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2009年4月18日 (土)

第306話 「カルパースの試み」

4月17日付のGlobal Pensions誌によると、カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)は、専用のマルチ・ストラテジー・ヘッジファンド・プログラムを開始すると発表しました。これは、トラックレコードがまだ2~3年程度の新興のヘッジファンド・マネジャーに運用資金を提供して、高い運用結果を狙おうというものです。こうした新興の運用機関に資金を提供し、ある意味、育てるような意味があることをから、インキュベーションとも呼ばれる手法です。これをカルパースは「Sprout Program」と呼んでいます。Sproutとは発芽という意味なので、直訳すればヘッジファンド・マネジャーの発芽計画ということでしょうか。こうした運用機関には、基本となる運用報酬は低く抑えられ、パフォーマンス成果に応じた報酬が設定されています。カルパースは、全体で6000億円近い資産をヘッジファンドに投資しており、昨年は、マイナス19%の結果に落ち込みました。この発芽計画は、ヘッジファンドの運用の立て直しの一部として採用されるそうです。「オルタナティブの復権」においても書きましたが、年金によるヘッジファンド投資は意外と底堅いものがあります。しかし、今まで通りで良いのかという疑問もあります。より新たな運用能力を発掘し、ハングリー精神を与えることが、より良い成果に結びつくのかもしれません。日本の機関投資家も慎重な運用ばかりではなく、こうした試みも必要ではないでしょうか。

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コメント

いつも拝見させていただいております。貴重なご意見として参考にさせていただいておます。
今回も全くを以って同感です。昨年はバブル崩壊と同時に金融恐慌がおこったのであり、運用者にとり、悲惨な年でした。でもそのことをもって運用をやめるとか大幅縮小するという意見については反対です。カルパースは流石ですね。こういう施策を採用する年金基金だからこそ、運用もうまくいくのでしょう。カルパースの現在運用委託しているファンドにとってもいい刺激となりますし。是非日本の年金基金も見習って下さい。

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