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2009年3月

2009年3月30日 (月)

第295話 「生命維持装置で生きるGM」

3月30日付けの日経ネットニュースによると、米政府は30日、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーへの追加支援について発表します。両社の再建計画を「実現可能性が低い」と拒んだうえで見直しを要求し、つなぎ資金としてGMには運転資金60日分を提供、クライスラーには30日以内にイタリア・フィアットとの提携合意を求めるとのことです。しかし、この案件、昨年末からずっと続いており、ブッシュからオバマに大統領が変われば、米国自動車業界を助けてくれると思われたのが、前進しているように全く見えません。そもそもは、GMなど、もう破綻しているものを、破綻処理と呼ばずに、救済だとか、再建だとか、詭弁を弄するから、こうして迷走しているのでしょう。一方、リーマン・ショックでつぶすと、政府は市場への影響を読み間違えたと、また、非難されてしまう。これが、現状ではないでしょうか。これで、つなぎ融資で問題先送りとなれば、更に、事態は悪化することが予想されます、今のように右肩下がりの状態では。政府は、三方一両損の考えで迅速に対処してもらいたいものです。ここでの三方とは、株主、労働組合、そして、国民です。

2009年3月29日 (日)

第294話 「CTAファンド」

3月29日付け日経ヴェリタス59面に、「CTAファンド、富裕層が関心」という記事が掲載されています。主に先物市場に投資するCTA運用を組み入れた投資信託の設定が相次いでいるようです。3月には大和証券と三菱UFJ証券がそれぞれ募集した他、4月には岡三アセットマネジメントが設定するとのこと。先物市場での売りと買いを組み合わせた投資手法を採用するCTAは、下げ局面で底堅さを発揮し、資産分散の一つとして富裕層を中心に関心を呼んでいるとのコメントです。このCTAファンドは、商品先物で運用するようなイメージがあります。しかし、実際には、商品先物だけではなく、株式、債券、通貨などの先物も使用することから、ヘッジファンドのマクロ運用とあまり大差がありません。あえて、言えば、CTAファンドは、順張り的な運用が主流です。上げ相場や下げ相場の流れに乗ることで、どんな時でも高いリターンを達成するという目標です。ここでは、富裕層向け商品が取り上げられていますが、最近では、年金基金も多く、CTAファンドに投資しています。やはり、ほとんどの商品がマイナスだったことから、過去プラスの運用実績を残したこのファンドに飛びついているわけです。しかし、年金の世界でのジンクスがあります。それは、「年金が投資し始めたら、終わりに近い」というものです。順張りで運用商品を選ぶと良かった時期の最後をつかんでしまうという意味で、年金は何度も経験してきたわけです。従って、CTAファンドもそうした状況になるかもしれません。実際、CTAファンドは、市場の変動性に投資するものだ(”ボラティリティの買い”)と言い換えられますので、現在、市場変動性が収束過程にある中、普通のリターンになってしまうかもしれません。先が長くないかもしれないので、期間限定で投資するのであれば、お勧めです。

2009年3月26日 (木)

第293話 「三菱UFJ/モルガン証券の誕生?」

3月26日付けのブルームバーグ・ニュースによると、三菱UFJフィナンシャル・グループと米大手銀モルガン・スタンレーは26日、2010年3月末をめどに、日本で営業するそれぞれの傘下証券を経営統合すると発表しました。三菱UFJは投資銀行業務を得意とする米社との提携を通じて、野村ホールディングスなど内外の大手証券との競争力の強化を図る考えです。 発表によると、統合するのは三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー証券(日本法人)で、新会社には三菱UFJが60%、モルガンが 40%出資。社長は三菱UFJ、会長はモルガン側が指名します。ついに公式に発表された統合です。これにより、野村、大和に次ぐ大手証券が誕生します。しかし、実際にうまくいくでしょうか?三菱UFJ証券は、三菱証券とUFJつばさ証券が合併してできた会社です。すなわち、三菱の人材と旧UFJの人材が混在しています。人材の融合は必ずしも円滑に行われていないというのが世間の評判です。ここに米国投資銀行の象徴のようなモルガンスタンレーの人材が加わるわけです。ちょっと想像しただけでどうなるのだろうと思います。加えて、報酬水準が異なりすぎます。モルガンスタンレーであれば、数千万、数億円の報酬を得ている人材もいるでしょうが、三菱UFJは日本のサラリーマンで、格差が激しすぎます。実際、リーマンの人材を受け入れた野村證券では、収入格差で社員間の不満が蔓延しているとの噂です。規模を求めたこの合併、マーケット縮小の時代には、あだ花のように思えます。

2009年3月25日 (水)

第292話 「HSBCのリストラ」

3月25日付けのブルームバーグ・ニュースによると、英銀HSBCホールディングスは 25日、英国で約1200人を削減する計画を明らかにしました。同行は2日、米部門の従業員を6100人減らす計画を発表しており、また、英国では昨年11月に約500人を削減済みです。グローバル銀行・市場部門では同年9月に1100人を減らしています。同行は英政府の支援は受けず、125億ポンドの株主割当増資を計画しています。一方、ゴールドマンサックスは、公的支援の返済を検討しているとの報道も別途ありました。このように、銀行支援策がほぼ出揃うなか、自力での生き残りか、公的支援かの二極化が進んできています。HSBCのリストラは、一見すれば、業況の厳しさを再確認するものではありますが、自力での生き残りが可能であることのとりあえずの主張とも読めます。ゴールドマンも引き続きリストラを行っていくでしょう。このように、はっきりした道筋が見えてきたわけですから、このニュースは、前向きに受け止めるべきだと考えます。

2009年3月23日 (月)

第291話 「金融株の底入れ」

3月23日付けのブルームバーグ・ニュースによると、米社債市場で銀行破たん懸念が強まりつつあることから、今月の米金融株の過去最大の上昇が危うくなっているとのことです。すなわち、 S&P500種金融株指数は6日の17年ぶり安値から最大54%上昇したものの、メリルリンチ指数によると同金融銘柄の社債の米国債に対する利回りスプレッドは8.55ポイントと、過去13年で最大の水準となっているというのです。金融株の急騰にもかかわらずスプレッドは拡大したことが、更なる株式市場の下落を示唆するのか?、それとも逆に底入れを意味するのか、議論が分かれているようです。さあ、どっちに一票を入れるか?私は、希望的観測も含めて、底入れサインと考えます。社債市場は現在完全に死んでいます。相対で取引される社債は、投資銀行なのがある程度自社でのポジションを持たないと流動性を維持できません。しかし、現在、そうしたポジションは非常に限定的ですし、デリバティブを使ったヘッジ手段の活用も容易ではありません。結果として、仮に、金融セクターが回復してきたとしても、流動性の高い株式市場から回復することは道理だと考えます。今晩、ガイトナー財務長官が、バットバンクの具体的な内容を示すそうです。発表後、また、失望売りが出るとの見方をする人もいますが、遮二無二に対応する米国政府の政策に前向きな反応が出てもおかしくない時期です。

2009年3月17日 (火)

第288話 「AIGのボーナス問題」

ロンドンにて、テレビをつけるとニュースでは、AIGが多額をボーナスを払ったことに、オバマ大統領もサマーズさんも非常に怒っている姿が頻繁に報道されています。日本では、これほどの報道になっているだろうか?と思うぐらいに、AIG批判の報道です。詳細は、分かりませんが、巨額の公的支援を受けながら、ボーナス払いは、常識的には考えられないことです。法的に支払わなければならない、云々の議論があるようですが、実質倒産している会社で、言語道断です。だから、金融機関は嫌われるのでしょう。拝金主義はまだ消えていません。ロンドンの運用機関は、総じて、楽観的な雰囲気です。成功している運用機関に訪問しているかもしれませんが、危機感は感じられません。英国年金の動きもコンサルタントにヒアリングしましたが、「ここは我慢で、株式市場が回復するのを待っている」という内容でした。ちょっと、拍子抜けです。

2009年3月13日 (金)

第286話 「短期的センチメントの改善?」

3月13日付けのブルームバーグ・ニュースによると、香港株式相場は4日続伸。1カ月ぶりの長期にわたる連続高となりました。米銀バンク・オブ・アメリカの業績見通しなどを好感し、銀行株が上げました。大福アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ダニー・ヤン氏は「最悪期が過ぎたかどうかを判断するのは時期尚早だが、短期的なセンチメントに改善の兆候が見られるのは確かだ」と話しています。東京株式市場も大幅続伸、米国株式市場など世界の株式市場は、少し良くなっています。シティやBOAが1月~2月の業績見通しが改善していることや、いくつかの経済指標が予想以上に良いものであったことを素直に好感しました。「素直に好感する」、このコメントが重要です。下げすぎた、売りすぎたという状態に市場があったということの証明です。短期的なセンチメントの改善かと聞かれれば、そうです、と答えるような状況です。一つ注目するのが、恐怖指数とも呼ばれるVIX指数です。これが、40近くまで下がってきており、30台にまで低下しそうだということです。また、このVIX指数のチャートと社債のクレジットスプレッドのチャートを見ると、ほとんど同じような動きとなっています。すなわち、信用市場も落ち着きを取り戻しつつあり、スプレッドが縮まると、更に、株価には良い知らせとなります。落ち着いた気持ちの良い春を迎えられそうな予感がします。

2009年3月11日 (水)

第285話 「どこまでも強欲なバンカー」

3月11日付けのブルームバーグ・ニュースによると、金融サービス業界に働く者への風当たりは強いものの、何人かのバンカーは少しも揺るがず、組織が犯した行き過ぎについて責任を負うことを拒んでいるとのことです。例えば英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ前CEOのフレッド・グッドウィン氏。同行を破滅の淵(ふち)に追いやった同氏だが、企業年金の権利放棄を求める強い世論に断固として抵抗しているそうです。 ドイツの証券会社ドレスナー・クラインオートの従業員たちも、同社が納税者によって救われた後でも、ボーナス支払いを求め法廷で争うつもりとのこです。これらの行為を同ニュースでは、「現実逃避」と皮肉っています。すなわち、自分達の過去を否定するような行為はしたくない、会社が悪いことをしたが、個々の従業員は悪いことはしていない、との考え方です。誰でも分かることが分からない、金は、やはり欲しい、こんな利己的、そして強欲な考え方が金融界に蔓延していたわけで、これが解決しない限り、本当の金融界の復活はないと思います。日本でも、強欲金融マンは一杯います。しかし、今年、日本では、外資系金融機関の業務大幅縮小、ないしは撤退という、金融地図の大幅な塗り替えが起こると考えられます。1年後は、全く異なる世界が待っていることでしょう。

2009年3月10日 (火)

第284話 「金融庁の豹変」

3月10日付けのブルームバーグ・ニュースによると、金融庁は10日、大手行などに貸し渋りや貸しはがしの実態を検証する集中検査を4月から6月にかけて実施すると発表しました。金融混乱の深刻化で資金繰りが悪化した企業に必要な資金を供給できるよう政府として促す意向です。この3月末の状況も検査対象とするため、年度内の効果が期待できるとみているようです。 中小企業向けに加え、社債やCPの発行が難しくなっている中堅・大手企業への融資が適切に行われているかなどを検証し、検査の結果、著しく悪質な場合は行政処分を発動するそうです。しかし、驚くべき豹変です。ちょっと前まで、厳しい監視をし、特に、不動産ファンドやノンバンクへの貸し出しを徹底的にチェックし、銀行に貸し出しを実質的に制限させていたのは、金融庁検査です。加えて、理不尽な検査も横行していて、ある地銀の担当者から聞いた話では、J-REITに投資すると、「あなたは、投資していビルをちゃんと見に行ったのか?」ということを平気で言ったそうです。金融庁検査は、一種の実績評価になっていて、どれだけ指摘してきたかの数を評価されるとのことです。その結果、こうした言い掛かり検査が登場したと思います。「官製不況」という言葉がありますが、金融庁検査も、金融不況を起こしたひとつの大きな原因ではないでしょうか。それが、突然、「貸せ、貸せ」というのも、可笑しな話です。そのうち、「貸すな、貸すな」と変わりそうで、銀行も本当に信じてよいか、判断に迷っていると思います。恐るべし、官製不況。

2009年3月 9日 (月)

第283話 「バリュー投資の父」

3月9日付けのブルームバーグ・ニュースによると、割安な銘柄に投資するバリュー投資の父と称され、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が師と仰いだベンジャミン・グレアム氏が生きていたなら、S&P500種株価指数が過去1年5カ月で56%の下落を演じたものの、米株式相場は依然として割高だと言うだろうと評しています。グレアムは株価の評価尺度となる企業収益のひずみを平たん化するため、10年間の利益を評価に使用しました。エール大学のロバート・シラー教授によると、この手法に基づくS&P500種のPERは現在13.2倍。1929年以降の最も深刻な3回のリセッションの底では、PERは10を下回っており、その水準に達するにはS&P500種はあと27%下落する必要があるとのことです。確かに、グレアム・ドット流のバリュー投資では、割高と評される可能性はあるでしょう。この理論では、十分な安全マージン(理論的な株価よりも、十分に割安な状態にある割合)が必要だからです。加えて、こうした景気後退の局面で、この投資理論は効果を発揮するのも多いという経験論もあります。投資マネーがリスク回避度を高めており、安全マージンを求めているなら、27%割高部分の調整を覚悟する必要もあると考えます。しかし、リスク回避度とは非常に曖昧で、かつ経済政策などで変わりうるものであるので、ここは動態的に判断する必要があります。固定的な尺度や見通しで、このボラティリティの高い市場を乗り切れないと考えるからです。

2009年3月 8日 (日)

第282話 「根拠なき悲観」

3月8日付け日経ヴェリタス54面の市場温度計に、「ちらつく根拠なき悲観の芽」というコメントが掲載されています。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、GEのCDSの保証料率がロシアを上回ったことを例示しています。すなわち、市場は、GEの支払い能力は、ロシアより下だと言っているのが、根拠なき悲観に陥っている動きではないかと指摘しています。確かに、こうした話は多く聞きます。たとえば、年金運用業界の方と話した時、最近、年金では、「分散投資が利かなくなった」などの話題が絶えないとのことです。ここ1~2年、殆どすべての資産のリターンがマイナスだったので、分散投資しても意味なかったということです。これも根拠なき悲観です。人は、最近に起きたことに影響を大きく受ける傾向にあります。GMを始め、米国製造業の悪化を見て、GEがロシアより悪く見える、最近同時にマイナスリターンなので、分散は利かないなど、非常に短い期間だけの事象で判断を下す、これは心理状態としては理解しますが、非常に危険な考え方です。セリング・クライマックスとは、そうした根拠なき悲観がほぼ全体に広がったときに、起こる事態です。しかし、金融でも非常にマーケットに近い人にとっては、相当に根拠なき悲観は広まっていますが、前回も書きましたが、まだ、全体とは言い切れない状態です。もう少し時間が必要かもしれません。

2009年3月 6日 (金)

第281話 「日本売り」

3月4日付けのブルームバーグ・ニュースによると、英資産運用会社スコティッシュ・ウィドウズ・インベストメント・パートナーシップは、日本の経済状況の悪化を理由に、これまで主な投資対象としていた円資産の保有を2割削減したそうです。同社は債券・為替投資で420億ポンド(約5兆9000億円)相当の資産運用を手掛けていますが、この1カ月間で自社の主力投資商品における円資産の配分を従来の 30%から24%に引き下げたことを明らかにしました。一方、ドルについては30%から36%に引き上げたということです。同社のコメントとしては、最近の日本はひどすぎる、というものでした。しかし、確かにひどすぎます。特に政治は、壊滅的です。国策捜査かどうか知りませんが、自民も民主も何をやっているのでしょうか。加えて、かんぽの宿で調子づいた大臣は、ビル建て替えさえ、介入してくる始末。もうあきれてしまいます。しかし、それでも、米国の方が深刻だと思うのですが。米国は、デフレ、銀行国有化という日本が失われた10年で経験したことを本当に深刻に考えていないと思います。まだ、楽観論が漂っている感じです。従って、これから更に予想以上に悪化した実体経済が現実化してくるのではないでしょうか。だから、今の円安は、とりあえず一時的な動きに思えます。

2009年3月 4日 (水)

第280話 「社債市場の行方」

3月3日付けのブルームバーグ・ニュースによると、2月の米国社債相場は昨年10月以来で初の下落となったそうです。年初来で総額5740億ドル(約56兆1000億円)の新規発行と米経済の悪化、世界の金融機関救済コストの増大などが影響し、メリルリンチのUSコーポレート・アンド・ハイ・イールド・マスター指数は、2008年11月-09年1月の3カ月間で8.8%上昇していた後、2月に1.9%下落しました。 リーマンが破たんした昨年9月に比べれば環境は改善したものの、社債スプレッド(国債との利回り格差)は昨年11月以来のペースで拡大し、07年7月に信用危機が始まる前の5倍に近い水準にあります。 フェデレーテッド・インベスターズの債券市場ストラテジスト、ジョゼフ・バレストリノ氏は「巣ごもりに戻るときだ」として、「外に明るい光は見えない。これは世界的リセッション(景気後退)だ」と話しています。リーマンショックで、世界の短期金融市場は大混乱に陥りましたが、世界の中央銀行が大量に資金を供給したおかげで、短期市場は回復しました。しかし、社債市場は全く回復を兆しが見えません。私は、昨年11月のある会合での講演で、「株式市場が本格的に回復するかどうかは、社債市場のスプレッドの改善にある」と説明しましたが、残念ながら、まだ、その兆候がありません。企業にとって資金調達が絶たれた状態で、成長など達成しえませんから、成長を買う株式市場に明るさは戻りません。一方、投資家にとって、同じ会社が発行するのであれば、株式よりも社債に投資することは、合理性があります。社債の方が優先的に資金回収できるわけですから。また、現在の社債スプレッドを考えると、株式ほどのリターンさえも期待できます。世界的に株式保有比率の引き下げ傾向が続いていますが、その分、社債に投資する傾向が出てくるのではないでしょうか。

2009年3月 2日 (月)

第279話 「米国弱気相場は、あと2年続く?」

3月2日付けのブルームバーグ・ニュースによると、米国株の2011年末までの下落に備えるオプションの価格が2000年以降の平均の2倍となっているとのことです。これは、 10兆4000億ドル(約1013兆円)の時価総額をこれまでに吹き飛ばした弱気相場があと2年続く可能性を示唆しています。米S&P500種株価指数が向こう2年下落するリスクに備えるオプションの価格はシカゴ・オプション取引所(CBOE)で1万5160ドルと、07年の6875ドルの倍以上(ブルームバーグ集計の価格調整済みのデータによる)となっており、現在の価格水準が、向こう2年のS&P500種が00 年以降の倍の変動を示すとの市場参加者の見通しを示していることとなる。 確かに、弱気になる気持ちはよく分かります。買い手不在という言葉が本当にぴったりくるような市場のセンチメントです。ダウ5000ドル、日経平均5000円という声さえも、現実味を帯びてくるような状況です。しかし、以前にも書きましたが、例えば、日本の株価で言えば、経常利益ベースで今期50%減益程度までは、この水準は織り込んでいると考えます。すると、来期以降の利益予想が、今後の株価が下に行くか、上に行くかの重要なポイントになるわけです。輸出産業などの場合、若干の円安とアジア経済の若干の持ち直しで、減益というスタートではないと考えます。また、リストラも進み、減益要因も少なくなってきていることを考えると、現時点の底割れ可能性は低いと考えます。上がるかと言われると、それは別の議論で、政策待ちのところもあります。しかし、2年のプットオプションを買うほどの状況ではないと、個人的には考えます。皆様はどう考えますか。

2009年3月 1日 (日)

第278話 「タワー投資顧問 アゲイン」

日経ヴェリタス55面にファンド群像「タワー、小型株不振で解約続出でも」という記事が掲載されています。タワーとは、清原部長で、有名なタワー投資顧問のことです。タワー投資顧問は、小型株ロング、大型株ショートの運用でしたが、2006年以降、パフォーマンスが悪化、解約が続出しています。紙面によると、清原氏の退職の噂もあったということですが、セミナーに登場し、強気説を示したそうです。引き続き、小型ロング、大型ショートも続けていくとのことで、紙面では、”揺るがぬ哲学”と称しています。しかし、果たして、揺るがぬ哲学と言ってよいのでしょうか?”いつかは儲かる”は、運用スキルとは言えません。”いつかは、小型株は上がる”なんて、高い運用報酬を払う意味がありません。ここは、出直す意味でも、ファンドをクローズすべきと、私は考えますが。

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