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2008年10月

2008年10月31日 (金)

第194話 「ダイナシティとマンション不況」

10月31日付けの日経マネーマーケット・ニュースによると、ジャスダック上場のマンションデベロッパー、ダイナシティは31日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日付で保全命令を受けたと発表しました。負債総額は520億円でした。首都圏を中心に投資用マンションの分譲事業やオフィス・商業施設開発などで事業を急拡大させてきましたが、不動産市況の悪化で需要が低迷、経営が行き詰まったとのことです。しかし、もうすでにマンション業者は多く経営破綻してきましたが、まだ、その流れを止めることはできていないようです。今週の「日経ガイアの夜明け」では、50%オフでのマンション販売の実体が紹介されていました。そもそも、資金繰り商売なだけに、お金の動きが止まると連鎖倒産を避けられません。特に、不動産ファンドの存在が、こうしたマンション業者を調子に乗せてしまったことは、皆が知っていることです。私のところにも、クレアスライフ(かつての菱和ライフ)の営業マンが時々電話してきますが、2-3年前ぐらいだと、「あの物件は、一棟売りで、ファンドに売却が決まってますから」と余裕で言っていたことを思い出します。賃貸情報でも、ファンド物件は、敷金、礼金をゼロにして、賃料を高くし、表面利回りを上げるなど、露骨な営業をしていました。しかし、言い換えれば、ここから不動産はチャンスです。ガイアの夜明けのように、現金さえあれば、叩いて買えます。唯一良いことは、最近出たマンションは仕様が上等だということです。50%引きなら是非買いたいです。

2008年10月30日 (木)

第193話 「追加経済対策」

10月30日付けの各紙において、麻生政権の追加経済対策の記事が掲載されています。そして、30日夕方には、総理大臣から発表がありました。総額5兆円の経済対策。うち2兆円は、定額給付金だそうです。1人あたり1.5万円、家族4人で6万円が現金または商品券で配布されるそうです。99年の地域振興券よりは使われやすいものかもしれません。特に、現金なら疑う余地もありません。クリスマス・プレゼント代として、12月10日ぐらいまでに配布すると良いかもしれません。しかし、実際に現金を配布するとなると、想像するだけでお役所の方は、頭を抱えるかもしれません。トラブル、ミス、事件、何だか大混乱の可能性もあります。かなり心配です。また、30日付けの日経新聞夕刊には、この対策に確定拠出年金での従業員のマッチング拠出が認められると書いてありましたが、実際の発表の中には見当たりませんでした。どこに消えてしまったのでしょうか?そういうリークが政治家からあったのでしょうか。しかし、確定拠出年金ビジネスに携わっている方には、完全なぬか喜びになってしまいました。確定拠出年金がもう一つ伸びない中、従業員拠出は期待されていましたから。残念です。しかし、こうしたことを評論する余裕が出てきました。月曜日に買い始めるときとブログを書いてから、2000円近く上昇しています。これからの下げは、”押し目”という表現に変わるでしょう。9月末に金融安定化法が下院で否決される前の状態に早く戻ることを期待しています。そして、その後、改めて、将来を考える必要があるでしょう。

2008年10月29日 (水)

第192話 「ショートポジションが恐い」

10月29日付けの日経新聞夕刊によれば、ドイツDAX指数がここ2日間急騰したのは、フォルックスワーゲン社の株価の急騰によるとのことです。ポルシェ社が実質75%近くを保有し、第2位の株主が20%近く保有していているので、浮動株が5%しかありませんでした。自動車株が下がるとフォルックスワーゲン株をショートした人が、この浮動株の少なさにパニック的に買い戻したわけです。また、10月29日付けのブルンバーグ・ニュースによると、米金融当局がコマーシャルペーパー(CP)買い取り制度を開始したのを受け、期間が長めのCP発行額が10倍に急増したとのことです。米金融当局は27日、企業からのCP購入を開始したが、それにより金利を低下させ、投資家を呼び戻し、9月の米証券リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たんに伴うCP市場凍結の解消が進み始めています。これでは、ショートで儲けようとする人は簡単にショートポジションを保持できません。資金繰り倒産の可能性が大幅に減ったからです。最近の株式市場は、まだ不安定ではありますが、落ちそうになっても比較的堅調に回復してきます。ショートポジションを長く保持できなり、そんな雰囲気になってきた証拠だと思います。

2008年10月28日 (火)

第191話 「アイスランドに投資した人は、自己責任」

10月28日付けのブルームバーグ・ニュースによると、アイスランド中央銀行は28日、6ポイントの利上げを実施し、政策金利を12%から18%としました。IMFはアイスランド経済が来年、最大10%のマイナス成長になると予想しており、24日に達した合意により、IMFは約21億ドル(約1990億円)をアイスランドに融資することになっています。しかし、10%のマイナス成長とは、想像できない世界です。IMFとの合意の一環とはいえ、一気に6%の利上げもすごいことです。昨日は、カウプシン銀行のサムライ債のデフォルトで、地銀など損失を被ることになりそうなニュースが報じられていました。また、以前には、為替でアイスランド・クローナの暴落からFX取引する個人に大きな損失が出たことが報じられたこともありました。しかし、どちらも共通していますが、この損失は純粋に自己責任だと思います。この国の規模を考え、どういうカントリーリスクがあるかなど、今回の金融危機がなくても、常識的には判断できると考えます。欲で見えなかったのか、何も考えずに、格付け会社の格付けだけを無条件に信じたのか分かりませんが、意思決定した人の明らかなミスだと言わざるを得ません。投資は自己責任、すなわち、自分でもう少し頭を使いなさいと、言われているのです。

2008年10月27日 (月)

第190話 「金融崩壊。しかし、株を買い始めるべき時」

今日は、番外編。昼休みにぶらっと丸の内オアゾの丸善に行ってきました。1階にはビジネス書が置いてありますが、入り口近くの目立つ場所に「金融崩壊コーナー」と題した、昨今の米国サブプライム問題、リーマン問題、世界恐慌などなど話題の書籍を陳列したコーナーが出来ていました。何とも、商魂たくましいわけですが、ここまで来たかという感じです。1929年の大恐慌前の株価上昇の際には、ウォール街の靴磨きの子供でさえ、どの株が上がるかなどと話していたなんて言われています。今、確かに、未曾有の危機に直面していることをは否定しませんが、ここまで、世界恐慌、金融恐慌が一般化してくると、これ事態が異常といわざるを得ません。日本の企業は、2003年以降、新興国経済の高成長と円安で、国内需要以上に外需で潤ってきたわけです。新日鉄の株価が200円から800円になることを正当化されてきたわけです。この間、日本の名目GDPはほとんど成長していなかったにもかかわらず、外需で企業業績(特に大企業)のみが伸びたわけです。しかし、GDP成長以上に大きく背伸びした企業業績は、外需の減速と行き過ぎた円安の着膨れがはがれ、元に戻りつつあるのです。しかし、今の株価は、元に戻った以上に売り込まれています。今、株を買わなくて、いつ買うのでしょうか?ちなみに、27日夜9時30分からの日経CNBCの番組で、はっきりとした表現ではありませんでしたが、ドイツ証券の武者さんが、”バケツの底が抜けた”と弱気らしきことを言ってました。強気のサインが出ました。

2008年10月26日 (日)

第189話 「ダイワ・ブラジル・レアル債オープン」

10月26日付けの日経ヴェリタス70面に、「ダイワ・ブラジル・レアル債オープン」の広告が掲載されています。明日から、募集開始のようです。これは、大和証券がブラジルのイタウ銀行と提携しましたが、その関連商品です。しかし、昨今の新興国通貨の混乱により、ブラジル・レアルも大きく下落しました。安値からは若干反発しましたが、まだ、不安定な状況です。7月に「UBSブラジル・レアル債券投信」が約3000億円近い資金を集めて注目されましたが、クローズ明けの10月20日で、基準価格は、7255円(配当落ち前)と約▲28%の下落です。一時は6000円台にまで下落し、個人投資家にとっては辛い結果となっています。野村アセットは、同じくブラジルレアル債ファンドを今月中旬に設定予定でしたが、中止しました。大和証券にとっては、通貨レアルも下落し、タイミングは良いという営業トークを使えるかもしれません。また、投資タイミングに注目する個人投資家にも受けるかもしれません。しかし、そもそも、この環境下でこうした投信を出す運用会社にプロフェッショナルとしてのモラルや顧客重視の視点があるのか疑問です。現在、投資銀行の行き過ぎた資本主義、儲け主義が問題になっていますが、結局、やっていることに大きな違いはないのではと考えます。「貯蓄から投資へ」などと、もっともらしい言葉を並べるなら、投資にふさわしい投資商品を提供することが重要ではないでしょうか。金融業界の意識の構造改革こそ、市場反発の重要な要因と思います。

2008年10月25日 (土)

第188話 「PIMCO ビル・グロス氏の予想」

10月24日付けのブルンバーグ・ニュースによると、債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同投資責任者、ビル・グロス氏は、経済専門チャンネル、CNBCに対し、S&P500種株価指数は今年に入り40%下落しており、米国株式相場が反発する時期は「近い」との見方を示しました。確かに24日のニューヨーク株式市場は、10月10日の安値を下回りませんでした。相対的には日本の株式市場の方が悪く、米国の方が相場反転のきっかけを待っているような気配です。ただ、行き過ぎたものは自律反発する程度の内容なのかどうか、今後の政策次第でしょう。とにかく、市場が、大きな政府による財政出動を待っています。そういう意味では、債券投資の方が、投資判断として難しい局面かもしれません。株価の不安定性からして、大きく崩れることはなさそうですが、徐々に債券投資のリスク・リターンの関係が悪化してきていると考えるのが妥当と考えます。

2008年10月24日 (金)

第187話 「株暴落、円急騰」

10月24日付けの日経ネット他、各ニュースで、24日大引けの日経平均株価は前日比811円90銭(9.60%)安の7649円8銭と、2003年4月28日に付けたバブル後安値(7607円88銭)に急接近し、5年6カ月ぶりの安値水準に落ち込んだと報じています。その後の日経平均先物イブニングセッションでも、先物が7100円台まで下落していること、ドル円が90円台、ユーロ円が113円台まで急騰していることを24日19時前の速報で報じています。しかし、ここまでの急速な相場展開を誰が予想できたでしょうか?仮に、この水準が長く続いた場合には、不況などと生易しい表現ではなく、大不況、銀行破綻、大型企業倒産など発生しても全く不思議ではありません。「もう終わりだ~!」と叫びたい気分です。2日続けて、これ程、ベアな気分になるとは思ってもみませんでした。が、しかし、ここは頑張って冷静になる必要があります。私は、「相場はファンダメンタルズを無視している」という解説が好きではありませんが、ここまで来ると、ファンダメンタルズとの乖離が激しくすぎると考えます。すでに日経平均は、3月末から39%下落しています。昨年度は約27%下落しています。昨年度の経常利益の伸び率は、法人企業統計では、全産業平均で▲1.6%。株価が企業利益を反映するとすると、今期ないし、来期に向けて、利益は、半分ぐらいにならないと合わないことになります。確かに、今期の企業業績は、相当厳しいと思いますが、ここまで減益する可能性は、予想レンジの下限である思わざる得ません(実際には、業界でここまでの減益予想をまだ見たことはありませんが)。ここからのブレは、パニック的なものと考えます(ちょっと、表現が弱いのは、今日の気分からして、お許しを)。

2008年10月23日 (木)

第186話 「アルゼンチンによる国家的搾取」

10月22日付けのブルームバーグ・ニュースによると、アルゼンチンの野党議員らは、民間年金基金を国有化するフェルナンデス大統領の提案を議会で審議する過程で、国有化される年金資産290億ドルが国の債務返済に充てられるのを阻止する構えで対応すると報じています。大統領が年金資産を政府の財源に充てる意図があるのではないかとの観測を背景に、アルゼンチンの金融市場は混乱しました。年金基金国有化はアルゼンチンが過去10年で2度目となるデフォルトに陥る前兆との懸念が強まり、株価は1990年以降で最大の下げを記録し、ドル建て債券利回りは30%を突破しました。しかし、恐ろしい話です。国が、国の債務返済のために、民間で蓄えた年金を没収する、こんなことが通るのでしょうか。アイスランドもひどいですが、アルゼンチンは、国で詐欺的行為を行っている言っても過言ではありません。もう、こうなるとデフォルトは時間の問題でしょう。民間金融機関の体力がなくなり、大手企業もなくなり、そして、国家が破綻する。これらを埋め合わせるお金はどこにあるのでしょうか?正直言ってありません。すると、借金の棒引きしかないでしょう。グローバル徳政令の発令で、混乱収拾を狙う、しかし、それによって生じるのが、極端なグローバルな縮小均衡、そして、リセッション。う~ん、久しぶりに自分の中に、ベアの心が蘇ってしまいました。一晩寝て、冷静に戻るようにします。

2008年10月21日 (火)

第185話 「KYなAIG」

10月20日付けのブルームバーグ・ニュースによると、米政府の救済措置を受けている保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、支出に対する議会の批判を受けて、すべてのロビー活動を停止し、予定されていた約160件のイベントを中止したそうです。それに関連する総費用は8000万ドル(約81億円)に上るとのことです。 AIG救済策が決まった後、同社がカリフォルニア州のリゾート地で44万ドルを費やして集会を主催したことが、議員らの間で厳しく批判されたことが影響しています。しかし、このニュース、AIGのKYぶり(空気が読めない。もうそろそろ使われなくなった言葉かもしれませんが)が分かるニュースです。これだけ世界中の注目した救済が行われたにもかかわらず、リゾート地で集会を開いたことには開いた口もふさがりません。金融機関とは、そこまで、モラルというか、自制する能力を失っていたということです。そういえば、以前、日本でも国有化された日債銀の知り合いに聞いたことがありますが、国有化直後は、世論を気にして、年収が下がったそうですが、直に、元に戻ったそうです。世界の経済を守るためには、金融機関を破綻させられない。しかし、その金融機関は、モラルハザードで、その後もコストを使い続ける。果たして、いつまで、こうした馬鹿げたことが続くのか?、いや、もう終わっているかもしれません。

2008年10月20日 (月)

第184話 「淘汰過程にあるヘッジファンド」

10月17日付けのGlobal Pensionsによると、アナリストや大手ヘッジファンドが、ヘッジファンド業界は、新たなゲームのルールの下、そのビジネスを変化させていかなければいけない、まさしく「ダーウィンの進化論的な過程にある」と述べています。しかし、個人的には、進化という言葉よりも、淘汰という過程が正しい表現ではないかと考えます。新しい環境に馴染まないヘッジファンドは、今後、業界から淘汰され、消え去る運命にあります。ヘッジファンドのパフォーマンスは、悪化の一途を辿っており、9月は、指数により異なりますが、▲6%前後となった模様です。また、10月もここまでで▲3%前後を示す指数も発表されています。特に、デレバレッジと空売り規制は、パフォーマンス悪化に拍車をかけました。デレバレッジでは、銀行からの強制ポジション解消や、空売り規制で、転換社債戦略は、9月に▲10%以上のマイナスリターンを記録しています。今、ヘッジファンドが稼げる唯一に近い戦略は、ボラティリティ戦略ぐらいです。これは、ボラティリティが高まる方にかけることで、現状、成功をおさめています。しかし、これも長続きしないでしょうから、厳しい環境に変わりありません。12月末解約の申込みが9月末までに入り、その結果が集計された10月初旬に、売りやすいポジションから売る、すなわち、株式戦略から処分したことが、10月初旬の株式暴落に拍車をかけたと考えられています。当面、ヘッジファンドは後ろ向きな業務に追われることでしょう。そして、来年以降、落ち着きを取り戻してから、新たなファンドを立ち上げて登場するとは思いますが。しかし、そのときは、もっと、小規模なヘッジファンドが中心になると考えます。大型ファンドや上場を試みるようなヘッジファンドは、当面登場しないでしょう。また、ヘッジファンド・オブ・ファンズも、流行から取り残されることになるでしょう。今回の混乱で、ヘッジファンド・オブ・ファンズが安全ではなく、かつ、ディスクロージャーも十分ではない商品だということが、ばれてしまったからです。淘汰、それは、新たな始まりとして、前向きに考えたいものです。

2008年10月19日 (日)

第183話 「日経平均リンク債」

10月19日付けの日経ヴェリタス60面に、「株急落、リンク債元本割りも」という記事が掲載されています。これは、日経平均株価があらかじめ決まった水準(ノックイン価格)を下回らなければ、高い利率が得られるという債券のことです。リンク債は、発行時の日経平均より2~3割ほど低い水準にノックイン価格を設定することが多く、これを上回って推移すれば、年5%前後の利回りが得れるのですが、一度でも、この価格を下回ると債券の償還価格は、日経平均に連動する仕組みになっています。すでに、ノックインしたリンク債の残高は、1,500億円を超えており、更に株安が進むとノックインする債券も増えることになります。また、ノックイン価格を下回ると証券会社がヘッジで買い持ちしている先物を売らないといけないので、相場下げの要因になるとも指摘しています。しかし、こうした商品は、バブル経済の80年代終わりが登場しており、株価が堅調になると顔を出してくる商品です。そして、どの時も、悲惨な結果に甘んじた投資家が多く発生しています。歴史は繰り返すで、出ては消え、出ては消えを続けているわけです。オプションとして単純なプット売りの商品がどうしてこのようにゾンビのように出てくるのか、それは、やはり、日本の投資家の高金利志向と株式変動率に対する無知が引き起こしていると考えます。そうした売る側の証券や運用会社も、安定的に美味しい商品と位置づけているところに問題があります。もう生き返らないことを期待します。

2008年10月18日 (土)

第182話 「ウォーレン・バフェットの買い推奨」

10月17日付けのブルームバーグ・ニュースによると、投資家ウォーレン・バフェット氏は、米国株を買い増しているとのことです。割安な株価水準が続けば、会長を務める保険・投資会社バークシャー・ハサウェイの投資とは別の同氏個人の投資ポートフォリオは近く、米株のみになる見込みだということです。バフェット氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)への寄稿で、「皆が貪欲(どんよく)になっているときは心配性に、皆が心配性になっているときには貪欲に」、という原則に従っていると説明しています。確かに、人々の不安心理が極限にあると言っていいでしょう。昨日のVIX指数、別名、恐怖指数は、70台と史上最高値となっています。以前は、40台で恐怖心理が高水準と言われていたわけですが、それを大きく上回っています。こうした局面で強いのは、現金を持っていることです。解散価値を下回る水準の株価は非常に魅力的です。一方、短期的な変動性は引き続き大きいと思われるので、借入や信用取引で取引をするのはリスクが大きいでしょう。現金で現物株式を買える人は、確かに大きな利益を得る可能性が高い、勝ち組でしょう。もう一つの勝ち組は、キャッシュリッチな企業です。おそらく、この株価水準であれば、M&Aが非常に活発に行われると予想されます。今、不調なREITも、不動産を買うより割安と判断されれば、REITを買収するようなことも起こりうると考えます。こうしたM&Aが、今後の株式市場を支える強気要因となると考えます。

2008年10月16日 (木)

第181話 「シティとメリル」

10月16日付けの日経ネット・ニュースによると、シティグループが16日発表した7―9月決算は、最終損益が28億1500万ドルの赤字(前年同期は22億1200万ドルの黒字)となったそうです。最終赤字は4四半期連続で、融資債権を裏付けにした証券化商品の評価損が膨らんだうえ、カードや住宅ローン事業では焦げ付きを引き当てる貸倒引当金が増加したことが影響しました。同日発表のメリルリンチも51億5200万ドルの最終赤字(同22億4100万ドルの赤字)となりました。しかし、この2社は、いつまで赤字を垂れ流すのでしょうか?特に、シティ、一体、どういう経営がしてきたのか理解に苦しみます。確かに、サブプライム問題や景気減速による不良債権処理で損失が大きいことは理解できます。しかし、FRBがこれだけ利下げすれば、ローンと調達気金利差という恩恵を受け、十分な収入を稼ぐことができるわけです。日本の銀行でもそうでした。それがずっと赤字、赤字。信じられません。おそらく、コストカットが甘いのだと想像します。これだけ世間からの批判があっても上から下まで高給を得ている状態が続いているのではないでしょうか?公的資金の入ったAIGでも問題になっています。野村證券が保証したリーマンの報酬水準に非常に高いものでした。こうしたコストカットに甘く、バブリーなビジネスを行ったことが今回の問題を大きくしたわけで、ここでも資本主義の行き過ぎであるモラルハザードが起きていたのだと、つくづく思う次第です。

2008年10月15日 (水)

第180話 「FX取引:少し落ち着いたスワップ派」

10月15日付けのブルンバーグニュースによると、15日のロンドン銀行間市場で、3カ月物のドル建て金利が低下しており、3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は、前日比9ベーシスポイントの低下の 4.55%となっています。これで、金利低下は3日連続です。これによって、先日書いた、FX取引のスワップ派は少しホッとしています。ユーロ円でのマイナスのスワップポイントは解消され、プラスに戻りました。これで、ユーロを対円で買い持ちにしていても、毎日、ちゃりん、ちゃりんとスワップポイントが稼げることになりました。おめでとうございます。しかし、こうしたクロス取引での異常事態を誰が予想していたでしょうか?私は、決して、スワップ派がダメだと言っているわけではありませんが、経済、金融の常識とまたリスク管理の重要性を訴えたかっただけです。高金利通貨は、結局、通貨価値で調整されてしまうのです。ブラジルレアルは、大変なことになってしまいました。加えて、安易なレバレッジ取引。FX取引が危険だと、今更ながら、個人投資家は考えるべきです。

2008年10月14日 (火)

第179話 「アイスランドの悲劇」

10月14日付けのブルンバーグニュースによると、アイスランドのレイキャビクのタクシー運転手、カール・カールソン氏(65)は今年、冬休みを取るのをやめたそうです。同氏の貯金は、6月以降で20%余り支払額が増加した自動車ローンに消えつつあるためとのことです。国内の政策金利が今年15.5%に上昇するなか、何千人ものアイスランド人が支払額を抑えるため、外貨建てでローンを組み、そして、通貨クローナがユーロやドル、円に対し急落し、事実上取引が停止されるなか、ローンを抱える人々は現在、支払額の急増に直面しているとのことです。しかし、アイスランドは、金融に力を入れ、こうした事態を招いたわけですが、個人の世界で、外貨でローンを組むようにことが日常で行われていたとは、驚きです。確かに、日本では、外貨での運用は日常で行われているわけで、その裏返しだと考えれば、そう不思議でもありませんが、運用するのと、借りるのでは、理解する方も相当、感じ方は違うとは思います。言い換えれば、それだけ、アイスランドにおいては、金融が生活に身近であったとも考えられ、尊敬する一面もあります。しかし、結局、そのリスクも正確に理解できていなかったことは、稚拙であり、国全体に問題があったと言わざるを得ません。金利の高い通貨は、長期的に弱いと考えるのは経済学上妥当だと信じられており、それを短期的な金利差選好で説明する一派によって、この相場は作られていたわけです。その巻き戻しが終わるまで、非合理なポジションは、苦しむことになります。今こそ、経済学の基礎を勉強すべきときです。私は、マンキューのマクロ経済学入門をお薦めします。

2008年10月13日 (月)

第178話 「新生銀行の円定期預金」

10月13日付け日経新聞朝刊の最終面に、新生銀行の”実りの円定期預金”の広告が掲載されています。1年もの円定期預金で1%、5年で1.7%、10年で2.0%の利息という、現時点の金利水準では、高利回りの円預金の広告です。しかも、元本保証と記載していますので、個人にとっては、きっと、魅力的に見えると思います。一方、ちょうど、その左側には、商工中金の預金の広告も掲載されており、1年もの円定期で通常0.5%の金利に、特別金利上乗せで0.65%にするとの内容です。しかし、これ問題ないですか?商工中金の上乗せ前の金利と比べると0.5%高い金利で、新生銀行は預金集めをしているわけです。また、三菱東京UFJ銀行と比べた場合でも、同行の最も高い1年定期(金額などで異なります)で0.4%ですから、新生銀行は0.6%も高い金利で預金集めをしているわけです。この高い金利で集める合理性ですが、新生銀行は、ネットでのサービスが充実しているとはいえ、ネット銀行とは異なり、支店も人材も多く抱えている銀行ですので、コスト削減効果で高い金利が提示できるわけではありません。先週、金融混乱の中、新生銀行とあおぞら銀行は、機関投資家向け金融債の発行を見送りました。そういうことも、積極的に高コストの預金を積極的に集めている理由かもしれません(あおぞら銀行の1年定期も1%です)。一方、個人の立場からしても、預金保険制度で、1,000万円までは保護されますので、ちょっと、気になる銀行でも、リスクがなく預金を預けることができると考えるでしょう。これは、完全なモラルハザードではないでしょうか?預金保険制度を用いて、高金利で預金を集める。世界的に、預金の全額保護は打ち出されていますが、モラルハザードを助長しては、本末転倒だと考えます。高金利預金、それは、モラルハザードの象徴であり、その裏にその銀行の経営状態を表していることも、個人は考えるべきではないでしょうか。

2008年10月12日 (日)

第177話 「FX取引:スワップ派の危機」

(2日間、出張のためブログお休みでした)

10月12日付けの日経ヴェリタス55面に、「FXの光と影:取引金融機関に破綻リスク。短期市場混乱、スワップ金利まちまちに」という記事が掲載されています。昨今の金融混乱により、極端にドル調達が困難になっています。ドルの調達金利は政策金利の1.5%を大きく上回り、ユーロの政策金利(3.75%)を大幅に超えています。これにより、以下のことが起こっています。すなわち、ユーロ円の買いのスワップポイントが、マイナスになっているのです。スワップポイントは、FX取引において金利の高い国の通貨を買った場合、その金利差分に相当する一種の金利を受け取るというものです。逆に、金利の高い国の通貨を売った場合には、支払いをしないといけません。FX取引でスワップ派と言われる人達は、高金利通貨、例えば、ユーロとか豪ドルとかを買って、毎日、チャリン、チャリンとスワップポイントを稼ぐことを喜びとしていたのです。しかし、今、円よりも高金利であるユーロを買うと、逆に、マイナスのスワップポイントとなり、払わないといけなくなっています。すなわち、持っているだけで、資産が減っていくのです。加えて、ユーロ安、円高で評価もマイナスとダブルパンチのために、ポジションの投売りを誘発しているのです。なぜ、高金利のはずのユーロのスワップポイントがマイナスになったのか、それは、為替のクロス取引に影響があります。円を売って、ユーロを買うのは、実際の取引では二段階に分かれます。まず、①(円を売って、ドルを買う)、次に、②(ドルを売って、ユーロを買う)です。この①の段階では、スワップは、通常で、プラスです。しかし、②で、ドルの調達コストが上がってますので、スワップがマイナスになり、①のプラス分より、②のマイナス分が上回ったために、合計で、ユーロ円の買いのスワップポイントがマイナスになったわけです。ここで、理解しないといけないのは、スワップ取引で、ある通貨を売るとは、お金を借りることと同じ、ある通貨を買うことは、お金を預けるのと同じだということです。②の取引で、ドルを売っていますから、ドルを借りようとしているわけで、それが現状の金融混乱、すなわち、ドルを借りることが困難な状況に影響を受けてしまったわけです。こうした事実を理解していない素人FXスワップ派の投売りが続くこととなるでしょう。安易な資産運用のつけが回ってきたわけです。スワップ派は撤退が続き、かつ、世に多く登場したFX業者の将来も危険かもしれません。

2008年10月 9日 (木)

第176話 「高くついた買い物」

10月9日付けのブルンバーグ・ニュースは、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のフレッド・グッドウィン最高経営責任者(CEO)が手に入れた獲物は、大き過ぎたかもしれないと評しています。 2007年に世界の金融市場が凍りつくなかで、RBSは金融業界で史上最大の買収劇を演じ、ベルギーのフォルティス、スペインのサンタンデール銀行とともにオランダのABNアムロ・ホールディングを買いました。しかし、以来、RBS株はロンドン市場で83%下落。英銀のなかで最も低い自己資本比率が、資金繰りの不安を高めており、また、買収仲間のフォルティスも、国有化されました。拡大路線、経営者にとって誘惑の言葉です。競争相手に勝ちたい(この場合、バークレーズ)との気持ちが、冷静な判断を狂わすのです。規模を追う時代ではないのは、日本での教訓ですが、レバレッジ金融が、迷わさせたのだと思います。もう、後戻りできません。多くの金融機関は再編で名前を失います。日本の銀行のように。1年後にRBSという名前がなくなっている可能性は、相当に高いでしょう。しかし、投資家にとっては、それが現在の金融混乱を解消する有効な手段であり、早く決断してほしいと思っているのではないでしょうか。市場は冷徹ですので。

2008年10月 8日 (水)

第175話 「相場反転のタイミング(2)」

10月8日のブルンバーグ・ニュースによると、8日の取引で日経平均株価の下落率がブラックマンデー以来の大きさを記録し、日本株の株価水準が歴史的な低水準に落ち込んだため、TOPIX構成銘柄の平均PBRはこの日、0.98 倍まで低下し、史上初めて1倍を割り込んだと報じています。PBRが1倍を割れているのは11指数で、先進国ではTOPIXのみ。他には、南米や東欧の新興国に多いようです。さすがにここまで下がればという水準ではあります。テクニカル指標でも、昨日指摘したVIX指数は50以上で高止まりしていますし、日本株の騰落レシオも55近辺にあります。今日でも、明日でも、いつでも上がってもおかしくありません。しかし、下げ基調が続いています。ここで、自分の意見を振り返ると、7月上旬に書いた第91話で10月後半から11月上旬が相場反転のタイミングではと書いています。正直、この間に起きたことが激動すぎて、すっかり自分でも忘れていました。確かに、この意見は良いポイントをついているかもしれません(手前味噌ですが)。少し、反騰し、また、二番底を試して、10月後半から11月上旬から本格反騰。私としては、この予想を支持したいと思います。

2008年10月 7日 (火)

第174話 「本格化する金融機関救済策」

10月7日付けの日経ネット・ニュースによると、10月7日の英国株式市場で、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)をはじめとする英大手銀行が、政府に資金増強の可能性を打診したと伝わったことで、英金融機関の財政悪化懸念が広がり銀行株が大幅下落し、RBSは30%超下落し、バークレイズやロイズTSB、HBOSも1割超下げているそうです。しかし、個々の株価の反応は、非常に合理的ではありますが、市場全体としては、是非、ポジティブに受け止めてほしいと思います。米国の金融安定化法に対する批判は、最終的に銀行に資本注入する枠組みが出来なかったというものでしたが、英国は、まさしくそれを行っているわけです。しかし、ショックセラピーを肯定的にこのブログで取り上げてきましたが、ちょっと過激すぎました。もう少し穏やかにしてほしかったというのが本音です。恐怖指数と言われるVIX指数は、昨日、50台に上昇しました。ジム・クレイマーの株式投資大作戦でも、45ぐらいで相当行き過ぎた数字だと紹介されていますが、50台は、この世の終わりのような市場センチメントと言えるでしょう。しかし、そうした状況は今後も続くことが考えられません。そんな愚かな政策当局者ではないと、私は信じています。

2008年10月 6日 (月)

第173話 「逆境でも強い金融機関」

10月6日付けのブルンバーグニュースによると、金融混乱の続く中、英株式市場でHSBCの株価は年初来で10%上昇しているとのことです。欧州銀行大手69行の平均騰落率がマイナス35%なのに対し、HSBCは唯一、騰落率がプラスとなっています。HSBC株に資金逃避の買いが集まっているためと言われていますが、確かに、HSBCは、顧客預金の預入額が融資額を上回る数少ない欧州の銀行の1つで、資本比率もトップクラスになっています。米国でもワコビアの買収で有名になったウェルズ・ファーゴも健全銀行の一つとなっています。同行は、他行が住宅ローンを貸した後、証券化して売り飛ばすのではなく、きちんと自分で保有していたために、きっちりと信用分析などを行ってきたことが、健全性を保てた要因とのことです。現在に異常とも言える金融混乱期に、こうした健全性を保てることは、経営者の質の高さを表していると思います。そういえば、日本のバブル期に、銀行は、株式投資に走り、大きな損失を出しました。本業である預金と貸出しに注力していれば、バブルの傷も浅かったと、よく言われていたことを思い出します。堅実、それは、臆病ではないことを、早く金融機関の経営者は悟るべきだと思います。

2008年10月 5日 (日)

第172話 「外資系運用機関との離別」

10月5日付の日経ヴェリタス60面に”投資信託の設定中止が相次いでいる”との記事が掲載されています。リーマンやAIGの問題もあり、9月にはAIGの投信など設定日目前で中止した投信が複数ありました。加えて、全体の投信売れ行きも急減し、HSBCのブラジル債ファンドは、当初設定額が10億円に留まったそうです。しかし、このAIGの件は、非常に重しになっており、証券や銀行の販売会社の中には、当分、外資系運用機関の投信は扱わないと決めたところもあるそうです。同じ日経ヴェリタスの紙面に、フォルティスが日本の運用会社(フォルティス・インベストメント、フォルティス・アセット、ABNアムロアセット)の統合を終えたとの広告記事が出ていました。3人の代表取締役が仲良く並んだ写真が出ていましたが、そんな呑気にしていてよいのかと疑問に思います。フォルティスは、先週、100%国有化されることが決定されました。国有化されたわけですから、国民の税金を使ったわけで、そのグループ会社の行方(たとえば、リストラや資産売却など)は不透明です。海外拠点を閉じるなどは、最もあり得る話です。販売会社としても、日本撤退リスクのある運用会社の商品を取り扱うわけにはいきません。まさしく、定性判断でノーと言わざるを得ないのです。フォルティスに限らず、その他の外資系運用機関全般に同じことが言えます。販売会社は、当面、国内系運用機関の商品に退避することとなるでしょう。もちろん、それ以前に、投信自体が売れないでしょうが。なお、フォルティス問題は、その他の運用機関や投資銀行にも影響があります。今回統合したうちの1社が、旧コメルツ投信投資顧問ですが、ここが俗にいう器貸しビジネスをしていました。すなわち、投信会社の免許を持たない運用会社のために、投信の器を貸し、実際の運用は裏で別の運用会社が行っていました。こうしたファンドは何本も出ているので、もしも、フォルティスの運用会社が日本からなくなると、こうしたファンドを運用する運用会社も消えることになります。いわゆる負の連鎖が起こるかもしれません。

2008年10月 4日 (土)

第171話 「金融安定化法(2)」

米国時間10月3日に無事、金融安定化法が下院で可決されました。しかし、「Buy the rumor, Sell the fact」の通り、米国株式市場は、結局、マイナスで終了しました。言い換えれば、私が考えたように、もう金融安定化法は大きな意味が無かったということだと考えます。10月3日付けのブルームバーグ・ニュースによると、ポールソン米財務長官は7000億ドルの金融安定化策の実施に向け、弁護士やバンカーに加え資産運用会社最大10社を起用する方針だそうです。すでに、PIMCO、ブラックロック、レッグメイソンの名前が候補に挙がっているようです。こうした迅速な対応は、市場に安心感をもたらすでしょうから、プラスです。しかし、そこまでです。ここから重要なのは、利下げによる時間稼ぎと、金融機関の自助努力による資本増強です。そうなれば、インターバンク市場も正常化します。もちろん、時間はかかりますが、戻ります。今日、朝のニュースでホリコ・キャピタルの堀古氏が非常に弱気なことを言っていました。別にそれ自体は問題ありませんが、その理由の一つに空売り規制の解除を挙げていました。そういう目先の短期的な需給を取り上げることは妥当ではありませんし、同氏が投資顧問会社を名乗る単なるトレーダーだということを証明するものでした。今、考えないといけないのは、金融システムの再構築であり、そのために資本の充実しかないと思います。決して、空売り云々ではありません。ニューヨーク市場がマイナスで引けましたが、ほとんどそれ自体に意味はなく、改めて冷静に来週以降の市場を考えるべきです。

2008年10月 3日 (金)

第170話 「金融安定化法」

10月3日の各メディアは、本日、米国下院で修正された金融安定化法が可決されるかどうかを大きく取り上げています(日本時間3日10時15分に書いています。この時点で、採決は行われておりません)。下院で再び否決されれば、世界は地獄に落ちるようなニュアンスでほとんどのメディアが伝えています。確かに、金融安定化法は非常に重要であると思います。特に、個人的には、預金保険の対象金額を倍増させたことは、取り付け騒ぎを一時的にでも、沈静化させる効果があると考えます。今、重要なのは、中小金融機関です。もう、大金融機関の問題は、9月のAIGで峠を越えています。仮に、金融安定化法が否決されても、これ以上、ネガティブに反応しないのではないでしょうか。以前にも書きました「ショックセラピー」が有効に利いていると考えます。合併、身売り、資本取り込み、何でもありで、大手金融機関は自らの努力で過去2週間努力してきました。資本の充実こそ、金融危機を乗り切る最終ハードルなのです。しかし、中小金融は、そうはいきません。セーフティネットを用意しないと国民は狼狽します。一方、欧州は、積極的に公的資金で資本注入を金融機関に対して行っています。欧州では、国民からの反対世論があまり報じられないのは、不思議ではありますが、非常に危機管理は充実していると考えます。金融安定化法が否決されれば、更に、民間の努力が促進されます。一方、金融当局は危機回避のため、協調利下げや更なる資金供給を行うでしょう。もう、金融安定化法で、市場が揺れる可能性が低いと考えますが、楽観すぎるでしょうか?。

第169話 「外資系運用機関の憂鬱」

10月2日付けのブルンバーグ・ニュースによると、中国2位の保険会社、中国平安保険(集団)は2日、ベルギー・オランダ系金融サービス大手フォルティスの資産運用部門の50%株式取得計画を撤回したそうです。市場環境を理由に挙げているそうですが、先般のフォルティスの一部国有化が影響している可能性もあります。投資銀行、銀行と破綻の連鎖は、少なからず運用機関にも影響を与えています。リーマン参加のニューバガー・バーマンという運用会社もPEファンドに売却されました。フォルティスのケースは、逆に、売却できなかったことで、今後に不安を残しました。親会社が一部でも国有化されたことで、資産処分の対象として、中国平安保険のような経営の主体性を残せる株主ではなく、高く買ってくれる株主に売却される可能性が出てきました。そうした不安は、優秀な運用者の離職に繋がるかもしれません。三菱UFJが株式を取得したモルガンスタンレーについても、運用子会社を持っていますが、三菱UFJの意向次第では、同グループの運用機関と合併などもあるかもしれません。金融混乱が落ち着きを見せないことから、年末に向け、リストラを計画している会社もあるとの情報です。最近業界関係者から得た情報では、マルチマネジャー運用で世界的に有名な会社が、日本法人での大きなリストラを今月中旬に計画しているとの噂があるそうです。来年度予算の時期だけに、外資系運用会社にとっては憂鬱な日々が続きそうです。

2008年10月 1日 (水)

第168話 「ゆうちょ銀行の憂鬱」

10月1日付けのブルンバーグ・ニュースによると、郵政民営化で「ゆうちょ銀行」がスタートしてから1年が経過し、当初は、住宅ローンやクレジットカード業務参入したことで、地銀などの民業を圧迫すると警戒されたが、貯金残高の減少も続いており、思ったほどではなかったと報じています。例えば、5月に始めた住宅ローンの残高は7月末で65億円とみずほ銀の0.1%未満にとどまっていることです。正直言って、タイミングが悪かったとしか言わざるをえないでしょう。この1年はサブプライム・ショックで普通の銀行でも厳しい経営状態で、突然、親方日の丸の銀行が入ってきても無理です。加えて、投信販売も相場の下落で、売れなくなってきており、収益源を失ってしまいました。そもそも、リスク商品の販売に不慣れな行員がこの市場の混乱で狼狽しないわけがありません。また、投信会社も、地方の郵便局でセミナーをするとコスト倒れになるので、外資系を中心にセミナー開催自体を見直す動きで出ています。確かに、地方まで行って、セミナー参加者2名ということも、よくあるそうです。ゆうちょ銀行だから、特別扱いするという状況ではないということです。最後に、総選挙が重しになっています。仮に、政権交代が起きれば、国民新党が主張する民営化見直しが行われるかもしれません。そのため、現在、ゆうちょ、かんぽともに、上層部が思考停止状態だと噂する人もいます。いずれにせよ、ゆうちょ銀行にとって、憂鬱が日がまだ当分続きそうです。

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