« 第171話 「金融安定化法(2)」 | トップページ | 第173話 「逆境でも強い金融機関」 »

2008年10月 5日 (日)

第172話 「外資系運用機関との離別」

10月5日付の日経ヴェリタス60面に”投資信託の設定中止が相次いでいる”との記事が掲載されています。リーマンやAIGの問題もあり、9月にはAIGの投信など設定日目前で中止した投信が複数ありました。加えて、全体の投信売れ行きも急減し、HSBCのブラジル債ファンドは、当初設定額が10億円に留まったそうです。しかし、このAIGの件は、非常に重しになっており、証券や銀行の販売会社の中には、当分、外資系運用機関の投信は扱わないと決めたところもあるそうです。同じ日経ヴェリタスの紙面に、フォルティスが日本の運用会社(フォルティス・インベストメント、フォルティス・アセット、ABNアムロアセット)の統合を終えたとの広告記事が出ていました。3人の代表取締役が仲良く並んだ写真が出ていましたが、そんな呑気にしていてよいのかと疑問に思います。フォルティスは、先週、100%国有化されることが決定されました。国有化されたわけですから、国民の税金を使ったわけで、そのグループ会社の行方(たとえば、リストラや資産売却など)は不透明です。海外拠点を閉じるなどは、最もあり得る話です。販売会社としても、日本撤退リスクのある運用会社の商品を取り扱うわけにはいきません。まさしく、定性判断でノーと言わざるを得ないのです。フォルティスに限らず、その他の外資系運用機関全般に同じことが言えます。販売会社は、当面、国内系運用機関の商品に退避することとなるでしょう。もちろん、それ以前に、投信自体が売れないでしょうが。なお、フォルティス問題は、その他の運用機関や投資銀行にも影響があります。今回統合したうちの1社が、旧コメルツ投信投資顧問ですが、ここが俗にいう器貸しビジネスをしていました。すなわち、投信会社の免許を持たない運用会社のために、投信の器を貸し、実際の運用は裏で別の運用会社が行っていました。こうしたファンドは何本も出ているので、もしも、フォルティスの運用会社が日本からなくなると、こうしたファンドを運用する運用会社も消えることになります。いわゆる負の連鎖が起こるかもしれません。

« 第171話 「金融安定化法(2)」 | トップページ | 第173話 「逆境でも強い金融機関」 »

投資一般」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512329/42690609

この記事へのトラックバック一覧です: 第172話 「外資系運用機関との離別」:

« 第171話 「金融安定化法(2)」 | トップページ | 第173話 「逆境でも強い金融機関」 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ