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2008年7月13日 (日)

第96話 「株式の長期投資は正しいか」

本日の日経ヴェリタス20面に、「株式の長期投資は正しいか」という特集が掲載されていました。さわかみ投信の沢上社長とフィナンシャルプランナーの深田晶恵さんが各々の意見を述べています。当然ですが、沢上社長は、長期投資の肯定派です。安い時に大型株を買って、10年の経てば倍になるという考えです。一方、深田さんは、長期投資といっても、ほったらかしではダメだと言っています。こうした議論が始まるのは当然だと思います。個人投資家の中には、株は長期投資という言葉を信じて、損をしている人が多いのではないでしょうか。そのため、テクニカル分析などの短期取引に憧れを抱く人も多いわけです。長期投資の是非に関する論争について私の意見を言えば、結局は、「相場が大きく上がるタイミングが分からないので、常にポジションを持っていましょう」、ということだと思います。例えば、日経平均株価(配当は無視します)の過去10年(6月末現在)を見ると、15830円から13481円と通算▲14.8%の下落でした。10年持っても、マイナスという結果です。この▲14.8%をプラス月とマイナス月に分けて通算すると、プラスが+216.7%、マイナスが▲231.5%でした。プラス月だけに注目すると、120か月のうち、66か月がプラスとマイナスを月の回数を上回りました。しかし、回数は上回っても、幅は、マイナス月を下回ったわけです。この通算上昇幅の+216.7%の約3分の2が、66か月の上昇月のうち、単月で5%以上上昇した26か月で達成されています。すなわち、この26か月を逃すと更に通算結果が悪化していたことになります。

このように、長期投資神話は、結局、マーケットタイミングは当たらないという神話と同じとも言えるわけです。長期投資否定派の多くは、短期での投資タイミングが当たることをある程度信じている人が多いので、この論争は、絶対に平行線なままなわけです。しかし、長期だろうが、短期だろうが、成長しない国の株式市場で議論をしても空しい結果となります。日本株式は、10年や20年待っても、ダメだったわけで、この市場で長期投資を言われても説得力がありません。一方、新興国であれば、長期でも短期でも魅力があると思います。成長する国に投資する、これが、長期、短期の議論よりも重要な投資の極意と考えます。

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コメント

長期投資と短期の議論は尽きないですよね。

ただ、バブルの頂点近くからずっと持っていても配当を含めるとほとんど損していないと言われるくらい長期投資でのインカムゲインの割合は高いのに、それを考慮せずに株価指数だけを見て長期投資を否定するというのは少しずるいやり口かな・・・なんて思ったりします。
債券で金利を無視したり、投信で分配金を無視したりはしないはずなのですが、何故か株の配当は無視されがちなのが不思議です。

吊られた男さん、ご意見ありがとうございます。配当の件、ご指摘の通りだと思います。今回のブログでは、長期投資否定という意味ではなく、長期、短期の議論よりも成長性のある国に投資することが大事では?ということを主に論じたので、より一般的な日経平均を計算例に使用した次第です。ちなみに、TOPIX配当込指数を使うと過去10年で、通算19%、年率1.8%でした。しかし、過去20年では、通算▲27.5%、年率▲1.6%という結果でした(2008年6月末現在)。

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