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2008年12月

2008年12月31日 (水)

第240話 「2008年を振り返って」

激動の2008年が終わろうしています。本当に激動でした。「今回は、以前とは違う」というコメントは信じていけないと、よく言われますが、今年は、以前とは違うと言っても良いのではないでしょうか。株価下落も衝撃的でしたが、やはり、最も印象的であったのが、米国10年債利回りの急低下です。もちろん、このブログで未経験ゾーンまで下がると予想したことが当たったと感動しているわけではなく、あまりにも急激に、2%まで下がったことは驚きであったわけです。Yahoo Financeで見れる米国10年債金利のチャートは、1962年からですが、オイルショックまでの上昇から、その後、なだらかな金利低下傾向でした。しかし、今年だけ、崖から落ちるような金利低下のチャートになっています。100年に一度とは、この債券市場、信用市場に当てはまるわけです。日本でも、長期金利が1%を割れるという経験をしましたが、株価との関係を見ると、2003年5月に長期金利が最低を記録し、その2ヶ月前の2003年3月に株価が底打ちしています。その当時、日本が量的緩和をしたのが2001年3月、最後に公定歩合を下げたのが2001年9月。約1.5年から2年を経て、金利は大底を打ち、株価も反転しました。これから考えると世界的な株価の本格反転は、2010年の上半期ぐらいかもしれません。来年も注意深く、金融ニュースをフォローしていく必要がありそうです。今年は、240話までお付き合いいただき、ありがとうございました。来年が皆様にとって、良い年になりますことをお祈りしております。なお、正月3が日はブログをお休みさせていただきます。来年もよろしくお願いいたします。

2008年12月29日 (月)

第239話 「英国の没落」

英紙テレグラフ(オンライン版)は28日、英国の金融機関が商業用不動産向け融資に絡み、最大で700億ポンド(約9兆 3400億円)の評価損計上を迫られるかもしれないと報じました。また、12月29日付けのブルームバーグ・ニュースによると、英調査会社ホームトラックは29日公表したリポートで、英国では今年、ロンドンの住宅価格が全国で最も値下がりしたとした上で、リセッション(景気後退)の深刻化に伴い、2009年も一段と下落するとの見通しを明らかにしています。英国では、住宅も商業用不動産も厳しい予想です。米国発の金融恐慌ですが、英国への影響は相当深刻であるようです。特に、英国の金融業界は、ビックバン以降、米国資本に飲み込まれ、ミニ・ウォール街となっていましたから、本家以上のショックであったかもしれません。英国も不動産信仰の強い国、こうした不動産価格の落ち込みは、更に、金融機関の体力を弱め、経済の回復を遅らせることでしょう。すでにポンドはそうした予想を織り込んでか、弱含み始めています。来年は、更に、ポンド安(もしかしたら、ポンド暴落)の可能性があります。そういえば、最近見たニュースで、英国で家が希望通りの値段で売れないので、くじ引きの懸賞にするという手法が登場しているそうです。くじの収入がほぼ希望売却価額まで集まり、また、当たって人も、小銭感覚で家が買える。さすが、英国、何でもギャンブルする精神には、恐れ入ります(しかし、ギャンブル協会から違法性を指摘され、今、大変らしいですけど)。

2008年12月28日 (日)

第238話 「幕末を制するのは、中国と九州地方か?」

12月28日付けの日経ヴェリタス46面に52週追加株式投信騰落率ランキングが掲載されています。今年は、大幅な株安でどの投信は悲惨なパフォーマンスを記録しています。その中で、日本株式投信の上位7位と9位に、「中国・四国インデックス・ファンド」(野村アセット)、「九州特化型日本株ファンド」(BNPパリバ)がランキングされていました。両方とも、いわゆる「ご当地ファンド」の類ですが、トップ10に入ったこともあり、興味を持ちます。運用報告書と見ると、中国・四国インデックスファンドの上位10銘柄には、トップにユニクロの「ファーストリテーリング」が組み入れられています。今年のトップパフォーマー銘柄ですからこれが1割近く組み入れられているとやっぱり違います。そうした特別な銘柄を除くと、やはり地方の有力企業とは、電力会社、ガス会社といった公共株と、地方銀行になってしまいます。組み入れ上位10銘柄は、大半、そうした銘柄です。公共株は、株価下落時にはディフェンシブ的に働きますので、運用結果に有利に働いたかもしれません。しかし、一方で、ご当地ファンドのコンセプトが、地元経済に貢献している(雇用や税など)ことを考えると、ある面、中国や九州地方の企業、ひいては地域経済が、日本の他の地域よりも相対的(あくまでも、相対的。日本全国厳しいことに変わりありませんので)に良いかもしれません。トヨタなどの東海地方、そして当然ですが経済の中心である関東、地盤沈下の激しい近畿、どこも力を失っている中、中国や九州地方の相対的な地位が上がっているのかもしれません。現在、自民党政治の末期が、徳川幕府が崩壊する幕末と重なって評されることがありますが、そのときも、薩摩と長州が新しい日本を切り開く原動力となりました。今、平成の幕末を制するのは、中国や九州地方かもしれません。

2008年12月27日 (土)

第237話 「スキーリゾートの憂鬱」

12月25日付けのブルームバーグニュースの特集記事によると、フランスのアルプス地方、シャモニー近郊のスキーリゾート地に別荘を保有するシェフ、ダン・モルガンさん(35)は、この別荘の売り値を引き下げざるを得なくなったそうです。モルガンさんは、アルプス最高峰のモンブランを望む屋外ジャグジー付きのこの物件を2001年当時の購入価格75万ユーロに対して、当初売値を13%下げて、150万ユーロ(約1億9000万円)にしました。少なくともここ6年間にわたり、英国人によるスキーリゾート物件の需要がアルプス地方の不動産価格を押し上げてきましたが、金融危機に加え、英ポンドが今年、ユーロに対し22%下落したことから買い控えが広がり、価格が落ち込んでいるそうです。同様なことは、日本でも起こっており、北海道のニセコは、オーストラリアドルの下落で、観光客数も不動産価格も落ちこんでいるそうです。しかし、地方経済には非常に大きな痛手です。地方にとって観光収入が絶えれば、死活問題です。また、リゾート不動産価格も国内の買い手が不足している中で海外の買い手に求めていたものを、それが途絶えれば、気配だけで下げ続ける恐怖の状況です。「私をスキーに連れてって」なんて映画が昔あった隆盛時期もありましたが、段々、若者の旅行離れが進む中、外人旅行者なくして成り立たないわけです。自動車産業と同じに若者離れが激しい業界は、構造不況業種と呼ばざるを得ません。

2008年12月24日 (水)

第236話 「トヨタショックは、どこまで続く」

12月24日付の日経ネットニュースによると、トヨタ自動車の業績不振がグループ各社に広がってきているとのことです。デンソーやアイシン精機などグループの主要6社が24日までに、2009年3月期の業績予想を相次いで下方修正しました。また、内外での販売不振や急速な円高で、豊田自動織機など3社は営業赤字に転落する見通しです。トヨタが22日に今期1500億円程度の営業赤字の見通しを出しましたが、正直言って、来期は更に厳しいと思われます。このブログの第198話でも書きましたが、http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/198-0f85.html 自動車産業は、完全に構造不況業種に入りました。国内外ともに需要が低迷が数年続くことが予想されます。加えて、過去数年のトヨタの利益は異常でした。円安と新興国ブームで相当程度下駄を履いた状態だった思われます。1~2兆円規模の利益を出していたことを考えるとある程度それを吐き出すまで、すなわち、2009年度は1兆円単位の営業赤字の出す可能性があると考えます。今、ポートフォリオを見直している方、トヨタ周辺銘柄から、当面、良いニュースは出ないと覚悟した方が良いと思いますよ。

2008年12月22日 (月)

第235話 「恐怖でなくなった恐怖指数」

12月22日付けのブルームバーグ・ニュースによると、米国株市場の投資家の間で、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)の人気が薄れてきているとのことです。S&P500種が月間ベースで17%下落して1987年の株価大暴落以来の大幅安となった10月、VIXは「買いシグナル」を出し、さらに11月20日以降も、S&P500種が18%上昇したにもかかわらず、VIXは44%急低下して弱気シグナルを出しているためです。18年前に導入されたVIXが米国株の予想指標としてファンドマネジャーの間で人気が高かったのは、S&P500種のレンジを84%の確率で正確に予想したほか、2002年に弱気相場終結のシグナルを出したためでしたが、今回は、大きく間違ったわけです。確かに、100年に1度と評される今回の金融混乱で、18年しか歴史の無い指標が当たり続けることは不可能だったのでしょう。このブログでも紹介したジム・ロジャースも恐怖指数と呼ばれるVIXを逆張り指標として使用していました。彼の書籍でも、40%台が3週間ぐらい続くと大底といったことを述べています。しかし、今回は、40%をはるかに超え、2ヶ月近く経ても、指数がかつての水準に戻らないわけです。18年の歴史、人の人生からすれば、それなりに長い期間ですが、マーケットの歴史からすれば、非常に短い期間だったわけです。恐怖指数は、その18年の生涯で、”恐怖”の看板を下ろさざるを得なくなりました。

2008年12月21日 (日)

第234話 「再びブラジル債券ファンド」

12月21日付け日経ヴェリタス60面の金融商品・サービスの紙面で、ブラジル債券ファンドについて記事が掲載されています。ブラジル債券ファンドは、夏以降も各社からの設定が続いているが、ブラジルレアル通貨の下落により、期待通りの販売額に至っていない例が出ているとのことです。このブログでも、以前、ブラジル債ファンドについて取り上げましたが、http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/166-67e8.html 結局、同じことが繰り返されていたことに失望します。しかし、これは、販売会社だけの問題ではなく、投資家側の投資動機にも影響を受けています。特に、富裕層や投機志向の強い投資家、こうした顧客は、証券会社の顧客に多いのですが、非常に値動きの軽さを求めます。極端な言い方をすれば、損してもいいから、どんと上がる商品を持ってこい、といった要求を販売会社に伝えます。すると、販売会社(特に、証券)は、それに沿った商品しか作りません。特に、今は、素人投資家に投信を売るのは、金商法的に恐いので、セミプロ投資家に依存する体質が強まっています。今後の市場環境から想像すると、こうした値動き重視の商品提供は続くと考えられます。しかし、決して、それは運用会社や販売会社にとって、中期的に正しいことを行っていないので、自滅への道を進むことになるのではないでしょうか。

2008年12月20日 (土)

第233話 「原油相場とドルの価値」

12月18日付けのブルームバーグ・ニュースによると、スイスの調査会社ペトロマトリックスは、ドル相場の下落で投資家が原油の買いを再開し、原油相場が上昇する可能性があるとみているそうです。今日のチャートは、対ユーロのドル相場は今週に入って8%下げているにもかかわらず、4年ぶりの安値近辺にある原油先物相場が、ドル相場の下落に対し、依然として反応していないことを示しているとのことです。ペトロマトリックスが原油相場とドル相場の相関関係を算定した結果、原油相場の適正水準は89ドル近辺となっています。確かに、原油価格は、基軸通貨であるドル建てです。ドル安は産油国にとって、原油高が起きないと価値を維持できないわけです。一方、ドル高であれば、原油価格が下落しても価値は維持できることになります。言い換えれば、今年前半の原油高は、方向性としてドル安と合致したものでしたが、あまりにも原油価格の上昇幅が大きすぎ、ドル安のペースと乖離しすぎたと言えます。従って、現在の原油価格の調整が必ずしもドル安の動きと完全に相関していなくてもそれほど問題ではないと思います。また、世界的な需要の低迷と代替エネルギーの移行が進み、原油価格は構造的に下落基調であると考えます。ということは、程度はともあれ、ドルの価値の下支えの動きになるかもしれません。FRBのドルインデックスを見る限り、一時的に過去20年間のレンジの下限である80を切ったものの、その後は、回復し、その下限近辺を持ちこたえています。世界的に金利差もなくなっており、これ以上のドル安(これは、対円という意味ではなく、ドルインデックス)の可能性は低いのではないでしょうか。

2008年12月18日 (木)

第232話 「BNPパリバにも逆風がきた」

12月17日付けのブルームバーグ・ニュースによると、17日のパリ株式市場で、仏銀最大手BNPパリバ株が急落し、17%安で終了したそうです。証券部門が10月以降に2008年1-9月期の利益を上回る損失を出したことが嫌気されたとのことですが、1999年に合併で誕生して以来で最大の下げとなりました。また、12日にブリュッセルの裁判所がベルギーの金融サービス会社フォルティスの事業買収を凍結したなど、悪いことが重なったわけです。しかし、日本から見ていると、BNPパリバがこうした金融混乱の中で、意外と順調であるように見えていました。一方で、アーバンコーポレーションの問題やサイゼリヤの問題など、BNPパリバの不適切も言える金融取引で両社の問題が発覚したことを考えると、相当に際どい商売を行って、儲けを得ていたのかもしれません。こうしたことをするのは、過去、リーマンなどが十八番でしたが、今は、パリバに移ったのでしょうか。また、最近では、マドフ氏の詐欺事件でも、BNPパリバは損失を発表しておりました。面白いもので、こうした悪い話は連続して発覚することがよくあります。ある種の自浄作用でしょうが、間違った方向に経営が行った後に、逆の力が働くわけです。これ以上の、大きな問題をBNPパリバが起こさないことを祈ります。

2008年12月17日 (水)

第231話 「超低金利時代」

12月16日付けのブルームバーグ・ニュースによると、FRBは16日、FOMCの定例会合を開き、フェデラルファンド金利の誘導目標を現行1%から0.75ポイント以上引き下げて、0%- 0.25%の範囲に設定しました。また、さらに声明で「弱い経済状況は一定期間にわたりFF金利の異例な低水準を正当化する可能性が高い」と表明することで、「時間軸効果」を狙っているとニュースはコメントしています。これにより、米国10年国債の利回りは、2.4%と歴史的低金利となりました。何か言った後に、「あの時、私が予想した通りです」と自己満足に陥るのは本意ではありませんが、このブログの8月19日付け第132話「マネーサプライが示す米国の将来」http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/132_3040.htmlで、米国長期債金利が未経験の領域まで低下するのではとコメントした事態が発生してしまいました。その時には、秋以降に株価と不動産が崩落するとの海外記事の紹介もしています。すなわち、日本で起きたデフレ経済に米国は突入したわけです。ここからの回復は容易ではありません。複合不況と評されたバランスシートの整理がこれから、会社、個人のレベルで起きるわけです。2009年も厳しい経済情勢が予想されます。あの時のブログに書いたように、M3の動向をフォローしなければいけません。

2008年12月15日 (月)

第230話 「クラブ・ディール」

先週金曜日に取り上げた詐欺事件、元ナスダックの会長であるマドフ氏のねずみ講問題、いくつかのメディアで、各金融機関の損失が発表されています。日本でも野村ホールディングが、275億円のエクスポージャーがあることを公表しました。そのほか、BNPパリバが3億5千万ユーロの損失、スペインのサンタンデール銀が顧客のポジションが23.3億ユーロだと公表しています。しかし、なぜ、こうした詐欺事件が発生したのでしょうか?これは、米国での「クラブ・ディール」が影響していると考えます。海外では、知り合い、仲間内でビジネスのやり取りをすることが多々あります。日本では、最近は、そうした知り合い同士のビジネスを敬遠する傾向がありますが、米国は逆です。一種の特権階級の思想が残っているのかもしれません。加えて、マドフ氏は、ナスダックの会長を務めた著名人です。彼が、一声かけただけで、資金は集まるでしょう、それも審査なしに。こうしたいい加減なことがまかり通るのが、米国資本主義の実体なわけです。確かに、あおぞら銀行に勤めている人から聞いたことがありますが、外人の役員が、突然、別の知り合いの外人から案件を取ってきた、日本人に「これを、やれ」と命令してくると言ってました。結果的に損になることがあったとのことですが、裏返せば、その知り合いの外人が儲けているということです。こうしたモラルハザードが起きる温床が、この「クラブ・ディール」なわけです。もう、米国型資本主義を真似る人はいなくなるでしょう。

2008年12月14日 (日)

第229話 「著名ストラテジストは間違う?」

12月14日付け日経ヴェリタス26面のマーケットアイのコーナーで、ゴールドマン・サックスのシニア・インベストメント・ストラテジストであるアビー・コーエン氏が、米株価に対する楽観的見通しを載せています。内容的には、売り圧力も弱まっており、また、政策当局も歴史から学び適切な対応を取ることが期待されるので、来年には米国株価は回復基調に戻るというものです。私も、個人的には、このブログでも表明しているように、10月末で株価は買える水準まで下落したと認識しています。従って、この意見に真っ向から反対するものではありません。しかし、米国の著名なストラテジストの多くが非常に楽観的な立場を持ち続けていることに非常な違和感を感じます。彼らは、昨年のサブプライム問題が勃発した時から楽観的でした。私は、2007年7月にこれも著名なストラテジストであるバートン・ビックス氏の講演を聞く機会がありました。ここで、ある金融機関の方が、サブプライムのこと懸念していると質問したところ、それほど大きな問題ではないと、一蹴したことを覚えています。もちろん、同氏に限らず、多くの米国のストラテジスト、アナリストは楽観的でした。今回のコーエン氏のコメントも、政策当局が適切な対応を取るというのは、あまりに過大評価しすぎではないでしょうか?グローバル化が進み、または、金融市場が実物経済に比して肥大化した現在では、そう簡単に政策が効果的に利くとは思えません。やはり、相当な時間と、幸運(IT革命が起きたように)が伴わないといけません。この幸運が難物です。いつ、この幸運が現れるか?いくら著名なストラテジストにも、分からない話です。

2008年12月13日 (土)

第228話 「マドンナも被った金融混乱」

12月12日付けのブルームバーグ・ニュースによると、5カ月間で豪ドルが米ドルに対し31%下落し、公演の契約額がオーストラリアのプロモーターの手の届かない額に膨らんだ結果、マドンナはシドニーとメルボルンでのコンサートを見送ることになったそうです。国際的なアーティストへの支払いは90%余りが米ドル建てで、米ドルは世界ツアーの基軸通貨のように扱われているのが、原因のようです。他にも、交渉中だった歌手ニール・ダイヤモンドの公演も豪ドル安の影響で中止に追い込まれたということです。確かに、今回の金融混乱は、様々な業種に影響を与えてきました。エンタテーメント分野は最もコスト削減の影響を受ける一つです。その他にも、スポーツの分野などスポンサーを必要とするところも、相当厳しいものになるでしょう。景気後退は、水面を輪が広がっていくかの如く、伝わっている感じです。個人的予想としては、豪ドル相場の下落が終わったとは思えませんので、当分、オーストラリアで、有名アーチストを見ることはできないでしょう。DVDでお楽しみ下さい。

2008年12月12日 (金)

第227話 「5兆円の詐欺事件」

12月11日付けのブルームバーグ・ニュースによると、ヘッジファンドや銀行向けマーケットメーカー(値付け業者)、バーナード・マドフ証券投資会社の創業者バーナード・マドフ社長(70)が、500億ドル(約4兆6000億円)に上る詐欺を働いた罪で米連邦捜査局(FBI)に身柄を拘束されたそうです。米証券取引委員会(SEC)もこの日、マドフ社長が「顧客に対し、巨額のねずみ講まがいの詐欺を働いた」と主張する訴えを、マンハッタンの連邦地裁に起こしたことによります。バーナード・マドフ証券投資会社は1960年創業で、10月時点でナスダック市場で23番目に大きなマーケットメーカーでした。このマドフ氏は、ヘッジファンド運用会社も運営していました。このヘッジファンドは、なぜか、パフォーマンスが安定的に良かっただけに、業界では、何かあるのではないかと、疑われていたそうです。噂では、ヘッジファンドで買ってから、値付け業者として、顧客の発注を執行していたのでは(フロントランニング)との話もあります。しかし、いずれにせよ不適切に運営が行われていた可能性が高いので、このヘッジファンドへの投資は返金されない可能性があります。このヘッジファンドの入ったヘッジ・ファンド・オブ・ファンズ(フェアフィールドやトレモントなど)を日本の投資家も持っているとの話もあり、問題が日本に広がる可能性もあるわけです。しかし、ヘッジファンドは、パフォーマンス低迷により、資金流出が止まらない状況にあるわけですが、こんな事件が起きると更に投資資金が逃げることとなります。やはり、ヘッジファンドは、ブラックボックスで、何をしているか分からない存在です。加えて、悪い事をするファンドかどうかを事前に見極めることも非常に困難なのでしょう。一番良いのは、投資しないことになってしまいます。

2008年12月10日 (水)

第226話 「日興コーディアル証券のリストラ」

12月10日付けのブルームバーグ・ニュースよると、日興コーディアル証券が実施した早期希望退職制度への応募者数が約1000人に上ったことが10日分かりました。約7000人いる社員全体の1割以上に当たり、経営難にあるシティが世界的に進めているリストラの一環として40歳以上の社員を対象に11月21日から募集していました。 この早期希望退職は、24カ月の割り増し退職金を支給するなどの内容だったため、予想以上の応募があったようです。24ヶ月という水準は、業界的にも破格かもしれません。2年間、働かなくて給料が貰えるのと同じですから。もちろん、その間、会社の健康保険も、また、厚生年金保険も入れませんが。しかし、昨今の、金融機関、特に外資系の金融機関の話を聞く限り、3ヶ月~12ヶ月ぐらいが割増の相場からして、24ヶ月に応募しようという気持ちは分かります。加えて、日興コーディアル証券の場合、シティに買収され、外人文化の中で、従業員のモチベーションも下がっていたと思われますので、当然かもしれません。しかし、これで、シティや日興は復活するでしょうか?おそらく、過去の事例を見ても、そもそも会社の文化や従業員を”ないがしろ”にして良くなった会社の例は少ないと言えます。ルノーの支援を受けて復活した日産、しかし、トヨタやホンダに比べ、いつも苦しい立場にあります。昨日、リストラを発表したソニー。外人社長でリストラして、また、今回もです。従って、こうしたリストラは、現経営陣や主流派の従業員の延命措置となるだけで、一時的に良くなっても、最終的には、また、悪くなる、そういう運命を辿ると考えます。皆さんは、この意見の賛成ですか?反対ですか?

2008年12月 9日 (火)

第225話 「実体経済と金融市場」

12月9日付けのブルームバーグ・ニュースによると、世界的な不況で業績が悪化しているソニーは9日、液晶テレビなど主力のエレクトロニクス事業のコスト削減策を発表し、2010年3月期末までに正社員と派遣労働者らを合わせて1万6000人以上を削減すると発表しました。同期末までに年間で総額1000億円以上の費用削減効果を実現できる体制構築を目指すとのことです。サブプライムから端を発した金融市場の混乱は、実体経済の急激な悪化という形で、影響を及ぼし始めました。最近、マスコミネタにされている派遣切りにせよ、こうした正社員のリストラは、多くの企業に波及してきています。度々、株式市場は、実体経済を6ヶ月から1年、先を見越して動いていると言われます。確かに、こうした傾向が過去見られたと思います。しかし、元々、これは、「にわとりと卵」のような議論で、金融市場が本当に効率的、実体経済の動きを予見して動いているとは、思いにくいと考えています。特に、今回の金融危機の場合、明らかに、金融市場が暴走し、それが実体経済を悪化に陥れたと言っても過言ではありません。例えば、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)です。これは、社債などに投資した投資家が、信用リスクをヘッジするために、CDSを保有するわけですが、ある例では、その基となる社債が、繰上げ償還でなくなってしまったものなどがあります。すると、デリバティブであるCDSが、一人歩きするわけです。金融市場が一人歩きし、勝手に崩壊し、実体経済に悪影響を与える。今回の不況の処方箋がなかなか見つからないのも、こうしたことが原因ではないでしょうか。

2008年12月 8日 (月)

第224話 「ヘッジファンドはゴキブリ・ホイホイ?」

12月8日付けのブルームバーグ・ニュースのコラムによると、金融危機はヘッジファンド業界に大きな負担をもたらし、資金償還を制限したファンドの数は先週末までで約100本に達したと報じています。多くのヘッジファンドが、入ることはできるが、出ることができない金融界の「ゴキブリ取り」になりつつあると評しています。モルガン・スタンレーは償還請求がヘッジファンド業界全体の運用資産の 15-30%に上っているとみており、また、事態がいかに悪いかを示す驚きのニュースとして、ヘッジファンド業界の伝説的人物、ポール・チューダー・ジョーンズ氏のチューダー・インベストメントですら、100億ドル(約9300億円)規模の「BVIグローバル・ファンド」の償還を制限したことを挙げています。ヘッジファンド・オブ・ファンズの成績悪化と大量の解約請求で、悪いファンドが売れないことから、こうした良いファンドまで解約せざるを得なくなっているというのが、危機的状況を示しています。今や、売りが売りを呼ぶ状況であり、それを止めるためには、ヘッジファンドの解約制限しか方法がないとしています。これこそ、入ることができるが出れない、ゴキブリ・ホイホイ状態と揶揄される所以です。この事態が改善する兆しは見れません。投資家心理としては、償還請求が全て実行されるまで、新たなヘッジファンド投資を控えるでしょう。別のニュースでは、大手ヘッジファンドのシタデルが東京事務所を閉鎖し、従業員を解雇することを決定しました。ヘッジファンドに明日は無いということでしょうか。

2008年12月 7日 (日)

第223話 「大学での資産運用の失敗」

12月7日付けの日経ヴェリタス71面に「大学の運用、リスク管理”赤点”」という記事が掲載されています。新聞でも報道されていますが、デリバティブでの損失で、駒沢大学が154億円、慶応大学でも274億円を損失を計上したとのことです。他にも、立正大学など多くの私立大学が損失を出しています。特に、今回、注目されるのが、スワップ取引というデリバティブ商品で損失が発生していることです。この場合、一種の為替キャリートレードと同じ効果ですが、高金利通貨である豪ドルとのスワップを活用していたそうです。急激な円高で、スワップ契約に含み損が生じてしまったわけです。この取引を持ち込んだのが、BNPパリバ、UBS、ドイツの各外資系証券でした。このブログでも何度か書いていますが、これらの会社は、拝金主義の象徴のような人達ですから、うまく乗せられた大学側が契約してしまったのでしょう。また、米国の大学のように、日本にはプロが運用を行っていません。経理部のようなところが、勧誘にくる証券会社の担当者と話して、実質的な投資判断を行います。言うなれば、バブル期の”財テク”と変わらないわけです。一応、教授たちにも説明しますが、彼らも学問だけで実際のマーケットを知らないので、経理担当者のほぼ思う通りに投資してしまうわけです。これはあくまで想像ですが、経理担当者に対する外資系証券からの過剰な接待などもあったかもしれません(私学ですから、公務員とは違って、接待自体は受けられますが)。いずれにせよ、少子化の下、虎の子のお金が減ったしまい、大学経営は更に厳しさを増すでしょう。ここは、きちんと、”教科書どおり”のガバナンス体制を構築して、資産運用をやり直すべきだと思います。先生なんだから、お願いしますよ。

2008年12月 6日 (土)

第222話 「分散投資の効果は消えたのか」

12月5日付けのブルームバーグ・ニュースによると、著名投資家であるジム・ロジャーズ氏は、商品相場の先行きについて、ファンダメンタルズは「損なわれておらず」、新規供給がなく不足の事態となれば、反発するとの見通しを示したそうです。同氏は「ファンダメンタルズが損なわれていないのは唯一商品相場だけで、農民は農薬を購入するための融資を得られていない。亜鉛鉱山を開発しようにも融資が得られない。そんなに遠くない時期に供給で極めて深刻な問題が起きるだろう」と指摘しています。同氏は、ずっと原油相場等、商品相場には強気の意見を持っていましたが、さすがに、ここまでの短期的な調整を予見できなかったのでしょう。WTIが昨晩40ドル近辺まで下がった状況では、同氏の強気意見が虚しく聞こえます。今回の金融大混乱は、世間では言われるように、「ディ・レバレッジ」が主因だと思っています。拝金主義が行き過ぎ、高レバレッジで収益を大きく見せることです。これが、信用システムが揺らいだことで、巻き戻しが起き、また、「Cash is King」の下、全ての投資資産を現金化する大きな流れが起きたことです。だから、分散投資が利かない、全ての資産がほぼ同時に下がる現象が起きたわけです。逆に、現状の市場は、全て、一蓮托生、商品だけが戻るとか、株式だけが戻るとか、無いと思います。現金が投資に再び振り向けられるとき、分散効果は、徐々に復活すると思われます。来年早々ぐらいには、そういう時期が来ると期待しています。

2008年12月 4日 (木)

第221話 「加速するリストラ」

12月4日付けのブルームバーグ・ニュースによると、野村ホールディングスは年度内にも英ロンドンで従業員の20%に相当する1000人規模で人員を削減する計画とのことです。旧リーマン・ブラザーズ出身者も含め、主要な収益部門や後方事務の担当者などが対象となり、買収後では初の大規模なリストラとなります。また、同じく、ブルームバーグ・ニュースは、クレディ・スイス・グループが4日、全従業員の11%に相当する5300人を削減する計画を発表したとも伝えています。ここに来て、金融部門でのリストラは加速化してきました。10%ぐらいのカットからスタートするのが普通のようですが、これで止まる気配がないので、今後は、四半期毎の決算時に結果を見て、追加リストラするような、生殺しのような時期が続くものと予想されます。銀行、証券、投資顧問、金融の中で、安全なところはありません。世界的な金融低レバレッジ化は、壮大な縮小均衡が起こっています。この流れを和らげるためには、金融業界の給与水準を引き下げるしかありません。今から消費性向を下げる、それは、危険に備える第一歩です。

2008年12月 2日 (火)

第220話 「茶番劇のビック3救済」

12月2日付けの日経ネットニュースによると、米政府に金融支援を要請中のビッグスリーが2日、追加リストラを含む再建計画を提出することとなったと伝えています。労務コスト削減や財務体質改善策などを盛り込み、危機を招いた経営陣はもちろん、労働組合や金融機関にも「痛み」を強いる内容になるとのことです。また、フォード・モーターのアラン・ムラーリー社長は、再建計画を説明する公聴会に社用ジェット機ではなく、車で向かうことを決め、ゼネラル・モーターズ(GM)のリチャード・ワゴナー会長も同じだということです。ちなみに、フォードの本社のあるミシガン州からワシントンまで車で10時間かかるそうです。しかし、何とも茶番劇としか言いようがありません。前回、自分達のKYぶりを指摘された経営者が、パフォーマンスで車で10時間かけてワシントン入り。そんな時間があるなら、経営再建のために、汗をかけと言いたくなります。話題となった自家用ジェットも、今回の使用を自粛するだけで、特に、何かするわけではありません。また、フォードのCEOも、昨年、訳19億円もらった報酬も、少しは減額で風当たりを弱めようと、小手先のことを考えているようです。私は、ビック3を救済する必要はないとまでは言いませんが、その条件として、現在の経営陣は即座に退陣させ、国が新しい経営者を送り込むといった方針が必要だと考えます。米国自由主義が、もしも、こんな形で決着したら、もう米国スタイルに追随する国はなくなるでしょう。

2008年12月 1日 (月)

第219話 「コモンズ投信」

12月1日付けのブルームバーグ・ニュースによると、独立系投信会社のコモンズ投信が、来年1月19日に公募の投資信託第1号を設定、運用を開始するとのことです。日本企業の中から、 30年という長期保有を前提に銘柄を選定することが特徴で、会長を務める渋沢健氏の高祖父で、日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一氏は「道徳経済合一説」を唱えたことで有名です。 、「世界的な競争力を維持し、長期的な価値創造をしていくことで、30年後にも世界で活躍している日本企業は存在している」といい、30年という目線で銘柄を選ぶとのことです。しかし、この環境下で、久々に、大ぼら吹きに会えた感じです。コモンズ投信がどの程度の銘柄選定能力を持っているかどうかは、現時点で何とも言えません。しかし、30年視点の銘柄選定など、ありえません。断言します。人の調査能力で、ここまでの予想はできません。今で言えば、1978年に2008年に活躍している企業を調査できますか?言い換えれば、コモンズ投信が組み入れた銘柄は、30年間入れ替えませんを一切行わないのですか?おそらく、こうした質問も、”感情的だ”と批判されるかもしれませんが、そんなことも言いたくなるような、大ぼらです。100歩譲って、30年と言うなら、世界中から探すべきです。世界の中にはそうした銘柄があるかもしれません。日本という投資対象をわざわざ絞って、こんな大ぼらを吹くなんて、また、個人投資家市場に、悪い虫が入ったきた感じです。

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