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2008年8月26日 (火)

第138話 「AIGの歴史」

8月25日のニューヨーク株式市場は、241ドルの下げとなりましたが、その一因に保険会社のAIGに対するネガティブなアナリスト予想がありました。しかし、このAIGという会社は非常に興味深い会社です。アメリカン・インターナショナル・グループ、これがAIGの正式名称で、日本でも、アリコやAIGスター生命などのグループ企業を持っています。このAIG、もちろん、アメリカの会社ですが、創業は上海という変り種です。創業者のコーネリアス・バンダー・スター氏は、1919年の27才の時に、上海で小さな損害保険の代理店を開きます。これがAIGの基礎となったわけです。そして、中国から祖国アメリカに逆にビジネスを拡大したのです。そして、AIGを世界企業に成長させたのが、モーリス・グリンバーグ氏です。彼の下、事業の多角化が進みます。しかし、このグリンバーグ氏が、現在のAIGの衰退の原因ともなりました。グリンバーグ氏は、巨大な政治的な力も持ち、また、二人の息子が、保険ブローカーのマーシュ・アンド・マクレナンとエース保険のトップとなったことから、米国保険業界をグリンバーグ一族が牛耳ることとなりました。しかし、数年前に当時のニューヨーク司法長官だったスピッツァー氏(その後、ニューヨーク州知事になったものの、最近、買春で失脚しましたが)が利益相反問題で、グリンバーグ一族の一掃を試み、その後、AIGの業績も冴えなくなりました。株価も、ヤフーファイナンスで見ると、1984年9月の2.7ドルから2000年終わりの約100ドルまで上昇し(約33倍)、そして、直近は、約19ドルまで下落しています。上海から事業を起こし、隆盛を極めたAIGが、5分の1まで株式価値を下げてしまう。アメリカンドリームでもあり、また、力を持ちすぎたことが、会社の衰退を早めたという、非常に、興味深い会社だと思います。

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