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2009年3月 9日 (月)

第283話 「バリュー投資の父」

3月9日付けのブルームバーグ・ニュースによると、割安な銘柄に投資するバリュー投資の父と称され、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が師と仰いだベンジャミン・グレアム氏が生きていたなら、S&P500種株価指数が過去1年5カ月で56%の下落を演じたものの、米株式相場は依然として割高だと言うだろうと評しています。グレアムは株価の評価尺度となる企業収益のひずみを平たん化するため、10年間の利益を評価に使用しました。エール大学のロバート・シラー教授によると、この手法に基づくS&P500種のPERは現在13.2倍。1929年以降の最も深刻な3回のリセッションの底では、PERは10を下回っており、その水準に達するにはS&P500種はあと27%下落する必要があるとのことです。確かに、グレアム・ドット流のバリュー投資では、割高と評される可能性はあるでしょう。この理論では、十分な安全マージン(理論的な株価よりも、十分に割安な状態にある割合)が必要だからです。加えて、こうした景気後退の局面で、この投資理論は効果を発揮するのも多いという経験論もあります。投資マネーがリスク回避度を高めており、安全マージンを求めているなら、27%割高部分の調整を覚悟する必要もあると考えます。しかし、リスク回避度とは非常に曖昧で、かつ経済政策などで変わりうるものであるので、ここは動態的に判断する必要があります。固定的な尺度や見通しで、このボラティリティの高い市場を乗り切れないと考えるからです。

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