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2008年8月 9日 (土)

第122話 「アクティブ運用での超過収益」

8月6日付けのPensions & Investmentsによると、マサチューセッツ州退職年金基金が、米国株式アクティブ運用機関5社を解約しました。この5社は、レッグメイソン(大型バリュー)、ガードナー・ルイス(大型グロース)、NWQ(大型バリュー)、マザマ・キャピタル(小型成長)、そしてアリエル・キャピタル(小型バリュー)です。実は、同基金のコンサルタントは、超過激で、雇っている11社のアクティブ運用機関を全部解約すべきと推奨したそうですが、さすがに、6社(ピムコ、AXAローゼンバーグ、アーネスト、インテック、ニューメリック、パトナム)は残したそうですが。しかし、株式アクティブ運用機関は、非常に苦労しています。アクティブ運用機関は、決められたベンチマーク(すなわち、市場指数)のリターンを上回る”超過収益”を達成し、それに見合う運用報酬を得るのですが、十分な超過収益を達成できていないのです。もちろん、歴史的に、超過収益というのは本当に達成できるものなのかの議論は多くありました。委託者である年金基金側でも、アクティブ運用機関の採用方法では色々と工夫を重ねてきた歴史があります。まず、最初は、コアと呼ばれるアクティブ運用機関を雇うことから始めました。リスクも中ぐらいの非常にオーソドックスな運用機関です。このタイプは、100銘柄前後に投資し、市場指数に応じて大型株中心の運用でした。しかし、その後、こうした運用機関が超過収益を達成できにくくなると、インデックス運用と”サテライト”と呼ばれる集中投資型のハイリスク運用の組み合わせに移っていきました。このマサチューセッツ州が解約した運用機関もこのサテライトに入ります。しかし、それでも、昨今、超過収益が達成できないことから、今回、マサチューセッツ州は、株式インデックス運用にヘッジファンドタイプを組み合わせる、いわゆる”ポータブル・アルファ”戦略に切り替え、こうした大胆なな解約に踏み切ったわけです。これは、もう、伝統的な株式運用マネジャーでは、市場指数に勝てないと言っているに等しい結論です。市場の効率化や運用資金の増大で、人よりも早く正しい判断を下すことが困難になる中、こうしたことも必要な手段となっているのでしょう。日本の投信の世界でも、同様な方法を試すものが近々登場するかもしれません。

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