« 第135話 「運用業界、不況下での人材移籍」 | トップページ | 第137話 「金融危機下での中央銀行の役割」 »

2008年8月24日 (日)

第136話 「国際分散ファンド」

本日の日経ヴェリタス58面の投信コーナーで、国際分散ファンドの運用成績が掲載されています。一言で国際分散ファンドと言っても、資産配分が各々異なることから、過去1年間の運用成績も大きく異なる内容となっています。例えば、掲載ランキングの中で最も下落率が低かった投信は、「ピクテ・インカム・コレクションF」というファンドで、▲5.7%でした。一方、最も下落率が大きかったファンドは、大和投信の「6資産バランスファンド(成長型)で、▲19.3%でした。この2つのファンドの差、実に▲13.6%です。この差の要因は、記事に掲載されていますが、内外株式比率の違いやREITへの組み入れ比率の違いです。ピクテのファンドは、基本配分で50%内外債券に配分することになっていますが、大和のファンドは、僅か10%です。株式やREITの比率が90%程度になってしまったために、この差が生じたわけです。過去1年間で、国内株式で▲22.3%、外国株式で▲18.2%(各々配当込み指数より)、国内債券+2.8%、外国債券+3.6%という結果でしたが、まさしく、大和のファンドは、内外株式ファンドとほぼ同様のパフォーマンスだったわけです。ここまでの違いを、本当に個人投資家の皆さんは事前に説明を受けていたのでしょうか?まず、よくある”財産三分法”の進め方に問題はなかったでしょうか?財産三分法は、株式、債券、不動産に分散投資しましょうというもので、昔から言われていることです。しかし、この不動産として、上場REITを使用すると、そのリスク水準は株式とあまり変わりがありません。すなわち、三分法といいながら、債券三分の一、株式三分の二とほぼ同じになってしまうわけです。これでは、個人投資家に誤解を生じさせてしまう説明といっても過言ではありません。加えて、”バランス”という響きです。バランスしていると何かしら安心できる、リスクが小さいという印象を与えますが、実際の中身が分散されていないということをカムフラージュしてしまいます。もちろん、バランスといっても”成長”という表現で株式比率が高いことを表現しているので、理解して投資しているはずとの反論もあるでしょうが、実際に個人投資家がそこまで投信の内容を理解し、自分で判断できたかは、疑問が残ります。非常にシンプルな計算ですが、過去1年間で、内外株式、債券(現金なし)のポートフォリオを組んで、0%以上を達成するために最大で組み入れられる株式比率は17%で、それも外国株式のみ(残り83%は円債)でした。現存するバランスファンドにここまで株式比率を抑えたものは無いかもしれません。分散の対象となる資産が少ない商品性のバランスファンドの場合、それはREITのように株式に非常に似た資産を含めてですが、私は、債券比率を非常に高めた商品が妥当だと思っています。但し。リターンは、そこそこですが。一方、リターン追求も狙うバランスファンドは、以前も述べたように、投資対象資産を非常に大きく広げ、マルチアセット・バランスファンドとすべきと考えます。実質三分の二の資産で株式リスクを取るバランスファンドを、”バランス”と呼ぶことに、私は、強い抵抗があります。

« 第135話 「運用業界、不況下での人材移籍」 | トップページ | 第137話 「金融危機下での中央銀行の役割」 »

投資一般」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 地味ですが、すみしんマイセレクション25(販売:投信スーパーセンター)や日興AMのアセットナビゲーション株式20(販売:マネックス)などは株式20%に近いバランスファンドです。信託報酬も妥当ですし、もっと注目されてもいいと思います。
 私は、自分で株:債券=50:50のバランスファンドを自作していますが、投資用資産の全体に比べると一部です。構成割合は
バランスファンド      7%
ネット銀行1年定期預金 46%
円MMF           47%
計             100%
です。
 株式相場にはまだまだ悲観的なので、底に向けて、円MMFを解約し、バランスファンドに移す作業をする予定です。


ドクター・イエローさん
投信情報ありがとうございます。自作のポートフォリオもなかなか練られていますね。参考にさせてもらいます。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512329/42256065

この記事へのトラックバック一覧です: 第136話 「国際分散ファンド」:

« 第135話 「運用業界、不況下での人材移籍」 | トップページ | 第137話 「金融危機下での中央銀行の役割」 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ