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2008年10月13日 (月)

第178話 「新生銀行の円定期預金」

10月13日付け日経新聞朝刊の最終面に、新生銀行の”実りの円定期預金”の広告が掲載されています。1年もの円定期預金で1%、5年で1.7%、10年で2.0%の利息という、現時点の金利水準では、高利回りの円預金の広告です。しかも、元本保証と記載していますので、個人にとっては、きっと、魅力的に見えると思います。一方、ちょうど、その左側には、商工中金の預金の広告も掲載されており、1年もの円定期で通常0.5%の金利に、特別金利上乗せで0.65%にするとの内容です。しかし、これ問題ないですか?商工中金の上乗せ前の金利と比べると0.5%高い金利で、新生銀行は預金集めをしているわけです。また、三菱東京UFJ銀行と比べた場合でも、同行の最も高い1年定期(金額などで異なります)で0.4%ですから、新生銀行は0.6%も高い金利で預金集めをしているわけです。この高い金利で集める合理性ですが、新生銀行は、ネットでのサービスが充実しているとはいえ、ネット銀行とは異なり、支店も人材も多く抱えている銀行ですので、コスト削減効果で高い金利が提示できるわけではありません。先週、金融混乱の中、新生銀行とあおぞら銀行は、機関投資家向け金融債の発行を見送りました。そういうことも、積極的に高コストの預金を積極的に集めている理由かもしれません(あおぞら銀行の1年定期も1%です)。一方、個人の立場からしても、預金保険制度で、1,000万円までは保護されますので、ちょっと、気になる銀行でも、リスクがなく預金を預けることができると考えるでしょう。これは、完全なモラルハザードではないでしょうか?預金保険制度を用いて、高金利で預金を集める。世界的に、預金の全額保護は打ち出されていますが、モラルハザードを助長しては、本末転倒だと考えます。高金利預金、それは、モラルハザードの象徴であり、その裏にその銀行の経営状態を表していることも、個人は考えるべきではないでしょうか。

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