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2008年10月12日 (日)

第177話 「FX取引:スワップ派の危機」

(2日間、出張のためブログお休みでした)

10月12日付けの日経ヴェリタス55面に、「FXの光と影:取引金融機関に破綻リスク。短期市場混乱、スワップ金利まちまちに」という記事が掲載されています。昨今の金融混乱により、極端にドル調達が困難になっています。ドルの調達金利は政策金利の1.5%を大きく上回り、ユーロの政策金利(3.75%)を大幅に超えています。これにより、以下のことが起こっています。すなわち、ユーロ円の買いのスワップポイントが、マイナスになっているのです。スワップポイントは、FX取引において金利の高い国の通貨を買った場合、その金利差分に相当する一種の金利を受け取るというものです。逆に、金利の高い国の通貨を売った場合には、支払いをしないといけません。FX取引でスワップ派と言われる人達は、高金利通貨、例えば、ユーロとか豪ドルとかを買って、毎日、チャリン、チャリンとスワップポイントを稼ぐことを喜びとしていたのです。しかし、今、円よりも高金利であるユーロを買うと、逆に、マイナスのスワップポイントとなり、払わないといけなくなっています。すなわち、持っているだけで、資産が減っていくのです。加えて、ユーロ安、円高で評価もマイナスとダブルパンチのために、ポジションの投売りを誘発しているのです。なぜ、高金利のはずのユーロのスワップポイントがマイナスになったのか、それは、為替のクロス取引に影響があります。円を売って、ユーロを買うのは、実際の取引では二段階に分かれます。まず、①(円を売って、ドルを買う)、次に、②(ドルを売って、ユーロを買う)です。この①の段階では、スワップは、通常で、プラスです。しかし、②で、ドルの調達コストが上がってますので、スワップがマイナスになり、①のプラス分より、②のマイナス分が上回ったために、合計で、ユーロ円の買いのスワップポイントがマイナスになったわけです。ここで、理解しないといけないのは、スワップ取引で、ある通貨を売るとは、お金を借りることと同じ、ある通貨を買うことは、お金を預けるのと同じだということです。②の取引で、ドルを売っていますから、ドルを借りようとしているわけで、それが現状の金融混乱、すなわち、ドルを借りることが困難な状況に影響を受けてしまったわけです。こうした事実を理解していない素人FXスワップ派の投売りが続くこととなるでしょう。安易な資産運用のつけが回ってきたわけです。スワップ派は撤退が続き、かつ、世に多く登場したFX業者の将来も危険かもしれません。

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