« 2009年8月 | トップページ | 2009年10月 »

2009年9月

2009年9月24日 (木)

第373話 「野村HDの増資」

9月24日付けのブルームバーグ・ニュースによると野村ホールディングス(HD)は24日、国内外で最大8億株の新株式(普通株)を発行し、最大約5113億円を調達すると発表しました。これにより株式は約22%希薄化することになります。野村HDは3月の公募増資2700億円のほか、昨年12月にも劣後債と劣後型転換社債(CB)で総額4100億円を資金調達していますが、G20で自己資本強化の議論が出たことから、先手を打ったと見られています。確かに、これから、金融機関に対する自己資本規制が強化され、各社は、コアの自己資本比率、すなわち普通株での増資を余儀なくされます。国内メガバンク、そして、世界中の金融機関が追随することとなるでしょう。しかし、野村のケースで、22%の希薄化ですから、当然に、株価の下落要因となります。金融株は、モラトリアム法問題もありますが、全般的に低迷ぎみです。野村HDの株価も9月以降、冴えません。また、自己資本規制により、バランスシートでのリスク資産保有が制限されますので、経済活動に悪影響が及びます。総合的にみて、こうした増資合戦により、株式市場、経済、全般に、暗雲漂う予兆があります。

2009年9月21日 (月)

第372話 「外債ETF」

9月20日付け日経ヴェリタス56面に、「毎月分配型の外債ETF、30日登場:運用コスト、グロソブより割安」という記事が掲載されています。日興アセットが運用し、シティグループ世界国債インデックスに連動するETFが30日に上場します。このETFの特徴として、毎月分配型としている点です。現在の利回りから、年間約3.7%の配当が期待されます。加えて、信託報酬が0.2625%とグロソブの1.3125%に比べて、1%以上も低いことです。世界的に長期金利が低下した今、1%のコスト差は非常に大きいと言えるでしょう。グロソブにとっても脅威になるのではないでしょうか。もちろん、このETF、当初設定額が10億円ですから、インデックス運用としては小額で、また、流動性も気になりますから、良いことばかりではありませんが、このコストは非常に魅力的です。昔から、グロソブのコストは問題でした。ある意味賢い方法ですが、販売が増えるほど、銀行や証券の手数料が増える仕組みで、現在、1.3125%の1%程度は販売会社の収入になっています。すなわち、その分が割高で、今回のETFとの費用差に直接反映されているわけです。グロソブの投資家とこのETFの投資家が必ずしも共通するわけではないので、すぐにグロソブの残高に影響するわけではないでしょうが、明らかに、今後の資金流入には影響するのではないでしょうか。以前より問題提議していますが、投信のコストを全体的に引き下げるべきです。そうしないと、高いコストを正当化するために、「日経平均+ブラジルレアル通貨」などリスクが高い商品を提供する会社ばかりになるかもしれません。

2009年9月18日 (金)

第371話 「モラトリアム」

9月18日の日経ニュースによると、消費者金融大手、アイフルは18日、経営再建に向けて住友信託銀行やあおぞら銀行など銀行団に対し、債務の返済猶予などを求めると正式発表しました。債務総額は3000億円前後で、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決)を活用し、店舗や人員削減を柱とした事業縮小など再建計画を作るそうです。一方、亀井金融担当大臣は、中小零細企業などに債務返済を3年間猶予する法案を検討するとコメントしています。もちろん、アイフルと亀井大臣の話は別物です。しかし、こうした債務返済猶予、モラトリアムが横行してしまう事態を想像できません。金融の秩序は乱れ、金融機関は益々、優良な企業にしか、資金を出さなくなるなどの悪循環や貸し渋りが広がるように思います。こうした国に信用などなくなるのではないでしょうか。現在、円高傾向にある為替ですが、円安に転じる可能性だってあります。藤井財務大臣が否定していますので、静かですが、要注意です。

2009年9月14日 (月)

第370話 「SBJ銀行」

9月14日付新聞広告にSBJ銀行の開業と開業記念プレミアム定期預金が掲載されています。「5年もの年2.0%」なる表示が目立っていました。加えて、よく見ると、1000万円以上預金すると、この2.0%以上の金利(具体的な表示なし)が適用されるというものです。1年もの定期預金でも1.4%(300万円以上)と、1年前にいくつかのネット銀行が提示した高金利定期預金よりも、高い金利です。そして、預金保険機構に加入していますから、1000万円までは保証してもらえます。ネット銀行も、金利を下げてきていますし、久々の高金利かもしれません。しかし、SBJ銀行とは、正直、聞いたことがありませんでした。韓国の銀行である、シンハン銀行(新韓銀行)の頭文字だそうです。元々、外銀の支店として業務を行っていたのを、日本法人として、改めて開業したそうです。数年前のシティバンクと同じです。ウィキペディアによれば、韓国も最も成長著しい銀行だそうで、BNPパリバとも提携関係にあるそうです。変なところではなさそうなので、早速、資料請求しました。あいにくネット銀行ではないので、非常にアナログな対応が必要です。しかし、こうした比較的高金利預金を集めて、どのようなビジネスモデルなのでしょうか?「うちには、ノウハウがあります」とは、書いてありましたが、経済合理性が沿わないノウハウは早晩破綻してしまいますが。まあ、預金保険機構がありますから大丈夫ですか。おっと、これは、以前、私が非難したモラルハザードな考え。気をつけないと。

2009年9月 9日 (水)

第369話 「ダイエーに見る小売業の悲哀」

9月9日付けの産経新聞によると、ダイエーは9日、平成22年2月期の連結業績予想を下方修正し、売上高が期初予想を400億円下回る9850億円(前期比5.3%減)になると発表しました。1兆円を割り込むのは連結業績の開示を始めた昭和59年2月以来初めてで、ピークだった平成7年2月期の約3兆2千億円に比べて3分の1以下の水準に落ち込みました。 営業利益は期初比55億円減の15億円(同74.7%減)、最終赤字は同35億円悪化の55億円(前期は236億円の赤字)の見通しです。再建途上のダイエーとはいえ、この業績見通しは、暗いの一言です。特に、売り上げが5%落ちるという見通しには絶句します。スーパーは、日常生活品を扱っているわけですから、よほど、周辺にライバル会社が出店しないかぎり、ここまでの生活を切り詰めることはありません。もちろん、節約志向が広がっていることと、大きな要因としては、デフレではないでしょうか。単価が大きく下がることにより、売り上げ減。小売業が立ち直るには、非常に厳しい環境と言わざるをえません。そういえば、先週は、大阪で阪急梅田店が建て替えオープンしました。大阪は、戦国時代で、今後も、百貨店がますます増床していきます。しかし、とても、需要が追いつくとは思えません。消耗戦となり、業績的に自分の身を追い詰めることになるでしょう。デフレを想定したビジネス戦略、日本の小売業に、その対応はありません。価格の下がる分をボリュームで稼ごうとすることを早く捨て、縮小均衡に舵取りを行うべきです。このままでは、未来はないと思われます。

2009年9月 6日 (日)

第368話 「大和証券の決断」

9月4日付けの日本経済新聞朝刊で、三井住友フィナンシャルグループが、大和SMBCとの合弁解消を受け、米シティグループとの連携を強化すると報じました。国際間の大型M&A案件の助言や証券売買システム開発など、買収する日興コーディアル証券の足りない機能をシティが補完することで競争力を高めるとしています。このニュースは、同じく日経新聞が、大和SMBCの合弁会社をいち早く報じた一連のニュースです。当てましたと自慢するわけではありませんが、このブログでも4月末に大和証券が独自の道に進むだろうと意見を表明しておりました。http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/313-de08.html

しかし、これは、普通の人が考えれば、当然の帰結です。4ヶ月の期間を要して、結論に至ったのは、日本企業としては早い方の部類ではないかと評価します。一部三井住友グループ関係者と話した感じも、歓迎ムードです。しかし、必ずしも、100%、三井住友と大和証券の関係がすっきりしたわけではありません。例えば、投資顧問の大和住銀投信投資顧問は残っています。こちらも、結果的に、解消に向かう可能性は否定できません。いずれにせよ、大和証券グループは、純血的な良さを発揮してほしいと大いに期待します。野村もリーマンという異分子を取り込み、日興は三井住友となり、過去の4大証券で、純血な系統が残っているのは大和だけです。規模ではなく、そのサービスにおいて、質と信念を重視した経営をすれば、大きく飛躍するかもしれません。

2009年9月 2日 (水)

第367話 「AIGの株価」

8月31日付けのブルームバーグ・ニュースによると、31日の米株式市場では、政府救済を受けた米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の株価が10営業日ぶりに下落したとのことです。31日付の米経済紙バロンズが同社の株価が「高過ぎる」と指摘したことが嫌気されました。 AIG株の通常取引終値は前週末比4.90ドル(9.8%)安の45.33ドル。同社のベンモシュ最高経営責任者(CEO)が政府から注入を受けた公的資金返済で、不利な価格での資産売却を急ぐようなことはしないとの考えを示した7月31日から3倍強上げています。バロンズのアンドルー・バリー氏は31日付記事で、「AIGの株価は高過ぎるようだ」と指摘し、「AIGの不安定な財務状況や、米政府に対する巨額債務、厳しい事業環境、傷ついた企業イメージを考慮すれば、強気なシナリオはあまりにも楽観的だ」ともコメントしています。確かに、AIG株に投資する合理的理由は、見当たりません。「大きすぎて、つぶせない」だけで生き残ったAIG株ですから。しかし、くず株に投資する人もいるのが、開かれた株式市場です。理屈など後でついてくる、儲かれば、官軍と思う人もいます。事実、過去数ヶ月、米国株では、株価水準が低いということで、買われた株が多く見受けられました。まさしく、「くず株相場」でした。それでも、投機的にAIG株を買う人も、そろそろ撤退です。これだけの公的資金が入っても、好き勝手を行うAIGを含めた米国金融機関を世論が許すわけがありません。中間選挙も近づき、政治による介入は今後強まることが予想されます。AIGもこうした政治的圧力から多くの優秀な人材が去ると私は考えますので、AIG株でも火遊びも終了でしょう。

« 2009年8月 | トップページ | 2009年10月 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ