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2009年2月 8日 (日)

第263話 「ヘッジファンドの解約凍結」

2月8日付けの日経ヴェリタス17面のインタビュー記事で、米ヘッジファンドのヴァレンス・キャピタル・マンジメントが紹介されています。同ヘッジファンドは、2008年に+3%のリターンを達成したものの、同ファンドに投資するファンド・オブ・ファンズからの解約請求が止まらないため、昨年12月に解約停止を決めました。同社によれば、「本来、運用が相対的に好調なので、資金流入があってもよいのに、逆に資金流出になってしまっている。年金や財団などの長期投資の顧客を守るために、解約凍結をすることは、正しい決断だった」という内容のコメントをしています。確かに、最近、ファンド・オブ・ファンズの解約により、解約停止に追い込まれるシングル・ヘッジ・ファンドが増加しています。ファンド・オブ・ファンズの投資家は、個人や年金など自分ではシングル・ファンドまで評価できない投資家が、ゲート・キーパーと呼ばれるファンド・オブ・ファンズの運用をする会社にセット商品を作ってもらうようなものです。ところが、昨年来の金融危機で、現金化を急ぐ投資家が増加し、ファンド・オブ・ファンズを解約し、ひいては、シングル・ファンドに解約が出てきているわけです。加えて、ファンド・オブ・ファンズは、複数のシングル・ファンドの組み合わせで、かつ、その各々のシングル・ファンドが月次、四半期、半年など解約できる時期が異なっています。従って、とりあえず、解約しやすいところから解約するので、余計にいびつな事が生じているわけです。場合によっては、ファンド・オブ・ファンズ自体が解約凍結になっています。しかし、売りたいときに売れない、これは、どんな理由を並べようが信頼を失墜させるものです。本来、特定の投資家層のみが購入していたヘッジファンド。しかし、2000年初めに機関投資家と呼ばれる大量の資金が流入してから色々と変わってしまいました。加えて、マドフ事件も合わさって、ヘッジファンドの信頼は地に落ちました。今後は、どういう運用しているのか、資産管理はどうなっているのか、すべて透明にしない限り、投資家は安心して戻っていけないでしょう。「株式のショートポジションを開示すると、運用に支障が出る」などと、未だに言っている人がいますが、「であれば、運用は止めないさい」というのが、市場のメッセージだと考えます。

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