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2008年7月 4日 (金)

第87話 「年金積立金管理運用独立行政法人」

本日は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に関係するニュースが3つ出ていました。最も大きなニュースが、昨年度の運用結果です。▲6.4%で実額の赤字額が5兆8400億円でした。非常にショッキングに報道されており、国民の大事な年金で過大なリスクを取ってもらっては困るという町の声が紹介されています。次のニュースが、日本版政府系ファンドです。自民党案では、GPIFの資産から10兆円抜き出して、運用しようというものです。最後のニュースが、GPIFのオフィスの神奈川移転が凍結されたということです。これは、金融機関から神奈川では不便になると要望があり、それが認められたということです。さて、これは3つのニュースで、共通して起こっている議論が、GPIFに民間からの運用のプロを採用し、運用の更なる向上を目指すべきだということです。こんなに赤字が出たのも、プロがいないからだとか、政府系ファンドを作って、プロに運用をさせるだとか、神奈川なんかにオフィスを持っていったら、不便だとか、良い人を採用できないだとかいった具合です。専門性を高めることは非常に重要だと思います。過去、このブログでも海外の公的年金でも専門性の高さを指摘したことがあります。しかし、プロといってもどういう人を採用するのか、どういう組織にしたいのか、そうしたグランドデザインがないと失敗するのが目に見えています。過去、山一證券が破綻した時に、多くの人材が市場に出ました。民間の厚生年金基金などもそのときに山一出身者を採用しましたが、求める人材像と実際がミスマッチで大半が失敗しました。証券に詳しいだけではダメなのです。一体どういう運用をどういう組織体(意思決定プロセスを含め)で行うか、明確にしないと良い人材も機能しません。今で言えば、ベアースターンズから証券化のプロがレイオフされてますが、GPIFが採用すべきと皆さん思いますか?または、デリバティブ・トレーダーのような人を採用してきて、120兆円の資金で、ヘッジファンドのような運用行いますか?いずれの場合も答えはノーだと私は思います。安易なプロ採用論よりも、運用の高度化、専門家のグランドデザインを作ることから議論した方が良いと思います。大事な国民の年金なんですから。

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