセル・インベストメントのユーランド社長が辞任したと報じています。ニュースとしては、それ以上ありません。ただ、内容が多く語られていないと想像したくなるのが人情です。ラッセルは、以前は、フランク・ラッセルという社名で、有名な運用コンサルティング会社でした。顧客は主に年金や財団で、運用会社の評価を行い、顧客に推奨を行っていました。しかし、途中で、コンサルティング業務を縮小し、評価した運用会社を自分たちで採用し、ファンドにしてしまう、いわゆる「マルチ・マネジャー」という運用会社に転身を図ったわけです。Pensions & Investmentsの記事からは、業容は順調に拡大していたようですので、何か問題だったのか?このヒントになる記事が、日本の年金情報という年金向け業界紙に出ておりました。ラッセル社が運用を行っていたファンド・オブ・ヘッジファンドがサブプライム問題で運用が悪化し、閉鎖に追い込まれたというものです。同紙では「医者の不養生」などと書いており、業界での評判にも少なからず影響があったようです。確かに、そう面もあったかも知れません。運用機関を評価するだけのコンサルティング業と実際のファンドの運用では、真剣度合いが異なります。評価だけなら評論で済みますが、運用の場合、結果責任を負うわけです。医者の不養生というよりも、やるべきではない業務に手を広げてしまった経営判断のミスかもしれません。スポーツでも良いスカウトが過去に一流選手だったわけではありません。しかし、良い選手を発掘するスカウトも一流選手もどちらも必要です。きちんと線引きが出来てこそ、健全に業界が発展するのだと思います。

2008年6月 9日 (月)

第62話 「CAT Bond投資」

6月6日付けのPensions & Investmentsによると、英国ヘッジファンド大手のマン・グループが、保険リンク証券投資の専門運用会社であるネフィア・キャピタルの株式25%を50百万ドルで取得することで合意したと載せています。ネフィアは、バミューダに本拠があり、24億ドルの運用資産を持ち、主にCAT Bondや天候デリバティブに投資しているそうです。この中でCAT Bondについては、日本でも注目されてきた資産クラスです。CAT Bond、決して、猫ボンドではありません。Catastrophe Bondの略です。すなわち、自然災害にリンクした債券です。特に、地震は典型的な自然災害です。例えば、東京中心としたある区域でマグニチュード7.2以上の地震が発生したら、保険金を支払うリスク負うといった債券です。しかし、地震が起きない限り、通常よりも高い金利を受け取ることができます。この債券は、保険会社などが地震のリスクをヘッジしたいというニーズと、株、債券などと相関関係がない資産に投資したいという投資家のニーズが合致してできたものです。保険会社は、再保険料のように毎年ヘッジコストを支払い、それを投資家が受け取り、逆に地震が発生した場合には、元本部分で保険金を払いますので、投資家は戻ってくる金額が減ることになるわけです。債券の発行は特別目的会社(SPC)ですので、保険会社としても保険金支払いの原資が確保されていて安心です(もちろん、地震が想定外に何度も起きると原資がなくなりますが)。通常は、東京の地域だけではなく、国、地域を分散し、リスクを分散します。東京でも大地震が来ると言われていますが、確率的には、60年とか100年に1度あるかないかであり、こういうリスクを取れる投資家がいるわけです。自然災害や天候を対象とした金融商品は、今後も拡大すると思われる。ちなみに、投資とは関係ありませんが、日本損保会社が提供している住宅の地震保険ですが、制度として損保会社が日本国政府に再保険を出しているのをご存じでしたか?これだと、日本で地震が起きた時に保証してくれるのは、当事者である日本政府となっています。東京で大地震が起きたときに日本政府に保証する力があるのでしょうかね?できれば、海外のどこかに再保険出した方が、リスク分散になると思うのですが。心配です。。

2008年6月 8日 (日)

第61話 週末版 「個人マネーの行方」

本日の日経ヴェリタス71面に金融記者座談会「個人マネーの消去法的選択」という記事が掲載されております。ボーナス資金や団塊マネーの取り込みで個人がどういう金融商品に目を向けているかを話しています。内容的に、金融機関が魅力ある商品を提供できないので、個人向け国債(5年固定で1.22%)の一人勝ちかもしれないとしています。また、銀行などが売りたい投信も、中国株ファンドも売れず、また、不動産系ファンドも下火となっていると語られています。グローバルには、デフレからインフレに話題移っているが、日本では、商品取引に対する悪いイメージが残っており、この面でも乗り遅れているとしています。確かに、日経ヴェリタス全体でもコモディティーに焦点をあてているような、偏ったイメージを受けます。それだけ、今、金融市場では、積極的にアピールするテーマや商品がなく、困っているように思えます。コモディティーは、あくまでもサイドディッシュであり、主食にはなりえません。やはり、3-4年ほど前の、BRICs株ブームや日本の小型株ブームなど、主食となりうる株式投資に勢いがないと、業界が沈みます。資産運用業界は、完全に転機を迎えたと考えて良いでしょう。優秀な人材を確保することは重要ですが、人件費水準を下げ、債券、バランス型およびパッシブ運用など比較的低コストの商品を提供しても成り立つような経営体質にしていかないと、淘汰の嵐にさらされます。こういう状況では、個人マネーが国債や預金に滞留するのも、仕方ないという感じでしょうか。。

2008年6月 7日 (土)

第60話 週末版 「かいたく投信」

週末版は、日頃取り上げている海外ニュースではない話題をできるだけ取り上げようと考えています。本日付のかいたく投信の森本社長のブログに4月22日に設定されたかいたく投信の5月月次報告がアップされたとの記事がありましたので、ちょっと覗いてみました。私のブログでも何度とか”おらが町の投信プロジェクト”を取り上げてきましたが、かいたく投信についてコメントするのは初めてです。さて、1ヶ月強経過しましたが、ポートフォリオにおいて約70%の現金ポジションを保有しています。日本株の組み入れがゼロであることや、組み入れ予定のヨーロッパ株ファンドもまだ組み入れていないためです。日本株では、さわかみ投信の組み入れを当面見合わせると書いてあります。理由としては、①コスト、②パフォーマンス、③日本株に対する見通し、のようです。まず、このうち、コストについては、一般的な公募投信なので信託報酬が高いと言っていますが、そんなことは最初から分かっている話で、何を今更言っているのでろうかという感じです。5月になって気付いたのでしょうか?4月の月次報告書でもコストは大事だと書いているわけで、その観点からさわかみ投信を組み入れ候補にしていたこと自体、この会社の姿勢が問われます。s次に、さわかみ投信のパフォーマンスが過去3年落ちているということですが、別にそれを理由に挙げてもいいですが、なぜその3年間落ちたのかの原因に言及する必要があります。彼に、彼らの投資スタイルが過去3年の市場環境に合わなかっただけの理由であれば、次の3年はいいかもしれません。運用機関評価は、過去ではなく将来を見る必要があるわけです。そういう点からも合点がいきません。加えて、キャピタル・インタナーショナルについて、何もコメントしていませんが、キャピタルが近年、世界の機関投資家から評価を下げられr、解約続きであったことを、かいたく投信は知っているのでしょうかね?最後に、日本株の短期的見通しです。彼らは入るタイミングを重視していますが、4月22日から5月末までにTOPXで約7%強上昇しました。かいたく投信は、運用報酬を取りながら、この機会ロスを生じさせたしまったわけです。彼らのスタンスが長期であれば、どうしてこのタイミングにこだわったのでしょうか?とにかく70%の現金比率で運用報酬を取り続けるのは、投資家に対して義務を果たしていないと気付くべきです。とりあえず、ETFでも入れて、アクティブファンドの選定が終わったら、入れ替えることもできたはずです。まあ、そもそも、報告書に今、デューデリやってますと書くこと自体、問題です。ファンド設定前に終えておくべきです。しかし、全てにおいて、素人ファンドで、これで報酬を取ることに、この国の金融リテラシーの問題の根の深さを考えてしまいます。。

2008年6月 6日 (金)

第59話 「年金改革はいつ行われるの?」

6月5日付けのGlobal Pensionsによると、OECDの年次経済報告において、フィンランドは、高齢化と社会保険コストの増大に対応するために、更に年金制度の改革が必要であると注意を喚起したと伝えています。しかし、内容的には前向きで、フィンランド経済は、近年、良好に推移しており、インフレを抑えて、力強い成長を達成しているものの、更に持続可能な成長のためには、こうした年金改革が必要だと指摘しているわけです。う~ん、素晴らしいとしか言いようがありません。是非、日本についてもそうした提言が出ていないのでしょうか?日本は、力強い成長もなく、巨額の財政赤字があり、かつ国民年金の未納が高まっているという、最悪の状態です。フィンランドの状況とはあまりに異なります。それなのに、日本では、年金改革が少し話題にはなりますが、ほとんど進んでいません。すぐに、消費税の財源話になって、それが選挙に結びつき、なし崩しです。とにかく、厚生労働省は自己保身しすぎです。年金は将来の話なので、先送りすれば、自分はいなくなると考えてばかりで、それが一体何代続けてきたのでしょうか。加えて、厚生労働省のお抱え教授がまやかしの理論で国民をだますなんて、最悪です。早くしないと、年金の崩壊は非常に近いといわざるを得ません。最後に、公的年金の運用改革が先送りされました。この先送りは、結構です。何もしないで下さい、あなた達は。。

2008年6月 5日 (木)

第58話 「運用機関の運用能力」

6月4日付のInvestment & Pension Europeによるとスウェーデンの公的年金の一つであるAP3が運用体制を見直し、アルファとベータを分離させた体制にするとのことです。ちょっと専門的な分野になりますが、ベータとは、市場のリターン、リスクを指します。すなわち、日本株式を持てば、日本株式市場のリスクに晒されるわけです(今日の株式市場は上がったとか、下がったというものです)。一方、アルファとは、委託する運用機関の能力に関するものです。例えば、日本株式で投資顧問会社を採用すれば、市場インデックス(例えば、TOPIX)を上回った場合に、それは投資顧問会社のスキルから生じたアルファと呼ぶわけです。従来は、日本株での運用を投資顧問会社に委託するという意味は、日本株のエクスポージャーを持つと同時にスキルから生じるアルファを期待することでした。すなわち、アルファとベータは、一体だったわけです。しかし、最近の世界の傾向としては、アルファを取りに行くのであれば、どの資産で取るかに制限を設けず、スキルのある運用機関に何でも良いから預けるような考え方が出てきています。一番、典型的なのはヘッジファンドです。また、身近でも、日本株と外国株と分けずに、グローバル株式という形態で委託した方がアルファを稼ぎやすいなら、それで預けて、別途決めている日本株と外国株式の比率はインデックスの先物で調整すれば良いという考え方も出ています。これも、ここでいうアルファとベータの分離です。しかし、こうした新しい発想が出てきた背景は、最近、運用機関が期待通りの運用成果を達成していないことが分かってしまったことにあります。だから、顧客も色々と考えなければ、いけなくなったわけです。これは、高額の運用報酬をとっている運用機関の危機です。中途半端な運用能力しかない運用機関は、相当程度淘汰されるのではないかと、業界関係者として非常に心配しております。。

2008年6月 4日 (水)

第57話 「確定拠出か確定給付か」

6月3日付のPensions & Investmentsによると、ウェストバージニア州教職員確定拠出年金の加入者の78%以上が当該確定拠出年金の資産を同じく教職員退職年金(確定給付年金)に移管するべきと投票しました。理由は、確定拠出年金では、将来に十分な退職給付を確保できないという不安からです。確かに、この不安、日本でも当てはまりますね。日本でも2001年から確定拠出年金制度が導入されました。従来の確定給付と確定拠出の違いは、確定給付がもらう年金額が事前に決まっている一方で、確定拠出は、企業が積み立てる金額が事前に決まっています。どちらも企業が従業員のためにお金を積み立てることに違いはありませんが、確定給付の場合、企業が運用のリスクを負い、確定拠出の場合、従業員がリスクを負うこととなります。2000年のITバブルの崩壊と新しい会計基準の導入で、企業は年金運用のリスクから解放されたいと強く欲し、確定拠出年金導入に向けたロビー活動を実施しました。一方、金融機関も個人向け商品の方が手数料が高くなり、また、退職後も顧客として囲い込めるとの思惑、また、コンピューター会社も新制度に必要なシステムの開発で設けられるとの思惑があり、確定拠出年金は導入されたわけです。しかし、導入されたものの、従業員は運用に対して慎重な態度を取り、元本保証の預金に多くの資金を配分しています。これでは、年金制度設計上の想定運用利回りの達成は困難であり、必要な退職後の年金額の確保に不安が生じているわけです。このままでは問題です。多くの年金難民が発生しそうです。私は、ここで企業の皆様に確定給付年金への再変更を求めます。そもそも確定拠出年金の特徴は、ポータビリティーです。転職しても持ち運びができるわけですが、人口減少の日本で、転職されて良いのでしょうか?今こそ、若い世代に長期で働いてもらうインセンティブを提供すべきです。その一つが従来ながらの確定給付年金なわけです。最近では、独身寮の復活など、過去への回帰も見られます。年金でも回帰したらどうかと思います。。

2008年6月 3日 (火)

第56話 「ザ・ジャパン・ファンド]

本日の日経新聞に、野村アセットマネジメントが米国の会社型投信である「ザ・ジャパン・ファンド」と運用受託を含む戦略的提携関係を構築すると発表したと報じています。「ザ・ジャパン・ファンド」は、日本株式に投資する米国で最も長い歴史(1962年から)を誇る独立系投資信託だそうで、野村アセットは、この提携を通じて、ザ・ジャパン・ファンドの運用を担当するとともに、米国における資産運用ビジネスにさらなる経営資源を投下し、米国のリテール投信市場でのプレゼンスを拡大していくと表明しています。「ザ・ジャパン・ファンド」のHPを見ると、現在このファンドの運用を行っているのは、フィデリティのジェイ・タルボット氏のようです。同氏は、日本でも、「フィデリティ・ジャパン・グロース・ファンド」などの運用に関わっています。ということは、フィデリティを解約して、野村アセットを採用したことになるわけで、これだけを見ると国内系運用会社が外資のフィデリティに勝って良かったね、となるわけですが、よく読むとそうでもなさそうです。確かに、フィデリティのパフォーマンスは冴えません。ザ・ジャパン・ファンドのベンチマーク比較の数字がありませんので、あくまでも参考として、フィデリティ・ジャパン・グロースのパフォーマンスを見ると、4月末現在で、過去3年でベンチマーク比▲4.2%、設定来(2003年)で▲17.3%(累積)となっています。また、フィデリティの運用は、昔ながらの投信運用で、非常に属人的です。同じフィデリティのファンドで運用者でバラツキが出ます。しかし、だからこそ、ピーターリンチのようなスターが生まれたわけではありますが。従って、フィデリティを代える動機が分かりますが、野村アセットの運用が、「マルチ・マネジャー方式」のようなのです。マルチ・マネジャー方式とは、一つのファンドを複数に小分けし、同じの会社の複数の運用者が独立して、運用する方式です。これであれば、個別運用者のリスクを分散できるという理屈ですが。しかし、実は、フィデリティもこの方式に既に移行しており、国内の投信でもマルチ・マネジャー方式で運用されています。「ザ・ジャパン・ファンド」はタルボット氏一人の運用だったかもしれませんが、フィデリティのマルチ・マネジャー方式でも良かったはずです。情報が限られているので、これ以上推測できませんが、どうも運用の良し悪しだけの話ではなさそうですね、この件は。やっぱり、販売協力が大きいのでしょうか?。。

2008年6月 2日 (月)

第55話 「企業年金連合会」

Nikkei Net マネー&マーケットというHPに「経済羅針盤」という連載があります。本日掲載された最新号に、企業年金連合会の矢野専務理事が、「買収防衛策の前に取締役の忠実義務の確保を」という記事を載せています。内容的には、取締役は安易で自己保身的な買収防衛策を取るよりも、長期的な株主価値に資するような行動と取っているか、株主に対する忠実義務を問いかけています。この企業年金連合会という組織は、以前は、厚生年金基金連合会と呼ばれていた組織です。皆さんは、厚生年金基金という企業年金をご存じですか?これは、企業が従業員のために独自に積み立てる年金と国の厚生年金保険の一部(報酬比例分)を合わせて、従業員の年金を支払う仕組みです。この場合、本来国から支払われる厚生年金の一部は、企業からまとめて支払われることになります。しかし、転職などで、年金をもらう前に企業を退職したり、企業自体が厚生年金基金を止めてしまった場合、この部分が浮いてしまいます。そのため、その部分をこの企業年金連合会に移管し、その間、運用を行ってもらい、将来、厚生年金の一部を支払ってもらうのです。実は、私も転職した関係で、企業年金連合会に年金を運用してもらっている利害関係人です。しかし、この組織、ディスクロジャーが十分ではありません。HPを見ても、直近の運用状況など把握できませんし、どういう運用機関にいくらの報酬を払っているかも分かりません。また、最近では、年金の不払いが、この組織でも見つかり、理事長が責任をとって退任しています。そもそも、この組織にはまともなガバナンス体制がありません。厚生労働省の天下りにより、お役所体質で運営されているわけです。今回の矢野専務理事も、厚生省の年金局長までなったエリート官僚です。こうした人は、自分たちの組織のディスクロージャーやガバナンスも不十分なことも棚に上げて、民間企業の取締役を非難するのは、いささか本末転倒のようです。役人によくある民間いじめの一貫としか思えません。私は以前にも日本の公的年金の運営に異を唱えていますが、企業年金連合会も大きな問題を抱えた組織と言えます。。

2008年6月 1日 (日)

第54話 週末版 「ETFでポートフォリオを作る」

本日の日経ヴェリタス61面に「香港でマルチカレンシー投資」という半面ほどの記事がありました。海外の証券会社で口座を開設し、マルチカレンシー投資を試す人が徐々に増えており、なかでも香港の金融機関を使って、日本で直接購入できない外国株やETF、香港株のIPO、銘柄に投資するケースを紹介しています。香港で口座を開設できる主な証券会社を4つ(ブーム、ハンテック、フィリップ、KGI)紹介し、実際の取引での優位点や注意点が挙げられています。正直、私は、ここまで行う必然性は感じません。日本でも海外ETFなど投資できる銘柄は徐々に増えてきています。また、私は海外の証券会社で口座を開いて取引したことがありませんので、単なる不安感だけで書いているだけですが、証券会社が破綻した時の顧客資産の保全は万全なのでしょうか?どなたか知っていれば教えて下さい。とはいえ、ここまでしなくても、十分、効率的なポートフォリオを日本で作れると思っています。試しに、ブログに書いているだけでは信憑性が乏しいので、今週、5百万円のETFを中心としたバランス型ポートフォリオを構築する予定です。個々の運用はインデックス運用となるのですが、日本株はTOPIX連動のETFにします。大和、野村、日興がありますが、指数との連動性などを考慮してどれかにします(内緒)。外国株は、MSCI Kokusai(日本を除く世界株)のETFが米国市場に上場しているので、それにします。問題は債券です。国内債券も外国債券もETFがありません。また、投信も手数料が高くて適当なものがありません。仕方なく、国内債券は、国債の既発債を用いて、擬似的に指数連動にするようにします。5年債と10年債を組み合わせるシンプルなものですが、個人投資家なので十分でしょう。投信の手数料を払うよりマシです。最後に、外債は困りました。グローバルに分散しているので、個人で擬似的に作るのは困難です。これは仕方なく、投信にします。ノーロードですが、信託報酬が0.7%弱を取られるのが悔しいです。果たして、自分の信じるような結果になるか、楽しみです。。

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