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2009年2月

2009年2月27日 (金)

第277話 「欧州通貨圏は崩壊の危機」

2月27日付けのブルームバーグ・ニュースによると、米サブプライム・ローン危機を予想して利益を上げた運用会社のヘイマンン・アドバイザーズ(テキサス州ダラス)は、欧州経済通貨同盟(EMU)が解体のリスクにさらされているとの見方を示しました。 域内最大の経済規模を持つドイツが、国内の銀行が不良債権増に苦しむなかで、オーストリアやイタリア、スペインなどの域内各国への支援よりも自国経済立て直しを優先する可能性があるとし、いずれかの国がデフォルトしドイツが統一通貨ユーロを放棄する結果につながる恐れがあると指摘しました。INGグループによれば、ユーロ圏の銀行から東欧への融資は昨年7-9月(第3四半期)に1兆3000億ドルを超え、域内総生産(GDP)の約9%以上に上っているとのことです。確かに、東欧経済の悪化は深刻です。このニュースにあるように、東欧への投資が焦げ付き、ユーロ圏諸国の一部がデフォルトのような状態に陥れば、ユーロの維持が不可能になるのかもしれません。となれば、今、起きているドルの反発。ユーロに対しては、今後も、本格的に反発、言い換えれば、ユーロ安が想定されます。それも、行き着くところまで。あると思います!

2009年2月26日 (木)

第276話 「UBSかクレディ・スイスか」

2月26日付けのブルームバーグ・ニュースによると、スイスの銀行最大手UBSは26 日、前クレディ・スイス・グループ最高経営責任者(CEO)のオズワルド・グルーベル氏をCEOに指名したと発表しましたた。巨額損失と米国での法廷闘争で失われた信頼の回復を目指すとのことです。グルーベル氏は、2年にわたり赤字だったクレディ・スイスを黒字に復帰させ、07年にクレディ・スイスを去る前、04-06年の間に同行の利益を2倍にした実績を有しています。オズワルドCEOの下、UBSは更なる人員削減を行うとのことです。しかし、さすが、外資のトップ人事です。どこかで実績のあるCEOを、それが例え、ライバルであっても連れてくるのですから。しかし、クレディ・スイスも大した金融機関ではありません。現在は、大幅な赤字で危機に直面しています。オズワルドCEOが在籍していた時期は、非常に市場環境が良かった時期であり、この歴史的不況下で、果たして、人員削減だけでUBSを立て直せるものでしょうか。そもそも、アイスランドほどではありませんが、スイスという国家規模に比して、非常に大きな金融機関であれUBSとクレディ・スイスが2行、必要なのでしょうか。言い換えれば、存続できるのでしょうか。世界規模で競い合うというのも、金融業界で起きているパラダイム・シフトで怪しくなってきた理屈です。スイスの金融機関の大きな歴史的曲がり角が来ていると考えます。オズワルドCEOは、そうした歴史的転換点で、徳川慶喜のような存在になるかもしれません。

2009年2月24日 (火)

第275話 「PKOが懐かしい」

2月24日付けのブルームバーグ・ニュースによると、 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は24日の閣議後会見で、昨日の米株式市場の下落を受け日本の株価について、「マイナスの影響があることは予想される」と述べ、株価が買い手不在の中、必要以上に下がることは好ましくないと指摘し、その上で、政府・与党で株価対策について検討していく考えを示しました。株価対策、過去も何度か取りざたされた話題です。そして思い出すのが、「PKO」。皆さん覚えてらっしゃいますか?Price Keep Operationの頭文字をとって、PKOです。これは、当時、簡保や郵貯の資金運用で、株式への配分を与えて、株価を買い支えた政策です。当時は、民営化されてませんから、政府の言うとおり動いたわけです。買い手不在ですから、それなりに効果があることもありました。しかし、小泉元総理が郵政民営化してしまいましたので、PKOは使えません。今のような状況では、民営化しなければ良かったと思っている人も、市場関係者には増えているかもしれません。政策の手詰まりの状態の中、「PKO」が本当に懐かしく思います。

2009年2月23日 (月)

第274話 「SFCGの破たん」

2月23日付のブルームバーグ・ニュースによると、中小企業対象に金融サービスを提供するSFCGは23日、東京地裁に民事再生手続き開始を申し立てて受理されました。不動産市況悪化で主力の不動産担保貸し付けの資金繰りが悪化、自助努力の再建を断念したわけですが、これは今年最大の上場企業の破たんになります。 東証で23日開示した資料によると負債総額は3380億円にのぼります。過払い金返還請求増加で経営環境が悪化していたSFCGは、不動産担保貸し付けを強化してきましたが、ここにサブプライムローン問題に端を発する金融危機が重なり、国内外の金融機関からの資金調達が困難になったことがきっかけとなりました。しかし、皆さん、SFCGは、以前、商工ローンという社名でした。90年代終わりに、結構、有名で、多くのファンドマネジャーがポートフォリオに組み込んでいました。ここの大島会長は、カリスマ経営者として有名だったので、経験の浅いファンドマネジャーもアナリストも、コロッとだまされてました。しかし、日栄などの問題で、社会問題化すると、株価も下げ、多くのファンドマネジャーは、血みどろの状態になって売らざるをえなくなりました。そして、再び、SFCGとして復活、またもや、多くのファンドマネジャーは、同じ轍を踏んだわけです。テレビでもSFCGの問題は取り上げられていましたが、どうして、こうした企業が株式市場に復活してこれるのでしょうか?また、プロと呼ばれるファンドマネジャーは何度も失敗するのでしょうか?本当に分からない日本の株式市場です。だからこそ、今の悲惨な株式市場であるのかもしれません。

2009年2月22日 (日)

第273話 「直販投信の近況」

2月22日付けの日経ヴェリタス62、63面に「直販投信 見て聞いて納得」という記事が掲載されています。最近、「ひふみ投信」や「コモンズ投信」といった新しい独立系投信の商品が登場していおり、総じて好意的な部分が多い記事となっております。ひふみ投信は、この前買収されたレオス・キャピタルが運用する投信ですhttp://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/261-da7f.html。一方、コモンズ投信は、渋沢栄一の孫の渋沢健氏の会社ですhttp://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/219-e13b.html。両社とも、長期投資を売り物に独自の路線を進もうとしています。以前、昨年、「おらが町の投信」として、やや批判的な評価を下したファンド・オブ・ファンズ投信よりかは、これらの2社の投信は、期待できるのではないかと思います。しかし、写真入りで紹介されているファンドマネジャーについてそれほどの実力の主かは疑問ではありますが。まず、ひふみ投信の立田氏。同氏は、メリルリンチ・アセット(その後、ブラックロック・ジャパン)の日本株中小型運用の責任者でした。しかし、運用結果が満足できるものではなかったのでしょうか、結局は、退職し、レオスに入社されました。また、コモンズ投信の吉野氏。キャピタル・インターナショナルの社長という肩書きを持っていた時期もありましたが、基本的には運用責任者。しかし、ここ数年、キャピタル全体で、パフォーマンスが悪化し、解約増に苦しんでいます。同氏の退職は年齢からくるものでしょうが、パフォーマンス悪化の事実は残ります。新しい挑戦をすることは悪いことではありません。しかし、過去の経歴=将来の良好なパフォーマンスではないことは理解しておく必要があります。

2009年2月21日 (土)

第272話 「金融機関に倹約の嵐」

2月20日付けのブルームバーグ・ニュースによると、金融機関に倹約の嵐が吹き荒れているそうです。ニューヨークのマンハッタンでリムジンサービス会社リモレス・ドット・ネットを経営するアレックス・マシンスキー氏は、あるバンカーがリムジン使用の料金を尋ねたときにこれに気付いたとのことです。 昨年9月に米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんするまでは、料金を聞く顧客はいなかったが、今では値引きを求め、結局タクシーを使う者すらいるということです。シティグループ傘下のプライメリカ・ファイナンシャル・サービシズは営業担当社員のバハマ旅行を取りやめ、ドイツ銀行は午後10 時以前の250ドルを超えるタクシー代を禁止、クレディ・スイス・グループが入っているビルにあるレストランでは300ドルの「グルメメニュー」が不人気だということです。しかし、つくづく思うのは、金融機関の人の異常な常識です。こうした倹約は普通の企業であれば当たり前のことで、わざわざ話題になること自体、その常識の無さを現していると思います。東京でも投資銀行で働く人は、基本的に電車は使用せず、必ずタクシーを使用します。言い分としては、タクシーの中でも仕事ができ、また、秘密で打ち合わせができるということらしいですが(運転手は聞いてますが)。そんな倹約意識無さ、特権意識が、結局、放漫経営と拝金主義を生んだのだと考えます。今、金融機関で働く人は、襟をただし、公的資金に見合う、公共性を重視した経営姿勢を示すことが必要だと感じます。

2009年2月17日 (火)

第271話 「中川大臣の辞任」

2月17日付けのブルームバーグ・ニュース他各メディアによると、中川昭一前財務相兼金融担当相は17日、麻生太郎首相に辞表提出後、財務省内で記者会見し、辞任時期を早めた理由について与野党内から即時辞任を求める声が強まったことなどから「予算・関連法案の1日も早い成立が困難になると判断した」と説明しました。あまり政治ネタは得意ではありませんが、本日の一番大きなニュースで、クリントン国務長官の来日が忘れ去れそうな状況ですから、取り上げないわけにはいきません。しかし、財務と金融を両方つかさどる大臣が辞任し、与謝野大臣が3つの兼務をするなど、正直、滅茶苦茶の状態です。昔、かのカリスマディーラーである藤巻氏が、「政治によってマーケットは影響を受けない」的な発言を覚えていますが、今回は違いのではないでしょうか。今、世界的に頼れるのは国だけになってしまいました。従って、この国が機能しないのではあれば、頼るべきところがありません。これだけ、政治空白が起きると日本経済は株価が織り込んでいる以上に悪化する可能性もあります。9月も、3月も大した差は無いので、日本経済のために、今、選挙をすることは、非常に重要な要因になったと言えます。麻生さん、いい加減、決めたら。

2009年2月16日 (月)

第270話 「マンション市況」

2月16日付けのブルームバーグ・ニュースによると、不動産経済研究所が16日に発表したマンション市場動向を発表し、2009年1月の首都圏のマンション発売戸数が前年同月比24.1%減の1760戸となったことが分かりました。 1993年8月以来、ほぼ16年ぶりの1000戸台で、17カ月連続の減少となります。一方、首都圏の販売在庫は1万1679戸と4カ月ぶりに減少し、前月末比で748戸の減少しました。在庫の処理が順調に進んでいることを示しているとのことです。このニュースだけを見ると、そろそろマンション市況も底打ちが近いかと思わせるものがありますが、果たしてそうでしょうか?私は、首都圏のマンション中古価格をYahoo不動産でチェックするのが趣味ですが、あまり値下がりを感じません。昨年のリーマンショック以降の経済の暗転に人々の気持ちが調整できていないのだと思います。まだまだ、売り出し価格は高めです。おそらく、これから、買い手がつかずに値下げを強いられると考えます。当然、中古価格に引っ張られて、新築価格も下がることになると考えます。特に、現状が在庫調整の時期でもあり、”アウトレットマンション”のように、安売りがこれからも出てくると思います。そういう観点から考えると、(新築)マンション市況は、引き続き厳しい局面となると予想します。株式市場よりも遅れるので、回復は3~4年後ぐらいでしょうか。

2009年2月15日 (日)

第269話 「401Kは年金ではない」

2月15日付けの日経ヴェリタス54面に「米401K ため息と覚悟と」という記事が掲載されています。最近の株安を受けての、米国での401K事情と人々の苦悩を紹介しています。401Kとは、確定拠出型年金と呼ばれるものです。通常、年金といえば、確定給付年金を指します。すなわち、将来もらえる年金(これを給付といいます)が確定している(事前に決まっている)年金なので、「確定給付」というわけです。一方、確定拠出年金は、将来年金のために今、積み立てる掛け金(これを拠出といいます)の金額が決まっている年金なので、「確定拠出」というわけです。確定拠出年金の場合、運用方法は従業員が決め、株式が多い人、少ない人など、運用結果がばらばらになります。従って、拠出金額が同じでも、運用結果によって、将来受け取れる年金額が個人間で変わってきます。米国の場合、株式投資に対する信奉が強いので、この株安で積み立てた資産額が目減りし、老後の生活設計に大きな影響が出ています。そもそも、401K、確定拠出年金は、「年金」と呼んでよいものなのでしょうか?年金は、老後の給与のような意味合いで、定期的、かつ継続的にもらえるようなものでないといけないと、私は定義しています。確定拠出年金は、その定義を完全に満たしていません。これは、単なる給与の上乗せ部分を強制的に運用させているだけの、単なる従業員の資産形成促進制度です。すなわち、財形貯蓄と似たようなものとなります。従って、年金ではないと考えるべきで、あなたの勤めている企業が確定拠出年金を採用した場合、これは、「もう年金制度は無くなったんだな」と思って下さい。企業がこうした方向に進めば進むほど、労働者は、公的年金も企業年金も、信頼できなくなり、生活防衛に走り、消費を抑制していく、負の連鎖となります。今、賃下げなどを検討している企業が多いと聞きますが、賃下げするのであれば、同時に、確定給付年金制度は復活ないしは、充実しないと、自分で自分の首を絞めることとなると考えます。

2009年2月13日 (金)

第268話 「AIGビルの売却」

アサヒ・コムのニュースによると、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が東京・丸の内のAIGビル(地上15階、地下4階)の売却を決めたそうです。築後35年だが、皇居をのぞむ超一等地にあり、売却額は10億ドル(約900億円)程度を想定しています。売却益は米政府から受けた融資などの返済にあてるようです。しかし、AIGビルは、古いビルですが、皇居前で外資の象徴のようなビルの始まりだったような気がします。この辺りは、ビルの建て替え時期にあって、隣のJFE(昔の日本鋼管)ビルも取り壊されています。また、更にその隣のパレスホテルも近々、建て替え工事に入る予定です。AIGビルが誰の手に渡るのか分かりませんが、場合によっては再開発の対象になるかもしれません。すると、AIG、JFE、パレスホテルの一角は、全く新しいビルが立ち並ぶことになります。AIGという巨大破綻を忘れるには、そうした全く新しいビルもよいかもしれません。

2009年2月12日 (木)

第267話 「メリルによる駆け込み賞与払い」

2月12日付けのYomiuri Onlineニュースによると、米金融大手メリルリンチが巨額損失を発表する直前の昨年12月、幹部社員696人に1人あたり100万ドル(約9000万円)を超すボーナスを支給していたことが11日、ニューヨーク州の司法当局の調査で明らかになりました。支給総額は36億ドル(約3200億円)にのぼり、上位の幹部4人には計1億2100万ドル(約109億円)が支払われたそうです。通常なら1月に支給される時期を「ひそかに繰り上げて」(同州のクオモ司法長官)支払ったとみられており、州当局は、損失公表前にボーナス支給を強行した疑いがあるとみて調査を進めています。またまた、拝金主義者のスキャンダルです。しかし、ここまで”さもしい”人間だと、あきれて、笑ってしまいます。大赤字で公的資金が必要、でも、議会の圧力でボーナスがもらえなくなるので、早くもらってしまいましょう。こんな発想しているのが、ウォール街のエリート、MBAまでとったエリートなのでしょうか。情けない話です。近いような話は、よく聞きます。例えば、同じく国有化状態にあるAIG。ここの東京で働く人の噂では、以前と給与もボーナスも変わらないとのことです。事の真偽は知りませんが、可能性はあると感じます。かつて、日本でも、あおぞら銀行が、国有化後、世論を気にして、賃下げをして、1年も経たないうちに、元の水準に戻したと、そこで働く友人から聞いたことがあります。金融業界、どん底です。

2009年2月11日 (水)

第266話 「新たな金融安定化策」

2月11日付けの日経ネット・ニュースによると、10日の米株式相場は大幅に続落し、ダウ工業株30種平均は前日比381ドル99セント安の7888ドル88セントで終えました。ガイトナー米財務長官が新たな金融安定化策を発表、官民共同の投資ファンドを新設し最大1兆ドルの不良資産を購入することなどが示されましたが、買い取り価格の決定方法など不透明な部分が多いと受け止められ、失望売りが膨らんだようです。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言で、新たな資金供給策に関し詳細が示されなかったことも売りを誘ったようです。相変わらず、米国株式市場のボラティリティは高いですね。しかし、冷静に考えて、このニュースは悪い内容でしょうか?買取価格の決定方法が不透明など、あまり意味がありません。この時点で、財務長官が細かい買取価格の決定方法まで説明する方が変です。すなわち、売りが仕掛けられたと考えるのが自然でしょう。不良債権をバランスシートから切り離すのは、重要な第一歩です。それが見えたわけですから、悪いニュースとはとても思えません。別に、ポジショントークで上がって欲しいと思っているわけではありませんが、少なくとも、”売り”のニュースとは思えなかったもので、書きました。

2009年2月10日 (火)

第265話 「あおぞら銀行、やっぱり二度目の死」

2月10日付けのYomiuri Onlineのニュースによると、あおぞら銀行は10日、2009年度内にも信託銀行や地域金融機関など国内の金融機関との経営統合を検討する方針を明らかにしました。同日発表した09年3月期連結決算の税引き後利益の業績予想は、投資損失の計上で08年11月に見込んだ270億円の赤字から1960億円の赤字に大幅に下方修正し、今後、再編をてこに抜本的な経営改革を進めとのことです。あおぞらは、公的資金の資本注入を受けて自己資本が潤沢な反面、資金調達に悩んでおり、「流動性が潤沢な地域金融機関や信託銀行」(徳岡国見副社長)を統合対象に再編を進める方針だそうです。住友信託銀行と不動産事業などで提携しており、親密金融機関などを中心に幅広く統合を呼びかけていくとみられます。このニュース、やっぱりという感想です。このブログの第153話で同行は二度目の死を迎えることになるのではとコメントしましたが、そのような状況です。http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/153-1860.html

しかし、公的資金が入っているので、自己資本が潤沢というコメントはいただけません。これって、「公的資金の持参金付きですから、誰か自己資本が少なくて困っている人、結婚してくれませんか?」と言っているのと同じではないでしょうか。本当に、公的資金で延命させてもらいながら、再び、自分のお金のように、また、自己保身、延命を図るのに使用しようとしているようです。どうしようもない歪んだ経営です。そもそも、生きるべき銀行でなかったものをこうした延命をしたことが失敗であったと政府は認めるべきです。公的資金を返さないうちに、二度目の衣替えは許せません。今話題の、高級官僚の渡りのような感じがするのは、私だけでしょうか。

2009年2月 9日 (月)

第264話 「かんぽの宿(続編)」

2月9日付けのブルームバーグ・ニュースによると、オリックスの浦田晴之副社長は9日の決算発表会見で、日本郵政が「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却を事実上凍結した問題に関連し、「返事を待っている状態。それ以上でも以下でもない」と述べ、事態を静観していく構えを示しました。入札の経緯については「極めて透明性の高いディールだった」とし、求められれば資料開示などに応じる方針とも示しました。 日本郵政は昨年12月、宿泊・保養施設「かんぽの宿」70施設と社宅をオリックス不動産に約109億円で一括譲渡する契約を締結しましたが、鳩山邦夫総務相は、オリックスの宮内義彦会長が郵政民営化の推進役だったことを挙げ、入札手続きが「不透明で国民が納得しない」などと不許可の意向を示し、日本郵政の西川善文社長は契約の凍結や白紙撤回を示唆しています。以前にも、このブログで取り上げましたが、完全に、この案件、袋小路に入ってしまいました。もう元に戻ることはありませんし、このかんぽの宿、採算が取れる数少ない宿以外は、塩漬けになることが決まったと言えるでしょう。この金融情勢で、これら70施設を買って運営できる会社は、一杯あるとは思えません。加えて、今回の入札(?)が不透明だと言いますが、そもそも今言われているように、国民の財産たるものを訳の分からない会社に入札金額が高いだけで売ってよいものでしょうか。透明な入札=正しいこと、などというお粗末な考えでよいのでしょうか。金融情勢、経済情勢は、まだ悪化していくことが予想されますので、塩漬けの宿を国民負担で営業していくことでしょう。まだ、郵政の株式は国が保有しているのですから。残念。

2009年2月 8日 (日)

第263話 「ヘッジファンドの解約凍結」

2月8日付けの日経ヴェリタス17面のインタビュー記事で、米ヘッジファンドのヴァレンス・キャピタル・マンジメントが紹介されています。同ヘッジファンドは、2008年に+3%のリターンを達成したものの、同ファンドに投資するファンド・オブ・ファンズからの解約請求が止まらないため、昨年12月に解約停止を決めました。同社によれば、「本来、運用が相対的に好調なので、資金流入があってもよいのに、逆に資金流出になってしまっている。年金や財団などの長期投資の顧客を守るために、解約凍結をすることは、正しい決断だった」という内容のコメントをしています。確かに、最近、ファンド・オブ・ファンズの解約により、解約停止に追い込まれるシングル・ヘッジ・ファンドが増加しています。ファンド・オブ・ファンズの投資家は、個人や年金など自分ではシングル・ファンドまで評価できない投資家が、ゲート・キーパーと呼ばれるファンド・オブ・ファンズの運用をする会社にセット商品を作ってもらうようなものです。ところが、昨年来の金融危機で、現金化を急ぐ投資家が増加し、ファンド・オブ・ファンズを解約し、ひいては、シングル・ファンドに解約が出てきているわけです。加えて、ファンド・オブ・ファンズは、複数のシングル・ファンドの組み合わせで、かつ、その各々のシングル・ファンドが月次、四半期、半年など解約できる時期が異なっています。従って、とりあえず、解約しやすいところから解約するので、余計にいびつな事が生じているわけです。場合によっては、ファンド・オブ・ファンズ自体が解約凍結になっています。しかし、売りたいときに売れない、これは、どんな理由を並べようが信頼を失墜させるものです。本来、特定の投資家層のみが購入していたヘッジファンド。しかし、2000年初めに機関投資家と呼ばれる大量の資金が流入してから色々と変わってしまいました。加えて、マドフ事件も合わさって、ヘッジファンドの信頼は地に落ちました。今後は、どういう運用しているのか、資産管理はどうなっているのか、すべて透明にしない限り、投資家は安心して戻っていけないでしょう。「株式のショートポジションを開示すると、運用に支障が出る」などと、未だに言っている人がいますが、「であれば、運用は止めないさい」というのが、市場のメッセージだと考えます。

2009年2月 5日 (木)

第262話 「GPIFによる不動産ファンド投資」

2月5日付けのブルームバーグ・ニュースによると、三菱地所など不動産株、ジャパンリアルエステイト投資法人などREIT(不動産投資信託)が5日のマーケットで上昇しました。公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2010年度から不動産ファンドに投資する方向で検討を開始したと報じられたことを受け、投資資金の流入期待から買いが先行しているためです。5日付の日本経済新聞朝刊によると、GPIFは2010年度から不動産ファンドに投資する方向で検討を開始、株や債券以外に運用リスクを分散するのが狙いということです。厚生労働省は5年ごとに見直す公的年金の予想運用利回りを現行の名目3.2%から引き上げる方針で、国内債券に偏った資産構成を見直す必要に迫られている、と報じています。実際の投資に際しては、数百億円から数千億円で投資を始める見通しということです。このブログでもJ-REITへの投資を考えるべき時にあると述べてきましたが、その意見を支える内容で心地よいです。こうした公的資金は、分散投資目的という理由を使わないと何も新しいをことを始めることができません。しかし、分散目的なら不動産ファンド投資は、分散が有効とは必ずしも言えません。株式との相関は高いですし、金利との相関も高いという特徴があります。従って、分散ではなく、バリュー(価値)があるタイミングというのが、本音なわけです。実物資産こそ、この不透明な世の中で信頼できる投資対象だと思いませんか。

2009年2月 4日 (水)

第261話 「レオス・キャピタル」

2月4日付けのブルームバーグ・ニュースによると、外国為替証拠金取引(FX)や証券事業を展開するISホールディングスが、独立系投信投資顧問レオス・キャピタルワークスを買収することになったそうです。第三者割当増資を引き受けて株式の過半数を取得、運用業務に参入します。。世界的な金融危機で運用業界にも合併・買収(M&A)の波が押し寄せてきたと評しています。レオス創業者の藤野英人社長は取締役を退任、最高投資責任者(CIO)になったそうです。なお、レオスが投資助言する公募投信「レオス日本成長株ファンド」の純資産額は昨年12月末で7億1400万円に、基準価額は昨年40%下落しました。また、資産額は2006 年には30億円を超えていましたが、昨年10月に出した初の公募投信「ひふみ投信」の純資産額は昨年12月末で2億4900万円と、委託会社別公募投信の残高で79社中72位と苦戦していました。この藤野さんは、ITバブル時にそれなりに有名になったファンドマネジャーです。当時、ジャーディン・フレミングで運用担当者だった同氏は、特に小型株の発掘で有名となり、また、トイレが汚い会社はダメとか、独自の法則を本で紹介したことでも有名です。しかし、当時、光通信の株投資に絡み、色々と噂も流れ、同社を退職、ゴルードマン・サックスの投信会社に転職し、「一寸法師」という小型株投信の運用を行いました。しかし、小型株下落で、投信自体が本当に一寸法師になってしまいました。その後、独立して、レオス・キャピタルを立ち上げたわけですが、やはり、2006年以降の小型株下落で、こうした状態に陥ったわけです。小型株とは、変動性が高く、銘柄を当てるとカリスマ性を強調できます。タワー投資顧問の運用部長も同じです。しかし、結局、長くそうしたファンドマネジャーがうまくいったのを見たことはありません。投資家は、相場の神様のように考えず、冷静にその実力を見極める必要があります。

2009年2月 2日 (月)

第260話 「バッドバンク構想」

2月1日付けのブルームバーグ・ニュースによると、ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授は、金融機関の不良資産を買い取る「バッドバンク」の設立をオバマ米大統領が決定すれば、国家の負債を膨張させるリスクがあるとの懸念を示しました。同教授は、ダボス会議のパネル討論会で、この構想は納税者の「カネをがらくたと」交換する結果に終わると述べ、「不良資産に大金を払うべきではない。問題となるのは国家の債務であり、この管理は極めて難しい」と指摘しました。私は、この意見には反対です。お金をがらくたと交換するとありますが、これは妥当ではありません。バッドバンクに移すときは、当然に時価でないといけません。時価であれば、がらくたと簡単には決めつけれられません。適正な時価を算出し、どれだけの損失を抱えているかを把握する厳格査定の必要性は、繰り返し述べてきました。日本での経験を学ぶと口では言いますが、アングロサクソンが日本など学ぶ気の無い証拠のようなニュースだと感じました。

2009年2月 1日 (日)

第259話 「不況期の資格ブーム」

2月1日付けの日経ヴェリタス62、63面に資格取得に関する記事が掲載されています。ここでは、主に金融系の資格である証券アナリストやテクニカルアナリスト、そしてMBAの資格取得について紹介しています。不況期の今、資格があると転職に有利に働く場合があるようなニュアンスで書かれています。確かに、不況になり、雇用情勢が不透明になると資格ブームが起きます。TACなどの予備校にとっては、美味しい時期です。しかし、本当にこうした資格が転職等に有利に働くのでしょうか?たとえば、証券アナリスト。日本証券アナリスト協会のHPによると、昨年度の試験までの累計で2万7千人強の合格者を輩出しています。これは、運用会社等の金融会社に働くものにとって、持っていて当然の資格と言えます。逆に持っていない人は変わり者ぐらいの印象です。すると、採用にあたって、必要条件ではあるが、十分条件ではなくなります。次に、テクニカルアナリストはどうでしょうか?これは、相当にマニアック過ぎて、とても転職に有利とは言えません。最後に、MBAはどうでしょうか?これは、転職云々よりも、非常に高級な自分への投資という位置づけです。これによって、起業などへの下準備やネットワーク作りなど、いろいろと自分の価値を再認識する上で、意味のあるものでしょうが、すべては自分次第ということです。MBAを持っているから転職に有利という簡単なものではありません。結局、不況期の資格取得は、短期的なはっきりした目的(就職の条件になっているとか)以外、お勧めできません。資格は、好況時に、他の人よりも有利な条件を得るための材料であると思っています。今、それよりも、本来の仕事に時間を多く費やしたり、本を多く読むことで教養と将来を考える力をつけることが重要ではないでしょうか。

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