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2009年5月

2009年5月31日 (日)

第330話 「ベンチマーク選びとアクティブ運用」

5月31日付け日経ヴェリタス18面に、マルキール・米プリンストン大教授のインタビュー記事が掲載されています。同教授は、インデックス運用の効用を実証的に説いている方で、このインタビューでも、市場指数を上回るアクティブ運用の難しさを指摘し、インデックス運用(パッシブ運用)の方が良いと主張されています。特に、市場が効率的な市場ほど、パッシブ運用が望ましいとしています。私自身、似たような考え方を持っていますので、この記事内容にどうのこうのコメントするつもりはございません。今回、気になったのは、その記事の中に、日経の記者が掲載した国内のアクティブ型投信の勝率を示している箇所です。掲載内容によると過去5年間の成績で、日経平均株価連動型投信の平均値を上回ったアクティブ型投信の比率は31.2%、TOPIX連動型投信の平均値を上回ったアクティブ型投信の比率は39.2%となっています。同じ日本株運用で、比較対象となる指数が異なると、どうして、8%も勝てるアクティブ運用投信が増えるのでしょうか?これは、あくまでも仮説ですが、TOPIXは時価加重平均値、日経平均は普通の平均値を使用しています。時価加重だと、時価総額の大きい株式の影響が大きいので、極端な話、大型株だけをカバーしていれば、指数に勝てる可能性が出てきます。一方、日経平均は、225銘柄ながら、平均値のために、225銘柄満遍なくカバーし、その比率を見ないと勝てません。すなわち、1000銘柄以上含まれるTOPIXよりも、日経平均の方が、指数の影響する要因が広いと考えられます。したがって、この差が出たのでは考えます。ベンチマーク対比で競争するファンドマネジャーと呼ばれるプロの方は、市場の効率性以上に、勝ちやすいベンチマークを選ぶことも重要であると考えます。

2009年5月29日 (金)

第329話 「ジョイントの破綻とオリックスの本性」

5月29日付けのブルームバーグ・ニュースによると、総合リース最大手のオリックスは 29日、持分法適用会社の不動産会社ジョイント・コーポレーションによる会社更生手続き申請を受け、最大107億円の損失が発生する可能性があると発表しました。オリックスは昨秋、ジョイントへの資本参加を発表し、普通株と優先株による第三者割当増資を100億円で引き受け39.3%を出資しました。経営再建に向け派遣していた松崎勉副社長ら役員3人は29日付で退任し、出資時に付与した200億円の融資枠は未使用だったということです。ジョイント・コーポレーションの破綻は、不動産不況の厳しさを物語るものです。しかし、私は不愉快なのは、オリックスのコメントです。オリックスはジョイントへの出資目的を純投資と説明していました。しかし、39%もの出資比率と3名の役員の派遣など、実質的な子会社とみなせる程の関与です。昨秋は、救済というように受け止めた方が多いのではないでしょうか?しかし、融資はしないは、自分の生き残りのために、切捨てたということでしょうか?以前にも、オリックスについて、コメントしましたが、やはり、この会社の本性、ひいては、宮内会長の本性を見たような気がするニュースでした。

2009年5月27日 (水)

第328話 「新インフルエンザの影響」

本日は、ニュースからの話題ではなく、出張で、京都、大阪に行ってきましたので、新インフルエンザに関する感想です。正直、マスクをしている人は、少なかったと言えます。学校が今週から平常に戻ったことも影響しているようです。また、京都駅には、シーズンである修学旅行の団体が大勢いました。また、大阪でも今週からマスクをしている人は大幅に減っているそうです。そういう意味では、心配してマスクを一杯持参して、肩透かしにあった気分でした。しかし、某大手百貨店の方とお会いしましたが、ゴールデンウィーク以降の売り上げは、前年比半分程度とのことで、非常に深刻です。仮に、パンデミックの状態になった場合には、行政からは、スーパーとコンビニは生活必需品を売っているので、強制的に閉鎖を要請しないが、百貨店は閉鎖を要請するかもしれないと言われているそうです。ただでさえ、百貨店は非常に厳しい経営環境に陥っているにもかかわらず、閉鎖まで強制的にされたら、成り立たないでしょう。とりあえず、新インフルエンザは沈静化の方向ですが、消費に与える影響は、そう楽観視できるものではないと感じました。

2009年5月25日 (月)

第327話 「地政学リスク」

5月25日付けの各メディアは、北朝鮮の地下核実験を報じています。しかし、日本の株式市場は、堅調に推移しました。今日は、米国、英国市場が休場のため、材料に乏しく、小動きとなることはやむを得ないとは思います。しかし、隣国での核実験に対して、これだけ、脳天気な市場でよいのでしょうか?日本人は、特に、国際情勢や政治情勢に疎く、また、あのカリスマディーラーである藤巻さんも「政治で相場が動くことはない」と言ってますが、いわゆる「地政学リスク」にもう少し注意を払うべきです。韓国でも前大統領の自殺など、世情が揺れている時です。「あまり心配いらない」と考える市場関係者が多いとしたら、ちょっと平和ボケすぎるような気がしていますが。

2009年5月24日 (日)

第326話 「損切り論」

5月24日付け日経ヴェリタス62面に「損切りとどう向き合うか」という記事が掲載されています。買値より安くなった株式を売るべきか持ち続けるべきかいう一大テーマを、改めて議論しているものです。内容は、どちらかというと損切りの重要性を肯定しているような内容です。私としては、日本株においては損切りルールは重要であるとの考えに賛成です。基本的に、投資期間の問題ではあるのですが、日本株のように「長期で持ち続ければ、上がる」という考えが全体論(指数ベース)成り立たないと思われる現状においては、長く持つと下がってしまうという銘柄に当たってしまう確率が高いと言わざるを得ません。すると、その確率を低めるためには、損切りも已む無しと考えます。一方で、成長性が期待できる業種や国の個別銘柄に投資する際には、損切りルールは持ち込まず、中長期投資の方が妥当であろうかと思います。これに類したことが言えるのは、個別銘柄の流動性が低い銘柄も、損切りルールに合いません。「株式投資は成長を買う、一方、割安さで株を買うなら、損切りルールを持って対応する」というのが、私の考えですが、皆さんはいかがでしょうか。

2009年5月23日 (土)

第325話 「金融業界からの転身」

5月22日付けのブルームバーグ・ニュースによると、米証券会社ベアー・スターンズの債券トレーダーだったガイ・イレース氏(44)は、昨年6月に失職した後、ロングアイランドに戻って高校の数学教師となったとのこと。転換社債トレーダーとして年 17万5000-100万ドルを稼いでいた時代から、現在は、日給75-175ドルとなり、高校には自宅から弁当をよく持参するといいます。投資銀行に勤めていたといってもピンからキリまであるでしょうから、すぐに次の職を見つけた人はいるでしょう。しかし、今回は、確かにイレースさんのように、日本でも金融業界を去った人も多くいると思います。丁度、2日前に会った人も、日本のベアー・スターンズで働いて、今は、日興系の会社に勤めています。彼も、その日興系の会社が買収された場合、リストラが進むであろうから、もう、金融業界を去って、飲食業界に入ることを検討しているとのことでした。幸い、ベアー時代の蓄えがあるようで、それを元手にするとのことです。他にも、NPOを始めたなど、金融業界から転身した人を見かけるようになりました。最近では、株価も回復傾向で、少しホッとしている金融関係者も多いと思いますが、まだまだ、昔のような時代に戻るには時間が必要です。それなりに財産を築いた人であれば、転身するのも意味有る選択肢だと思いますが。

2009年5月20日 (水)

第324話 「オーストラリア政府による預金保証」

今日は、ニュースからの話題ではなく、最近流行の円定期預金のお話です。このブログでも、新生銀行やあおぞら銀行のちょっと危なそうな銀行でも、1千万円まで国が保証してくれることから、現時点では高金利の1%超の金利のついた円預金に資金が集まっていることを話題として挙げました。しかし、これを上回る預金保証がありました。日経ネットの特集に「オーストラリア政府により、7100万円まで保証」という記事です。これは、ナショナル・オーストラリア銀行の円定期預金で、金利は5月29日まで、6ヶ月もの金利0.92%(年率、1千万円以上、1億円以下)というものです。しかし、2011年11月27日までオースラリア政府が7100万円(100万豪ドル)まで銀行預金を保証し、このナショナルオーストラリア銀行の日本支店分まで含まれるということなのです。これは、富裕層でかつ、銀行を信用していない人にとっては最高です。日本の預金保険制度よりも7倍上限が高いわけですから。しかし、オーストラリア政府まで担ぎ出してとして日本で預金集めをするとは、こんな営業もありなのですね。ちょっと驚きましたし、知らないことはまだまだあるなと感じた次第です。

2009年5月18日 (月)

第323話 「インド株の急騰」

5月18日付けのブルームバーグ・ニュースによると、18日のインド市場では、インド株の指標となるセンセックス30種指数が前週末比17%高と急騰しました。同国の下院総選挙でシン首相率いる与党連合が大勝し、経済改革が進むとの見方から買われました。通貨ルピーは過去20年で最大の上昇を演じ、国債相場も大幅高となったそうです。ボンベイ証券取引所はセンセックス指数急騰を受けて取引を停止しましたが、ほぼ終日の取引停止となったのは初めてだということです。しかし、17%とは、凄まじい急騰です。日経平均なら1日で1500円以上の上昇です。さすが、エマージング株式市場というところでしょうか、ボラティリティの高さが魅了です。これでインド株は、昨年9月のリーマンショック前の水準を軽く越えてしまいました。底値からも70%以上上昇していますから、一般的には過熱感があるという表現が妥当なのでしょう。しかし、エマージング市場については必ずしも当てはまらないかもしれません。世界的な金融混乱で、リスクマネーは縮小しました。リスク許容度は回復基調ではありますが、絶対額としてリスクマネーは、まだ拡大していません。逆に、投資額を抑えても、成長期待が強く、ボラティリティの高いエマージング市場には、マネーは行きやすくなると考えます。加えて、市場の厚みも不十分で、大きな資金が入ると更にボラティリティが高まります。当面、エマージング市場は、活況ではないかと考えます。

2009年5月17日 (日)

第322話 「リハビリ始めた個人投資家」

5月17日付けの日経ヴェリタス63面に「リハビリを始めた個人投資家」という金融記者の座談会記事が掲載されています。最近の傾向としては、新生銀行やあおぞら銀行の1%近辺の預金が人気があり、一方、投信販売と抱き合わせの高金利預金は、あまり人気ではないとのことです。また、元本保証で人気であった変額保険では、三井生命、ハートフォード生命など売り止めを発表し、保険会社がリスクを丸抱えで引き受けることに無理があったことが露呈したと語っています。結局、個人投資家によるリスクテイクの動きは、回復基調ではあるが、まだまだリハビリ中という結論です。そもそも、こうした傾向は、昔も今も大きな変化はないのではないでしょうか?昔から日本人は、預金が好きですし、「貯蓄から投資」と言っても、儲けたい証券、銀行および運用会社が言っているだけです。本来、個人投資家のリスク許容度を高め、貯蓄から投資を高めたいのであれば、米国運用会社のバンガードのような、非常に低コストの運用商品を投入し、手軽な投資手段を提供すべきだと考えます。インターネットでは、住信アセットの比較的低コストのパッシブ商品など、自分年金を作る手段として人気があると聞きます。いつまでも、商品提供者側の儲けの論理でキャンペーンしても、個人投資家のリスク許容度は上がらないと早く理解すべきです。

2009年5月16日 (土)

第321話 「資産運用業界の再編」

5月15日付けのGlobal Pensions誌によると、世界的な運用会社であるバークレーズ・グローバル・インベスターズに対して、同じく世界的な運用会社であるブラックロック社が買収提案をしているとの記事が掲載されていました。買収規模は、100億ドル、約1兆円です。また、16日付けの日経新聞には、前回のブログにも書きました日興アセットの買収にあたり、T&Dグループが候補に挙がってきたことが掲載されておりました。規模は1000億円超になる見込みとのことです。規模は、10倍異なりますが、世界的に、資産運用会社の再編の動きが見えてきました。ご存知のように、資産運用会社の収入は、運用報酬ですが、これは資産規模に比例します。しかし、株価も、底値から戻ったとはいえ、日経平均は1万円を、NYダウは1万ドルを割った状態が続いています。この状態が長く続けば、続くほど、収入減は顕著になり、一方で、コスト削減などを更に進めなければなりません。生き残るためには、規模を拡大し、より効率的な組織にする必要があります。一方で、規模の大きくなった運用会社の、運用成果は悪化するという傾向もあります。従って、この二律背反する事柄をどのように運営していくかが、今後、資産運用業界を生き残る鍵となるわけです。

2009年5月14日 (木)

第320話 「日興アセットの行方」

5月14日付けのブルームバーグ・ニュースによると、三菱UFJ信託銀行は14日、予定していた日興シティ信託銀行の買収を見送ると正式に発表しました。日興コーディアル証券の三井住友フィナンシャルグループへの売却などシティの国内戦略の変化を受けて当初想定した相乗効果が得られないと判断したためです。この話は、すでに出ていた話で、あくまでも正式に発表されたものです。しかし、これで、日興アセットの売却先として、三菱グループである可能性は薄まったと言えるでしょう。日興信託は、日興アセットが運用する投資信託の大半を受託しているわけで、日興アセットと日興信託を一緒に持つことが価値があると考えられているわけです。その日興信託との破談は、日興アセットが三菱グループにいかない、すなわち、売却候補は、別の金融機関になったと予想されるわけです。候補としては、同じく、三井住友グループ、野村、日生などが聞こえてきます。三井住友の場合、日興アセットを三井住友アセットと一緒にする可能性がありますが、日興信託を住友信託と一緒にさせるかどうかは疑問です。住友信託は我が道を行く方針なので。野村ですと、野村アセット、野村信託とあるので、可能性は大きいですが、リーマン買収後、お金がないので、どうなるか不透明です。日本生命は、ニッセイアセットがありますが、信託はありません。この場合、新たに、グループに信託を持つことになりますが、日本マスタートラスト信託に出資しているだけに、ちょっと、調整が必要です。いずれにせよ、今月中に決まるものと期待します。

2009年5月12日 (火)

第319話 「楽観論への警鐘」

5月12日付けのブルームバーグ・ニュースによると、金融機関同士が日々の資金を貸し借りするインターバンク市場の取引規模が縮小を続けているとのことです。国内大手銀行の資金担当者は、今回の取引減少は量的緩和下とは様子が違うと指摘しています。すなわち、 市場縮小の背景には、外国銀行の取引急減があるとのことです。日銀が公表するコール市場残高によると、3月の外銀による無担保コール調達の平均残高は2831億円と、1年前の7兆円台から25分の1まで落ち込んでいます。すなわち、取引参加者の減少とリーマンショック以降の金融機関の経営不安が、短期市場の機能不全を引き起こしています。いわゆるバランスシート不況の解決の五合目を超えるまで、こうした傾向が続くかもしれません。これは、現在の楽観論が一時的で、本格回復には、まだ時間を要することを如実に表している事象であると考えます。世界的に株式市場は楽観論に支配されつつありますが、とりあえずの戻りのターゲットも近づいており、そろそろ慎重路線に戻る準備も必要かと思います。

2009年5月10日 (日)

第318話 「個人投資家アンケート」

5月10日付けの日経ヴェリタス60面に、日経ヴェリタスが実施した読者向けの投資に関するアンケート結果が掲載されています。例えば、投資を始めた時期については、20代が約4割を占めています。自分のことを考えれば、その頃は仕事や遊びのことばかりで、投資のことなど考えたこともなかったことを思い出すと、最近の人は、熱心だと感じます。一方、各年代で共通していたのが、「損切り」を重要だと考えていることです。やはり、この金融混乱で、「塩漬け」状態に悩んでいる人が多いことを表しています。また、投資の主流は、やはり株式で、最近、若者には、FX取引が広がっていることも、アンケート結果で裏づけされています。しかし、このように、投資というものが、広い年代層で定着している一方で、損切りを重視していることから、日本における投資は、いわゆる「ホットマネー」(投機的資金)の色彩が引き続き強いという印象です。これは、有識者がよく使う「貯蓄から投資へ」の「投資」とは異なる方向です。市場における個人の売買占有率は高まる一方で、金融資産に占める株式比率は、低位安定という図式が、このアンケートが見て取れます。機関投資家の投資行動も、個人投資家に近づいている印象(投資期間が短期化)があるので、今後の株式相場の動きは、一方的な大きなボラティリティではなく、やや小幅な、循環的なものになっていくのではないでしょうか。

2009年5月 8日 (金)

第317話 「BNPパリバの今後」

5月8日付けの日経ネットのニュースによると、経営破綻したアーバンコーポレイションの増資引き受け問題で、昨秋に金融庁から業務改善命令を受けた仏系のBNPパリバ証券が同庁に虚偽の報告をしていた疑いのあることが8日、明らかになったとのことです。関係者によると、パリバのディーラーが利益を得る目的でアーバン株を取引していたことを報告していなかったということです。 証券取引等監視委員会が立ち入り検査で事実関係を調べているが、虚偽報告があったと認定した場合は、金融庁に2度目の行政処分を発動するよう勧告することになります。金融商品取引法は虚偽報告の場合、刑事告発か業務停止命令などの行政処分を検討すると定めています。しかし、今回の金融危機は、「Greedy(強欲)の清算過程」と言えるでしょう。ベアー・スターンズ、リーマンと強欲の象徴が姿を消していったわけです。このBNPパリバの問題も、その一つです。以前、このブログでも取り上げた話題ですが、検査に対しても、こうした虚偽報告の疑いが出たとは悲しい限りです。この先、BNPパリバは、日本でどのような姿勢を取るのでしょうか。2004年にシティトラスト信託が日本法人を解散しましたが、この時も、業務停止命令を受けていました。明らかな法令違反もあったので、今回と悪質さの程度にどれくらい差があるかは、定かではありませんが、ビジネス上への影響は当然多大でしょうから、結果としてシティトラスト信託と同じ決断をする可能性もあるかもしれません。

2009年5月 7日 (木)

第316話 「年金運用と経済対策」

5月6日付けのGlobal Pensions誌によると、アイルランドの年金基金は、政府とインフラ投資に関する協議を開始したとのことです。これは、財政的に厳しい政府が、年金資金を活用して、インフラ投資という経済対策を実行しようというものです。例えば、日本でも注目される環境投資、水処理とか再生エネルギーなどの分野でのプロジェクトへの投資を年金資金で賄おうというものです。この場合、年金は、発行される債券に投資するなどによって、資金運用を行うことになります。この話、一見すると、政府が公共投資を年金資金を使って行うような悪い印象を持たれるかもしれません。多分、日本でこういうことを行えば、利権と結びついた筋の悪い案件になるでしょう。しかし、そこは年金運用のガバナンスに厳しい海外では、投資方針に則っているか、環境、社会的責任、ガバナンス上に有益な投資か、収益性はどうかなどの観点を前面に出して、政府と議論をしているようです。そして、実際にこうした公共投資が行われれば、雇用も創出され、経済成長にも寄与します。まさしく、自分達の年金運用が、国のために、国民のために役立っているわけです。日本のように、役人が年金資金を使って役立たずの箱物投資をするような話とは大違いです。早く、日本でも、このような正当な議論のもの、国民のために有益な年金運用が行われるような時代が来ることを願っております。

2009年5月 6日 (水)

第315話 「連休中の株価上昇」

5月5日付けのブルームバーグ・ニュースによると、5日の米株式相場は3日ぶりに反落。米政府によるストレステスト(健全性審査)で増資が必要になる銀行が出てくるとの思惑が強まり、売りが優勢になりました。S&P500種株価指数は前日比0.4%安の903.80で終了しました。ゴールデンウィークということで、5月最初のブログとなりました。この間、S&P500指数は約3.6%上昇と、非常に楽観的にムードが漂い始めてきました。以前、S&P500指数の戻り予想を1,000と書きましたが、それなりにストライクゾーンまで近づいてきた感じです。しかし、このS&P500指数で903という現水準は、丁度、2008年12月末の水準とほぼ同じです。すなわち、3月に安値をつけた相場が、丁度、スタート時点まで戻ったということです。オバマ大統領就任への期待の反動、銀行不良債権問題、自動車問題と数々の難題をこなして、2009年のスタートに戻れたことは、重要な意味があると思います。そして、次の目標はリーマンショック前ですが、2008年9月12日の終値が1,251ですから、短期間で戻れるような水準ではありません。やはり、それほどリーマンショックとは、世界経済に大打撃を与えたわけです。一方、急落の年の後に、急騰の年が現れることも歴史的に否定できません。仮に、年間40%の上昇だと、年末にリーマンショック前の水準に戻ることになります。まあ、あまり楽観的な皮算用もしたくありませんが、言いたいことは、今後は、上昇の可能性を踏まえた戦略が必要だということです。例えば、株式の残高は、少なめを継続しても、IT、機械など上昇時に恩恵を受けるセクターを多く組み入れた方が良いのではないでしょうか。

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