« 第279話 「米国弱気相場は、あと2年続く?」 | トップページ | 第281話 「日本売り」 »

2009年3月 4日 (水)

第280話 「社債市場の行方」

3月3日付けのブルームバーグ・ニュースによると、2月の米国社債相場は昨年10月以来で初の下落となったそうです。年初来で総額5740億ドル(約56兆1000億円)の新規発行と米経済の悪化、世界の金融機関救済コストの増大などが影響し、メリルリンチのUSコーポレート・アンド・ハイ・イールド・マスター指数は、2008年11月-09年1月の3カ月間で8.8%上昇していた後、2月に1.9%下落しました。 リーマンが破たんした昨年9月に比べれば環境は改善したものの、社債スプレッド(国債との利回り格差)は昨年11月以来のペースで拡大し、07年7月に信用危機が始まる前の5倍に近い水準にあります。 フェデレーテッド・インベスターズの債券市場ストラテジスト、ジョゼフ・バレストリノ氏は「巣ごもりに戻るときだ」として、「外に明るい光は見えない。これは世界的リセッション(景気後退)だ」と話しています。リーマンショックで、世界の短期金融市場は大混乱に陥りましたが、世界の中央銀行が大量に資金を供給したおかげで、短期市場は回復しました。しかし、社債市場は全く回復を兆しが見えません。私は、昨年11月のある会合での講演で、「株式市場が本格的に回復するかどうかは、社債市場のスプレッドの改善にある」と説明しましたが、残念ながら、まだ、その兆候がありません。企業にとって資金調達が絶たれた状態で、成長など達成しえませんから、成長を買う株式市場に明るさは戻りません。一方、投資家にとって、同じ会社が発行するのであれば、株式よりも社債に投資することは、合理性があります。社債の方が優先的に資金回収できるわけですから。また、現在の社債スプレッドを考えると、株式ほどのリターンさえも期待できます。世界的に株式保有比率の引き下げ傾向が続いていますが、その分、社債に投資する傾向が出てくるのではないでしょうか。

« 第279話 「米国弱気相場は、あと2年続く?」 | トップページ | 第281話 「日本売り」 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512329/44245837

この記事へのトラックバック一覧です: 第280話 「社債市場の行方」:

« 第279話 「米国弱気相場は、あと2年続く?」 | トップページ | 第281話 「日本売り」 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ