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2009年7月 5日 (日)

第348話 「分散投資は死んでいない」

7月5日付けの日経ヴェリタス53面に「分散投資は死んだ?」という記事が掲載されています。年金積立金管理運用独立行政法人の2008年度運用結果が公表され、過去最大の9兆667億円の損失額であったことがわかりました。記事では、慎重な運営だったが、2008年度には、分散が効かなかったために、損失を被ったとしています。分散が効かなかった理由として、世界の多くの投資家が分散投資に走り、金融システム不安に直面して、一斉に資金を引き上げたからで、分散投資という「集中投資」の反動だと言っています。私としては、昨年、分散が効いていないという意見には反対です。昨年は、国内債券投資は、プラスの収益率でしたから。もちろん、国内株、外国株、外債、コモディティなど同時に下げたもののありますが、非常に短期的な話です。こんなことは、過去の急落時には、何度もありました。この記事に限らず、機関投資家の世界でも、「分散が効かない」など真面目に語っている人は多くいます。そうした近視眼的な議論を話題性だけで取り上げることに違和感を感じます。一方、問題点も浮き彫りになりしました。従来のポートフォリオ最適化は、どうしてもあるリターンを達成するための最小リスクを求めるようなプロセスでしたが、これでは、目標リターン水準次第で、どうしてもリスクが偏ったポートフォリオになってしまいます。これからは、リスク量から議論を始めて、十分にリスク量が分散されたポートフォリオを作成することを検討しなければいけません。現在、徐々に、機関投資家の間で、その考えは流行りつつあります。

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