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2009年7月12日 (日)

第350話 「スパークスの試練」

7月12日付け日経ヴェリタス21面に「スパークス、20年目の試練」という記事が掲載されています。スパークスとは、元野村の阿部修平氏が設立した独立系資産運用会社です。2001年には上場も果たし、順風満帆でしたが、日本の小型株相場の急落と、金融危機で業績が急速に悪化し、昨今、リストラ、リストラを繰り返しています。加えて、そのリストラを通じて、主要なファンドマネジャーも退職し、運用会社としての評判も落ちてきています。設立20年目にして、回復のシナリオも明確には打ち出せず、大きな試練を迎えています。私も、丁度、90年代初めに、設立当初のスパークスと接触したことがあります。その頃としては珍しいブティック型運用機関で、銘柄選択を真に行う有望な運用機関だったと記憶しています。しかし、その後、ロングショート戦略の導入など、ヘッジファンド的な会社に変貌し、また、上場を意識してか、資産規模拡大主義や、成功報酬導入などの収益の急拡大主義に突き進みます。また、積極的な海外での企業買収などを行い、運用を行う会社から、運用をビジネスにする会社に変貌してしまいました。また、上場によって、阿部社長など、創業者に大きな収入が入ったことも、初心を忘れさせる方向に働いたかもしれません。海外でも、同様に、優秀な人達で作った会社ですが、上場などによって、目先の収益主義に気持ちが移り、失敗を繰り返している運用機関が増えています。最近、付き合いのあった会社では、米国のPzena(プジーナ)という会社も、バリュー運用機関として評判が高かったですが、スパークスのように同じ運命を辿っています。運用会社に求められるものは、①運用をすること(当たり前ですが)、②非上場会社であること(長期的な経営戦略のため)、③人を育てること、④哲学があること、⑤規模の拡大に走らないこと、この5か条だと思っています。私は、この5か条を守れる運用機関を高く評価しています。

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コメント

私の記憶では村上ファンドの村上さんも通産省を退職しファンドを設立した時の志と、ファンドが大きくなった時の運用方針は異なったものとなりました。やはり上場益のような個人的な欲望が当初の設立意義や運用方針を変えてしまうのでしょう。マドフさんもそうだったのかもしれません。でも5つの基準に叶う運用会社があるとは心強いものです。そういう会社が増え、そして我々個人投資家にもそのおこぼれに預かれるように早くなってほしいものです。

こんばんは。

この会社がダメな会社ということには激しく同意します。ただ、理由のところはちょっと疑問も感じてます。

2番目の非上場の部分、親会社も含めて非上場の完全に独立系ということになると、結構数が限られますよね。ここは議論の余地があるところですが、実際のところどうでしょう。ちょっと難しい条件のように感じます。

完全に独立系で大手で非上場、そして少なくとも世間一般では賞賛されている会社の一つとしてたとえばフィデリティがありますが、あそこも(ちゃんと覚えてませんがだいたい)1年半ぐらい前にCEOが変わってだいぶドラスティックに方針を変更しているように見えます。必ずしも非上場だから長期的経営とも言えないのかと思います。

それから5番の規模ですが、この業界も規模の経済が働くので、規模を目指さないわけにもいかないと思います。パッシブは典型ですが、アクティブにせよ、ある程度の規模がないと生き残りは厳しいのではないでしょうか。スパークスよりも小さいブティック系の会社はもっと前からぼろぼろになってますよね。

では何がこの会社をダメにしている要因かと言うと、やはり経営がダメだということに尽きると思います。そのヴェリタスの記事でも取り上げられていましたが、昨年12月に就任した社長がもう辞めているという時点で経営が混乱していることは傍目に明らかです。

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