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2008年9月 2日 (火)

第144話 「アクティビスト・ファンド」

9月1日付けのGlobal Pensionsによると、カリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)が、英国のアクティビストファンドで有名なハーミーズに対して、運用成果の不冴えを批判しているそうです。対象は、”ハーミーズ・フォーカス・アセット・マネジメント・ポートフォリオ”で、FTSE All 株式指数を過去1年で17%程度アンダーパフォームしたそうです。ハーミーズは、企業価値を阻害している要因を見極め、経営者に接触し、株主として意見を提案し、企業を価値を高めようとするものです。こういう話をすると、村上ファンドのような「物言う株主」を振りかざすイメージですが、それよりももっとソフトで友好的な内容と理解しています。こうした運用は、傾向として、”バリュー”すなわち、割安株投資となります。割安な銘柄を拾い出し、そして、調査し、少し買って、経営者に接触するというのが、一般的です。しかし、昨年は、バリュー投資運用が冴えませんでした。これは、こうしたアクティビスト・ファンドと言っても、逃げることはできませんでした。やはり、根本はバリュー投資でしたらから。そして、パフォーマンスが大きく悪化しました。日本でも、同様のアクティビスト・ファンドを運用する会社がありますが、パフォーマンスはやはり冴えないと聞きます。この手法は、アクティビスト・ファンドと言っても、”ソフト”アクティビストと呼んでも良いものです。いくら経営者に提案しても無視されることもあります。その場合は、持ち株は売却することになりますが。また、提案によって企業価値が上がるのかという、根本的な問題もあります。企業価値を上げるための提案が、ファンドマネジャーによって(経営コンサルタントの経験のあるスタッフを抱えている場合もありますが)簡単にできるとも思えません。日本では、運用会社とそのグループ内に経営コンサルタント会社を併せ持つ会社もあり、利益相反の可能性も考えれます。ここまで書いて、私のスタンスは見えているかもしれませんが、私は上場株に対するこうしたソフト・アクティビスト・ファンドが割安株投資以上の付加価値を提供しているとは、信じられないのです。

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