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2008年9月18日 (木)

第157話 「パフォーマンス・リンク債」

9月18日付けの日経新聞朝刊に、野村アセットマネジメントが、「コモディティ投信」など三本の公募投資信託の新規契約と解約の申し込みを当面の間停止すると発表したと報じています。AIGの関連会社が発行する指数連動債券を40―50%組み入れており、金融市場の混乱で債券の値付けができなくなったため、基準価額が算定できない状態になったようです。この指数連動債券、別名「パフォーマンス・リンク債」は、今回のケースですと、商品価格指数のパフォーマンスに連動し、債券価格が連動する私募債券と指します。この連動する指数は、何でも良いので、例えば、日経平均とか、独自の株価指数などでもできます。加えて、デリバティブを含めて複雑な商品、例えば、元本確保型の株式指数ファンドなども、このリンク債を用い、投資信託でこのリンク債を包み込むなどの商品が世に、多く出ています。この債券の発行体は、通常、投資銀行などがなっています。当時、投資銀行は、AAとかAAAの格付けを得ていましたから、別に発行体のクレジットリスクに関係なく、連動する指数に投資するが如き、投資商品だと認識されていたのです。ところが、今回、AIGの関連会社のクレジットリスク、すなわち発行体リスクで、債券価値が暴落してしまい、連動指数と全く関係なく、価格も決められなくなったわけです。これは、正直言って、予想していなかった一大事です。こうしたリンク債を組み入れた公募投信は結構、個人に販売されています。かつ、投資銀行の格付けがどんどん格下げされると、予期せぬ価格の下落や値段がつかない状態に陥ります。個人にとって、投信が売りたいときに売れないなどの事態は、9.11で米国株式市場がクローズされたような特殊な事態だけで、こういうケースは初めてであり、益々、投信の信頼を失ってしまうものなりかねません。加えて、運用会社も、この発行体リスクをきちんと投資家に説明していたかどうかの、説明責任さえ問われかねない問題です。皆さんも、パフォーマンス・リンク債の組み込まれた投信を保有していないか、確認した方が良いかもしれません。

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