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2008年11月 1日 (土)

第195話 「農林中央金庫」

10月31日付けのアサヒ・コムのニュースによると、石破農林水産相は31日の閣議後の会見で、農林中央金庫の歴代理事長に農水事務次官が就いていることについて「次官経験者だからだめという話ではないが、指定席のようになれば国民の批判を招く」と語ったそうです。金融機関に公的資金を注入できるようにする金融機能強化法改正案の対象に挙がっていますが、民主党は政治的中立性などから、慎重な態度を示しています。ここにきて農林中央金庫が注目を集めています。週刊現代にも記事が出ています。ここは、農協→信連→農林中央金庫という道筋で、お金を集め、積極的に有価証券投資を行ってきました。特に、債券投資の歴史は長く、一方で、株式の経験が短いことから、おそらく、今回も株式の痛手よりも、債券での痛手が大きいと思います。ファニーメイやフレディーマックの債券も多く保有していますし、その他の証券化商品を多く保有しています。社債、ハイイールド債、エマージング債投資も積極的で、損失は大きいと予想されます。また、オルタナティブ投資も積極的で、ヘッジファンドやプライベート・エクイティへの保有は銀行の中でもトップクラスです。しかし、昨年に多くの銀行は、BIS対策や金融庁からの検査圧力などもあり、ヘッジファンド等の保有を落としてきましたが、農中だけは、あまり意に介さず、そうしたポジションを落とすタイミングが遅れました。その結果、損失が膨らんだものと思われます。一番の問題は、担当者がプロとは言い難い人が行っていることです。また、銀行ですから、人事異動で短期で変わってしまいます。そうした中で、お金だけあるものですから、素人がどんどん新しい投資に走ってしまったわけです。大きな勘違いは、お金があるために、自分達で時には相場を動かしてしまうことがあり、それを「自分は相場の神様」だと勘違いさせてしまうのです。加えて、巨大な資金を目当てに、若い担当者に対しても、投資銀行がチヤホヤする風潮が傷口を広げました。これは正にバブル期の時と同じです。農中に公的資金を投入するなど、全く合理的理由はありません。貸出しも、農業関連の食品系企業などがメインである程度です。あおぞら銀行を最近辞められた会長も、農中の運用関連で有名な方でした。彼は、あおぞら銀行で、農中のような投資を行うことを考えていたそうです。しかし、その結果、あおぞら銀行の株価は、100円割れです。”勘違い”、いつの時代も、これにより、破滅は始まるのだと思います。

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コメント

農中は何回債権投資を失敗すれば気が済むのでしょうか。平成5~6年の頃だったかと思いますが、住専問題が起こりました。このときの解決策は投資した農中を助けるために、銀行並びに健全な住専会社がつぶされました。もちろん住専会社のなかには都銀が作ったつぶれるべき会社もありましたが、中には潰さなくてもいい会社もありました。しかし、それらは一括りされ潰されましたる銀行は農中のためにかなりお金を拠出しました。政治の力で銀行と健全な住専会社は潰され、運用している金融会社たる農中は保護されました。政治の力以外のなにものでもないんです。今回の農中への資金投入は問題ありと前原民主党副代表は述べています。大変健全な考えであり、マスコミはもっととりあげるべきですが残念ながらチョウチンしかできないマスコミは正論を展開しません。もういいかげんに農中を解体して天下り先を整理すべきです。こんな天下り先をいつまでも放置すると、税金の無駄遣いと正しい仕事をしている銀行を始めとした民間企業のお金が天下り役人の給料や交際費となって流出してしまいます。石破さんは農中存続のための方策を考えているようですが、農注自体をなくすのが、本来の行革であり、石破さんはやはり「かくれ公務員擁護派」「行革反対派」であることがわかります。もう日本には時間がありません。行革としても農中はなくすべきです。

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