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2009年4月19日 (日)

第307話 「リバランスの有効性」

4月19日の日経ヴェリタス54面のフォーカスに「株下落時は買い増し資産の比率を一定に:リバランスで長期的な運用成績向上」という記事が掲載されています。これは、年金基金の運用でも、個人投資家の運用でも、事前に決めた資産配分比率が市場時価が変化することで乖離が生じた場合に、元の資産配分比率に戻す取引、すなわち、リバランスは重要であるという主旨です。リバランスの場合、株式下落する局面、例えば、去年などは、時価比率が下がるので、下がるたびに株式を買いますことになります。しかし、昨年などは、100年に一度と評される下げだったために、リバランスすると資産の毀損が激しかったわけです。そのために、「わざわざ、下げることが分かっているのに、株式を買いますことは良くない」という理屈から、多くの年金基金などでリバランスの一時停止が行われました。そのことを、シミュレーションや業界関係者のコメントとして、「リバランスは、ルールとして事前に定めているなら、愚直に守った方がいいですよ」というトーンの記事になっています。確かに、リバランスは必要だと私も思っています。事前に決めたルール(方針)に戻すべきだと思います。しかし、それほど、単純でもないと考えます。まず、何%乖離したらリバランスするかということです。年金の世界では、3~5%と言われていますが、必ずしも根拠があるわけではありません。取引コストがかかるので、あまり頻繁に行うのはよくないという専門家もいます。しかし、取引コストが気になるなら先物などを使用すればよいので、リバランスの発動ポイントを恣意的に決めるべきではないと考えます。言い換えれば、少しでも乖離すれば常にリバランスをすべきです。幅を持たせると、ある意味、相場観をもって対応しているようにも感じます。そして、最も重要なことは、そもそも、戻るすべき事前に決めた資産配分比率は妥当かということです。これが妥当でないと戻すことの議論などあまり重要ではなくなります。多くの年金基金は、株式比率が多すぎるというのが、私の印象です。内外株式を合わせて平均50%ぐらい保有しています。これでは安定した運用など達成困難です。従って、リバランスの議論の前に考えることがあるだろうというのが私の考えです。年金運用での安定が、ひいては、国民の将来不安の軽減することに役立ち、景気回復を後押しするとも期待します。

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コメント

  USハイイールドインデックスの検索から進んで拝読しました。


  公的年金運用については、そもそもそれほど積極的運用をする必要があるのかどうか、疑問に思っています。手間と費用をかけずに、基本は国債、株式はインデックスで充分ではないでしょうか。国債80%でもいいのではないでしょうか。

  もっと遡りますと、給付金5年分相当の資金があるうちに基本的年金改革が必要なのだと思っています。

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