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2009年10月25日 (日)

第378話 「JALと年金問題」

10月25日付けの日経新聞によると、政府は24日、日本航空の経営再建に向け、公的機関の「企業再生支援機構」を活用する方針を固めたそうです。週内にも関係閣僚らが協議し、方針を表明する見通しです。政府管理下で過剰債務を削減し、抜本的な再建案をつくるのが狙いです。同社の信用不安解消へ機構がつなぎ融資などを実行し、政府は再建案を待って公的資金による資本増強を検討します。難航している年金債務の削減ではより踏み込んだ案を探る構えで、政府が強力に関与した再建計画づくりが動き出します。JALの再建問題も新政権の下、大きく動き出そうとしています。さて、このJAL問題から、年金債務の削減という言葉が、一般紙に出るようになりましたが、果たして、どれだけの方が年金問題を理解されているでしょうか?消えた年金問題ではありませんよ。これは、企業年金の話です。企業は、従業員のために、退職金と年金を用意しています。退職金と年金は、ほぼ同じように、確定給付と呼ばれています。退職時に一時金でもらうのが、退職一時金、いわゆる退職金です。一方、退職後、年金として分割としてもらうのが企業年金です(専門的には、退職一時金に利息相当をつけて、払うのが年金なので、退職時の一時金の価値と将来受け取る年金総額の現在価値は同じになります)。企業は、将来の年金支払いのために、毎年、掛け金を積み立てるのですが、加えて、積み立てた資産を運用し、その運用収入も年金支払いの原資にします。しかし、昨年のように運用結果が悪いと目標運用利回りに達しないため、企業は穴埋めをしなければいけないのですが、会計上のルールで、数年間で償却すればよいことになっています。ここで問題なのは、この未償却の穴埋め部分が貸借対照表にも損益計算書に出てこないということです。これは、問題だと、国際会計基準が変わる予定で、少なくとも貸借対照表の純資産がその分減ることになっています。実は、JALの場合、それだけでも、純資産がマイナスになってしまいます。加えて、年金は、一時金相当に利息をつけて支払うと書きましたが、JALの場合、現在の市場金利の1~2%より非常に高い金利がついているようで、それも、年金の債務を大きくしているようなのです。こうした問題は、多かれ少なくかれ、日本企業全般に抱えているものなので、今回をきっかけに、世の経営者が、年金問題に着手することを期待しています。それだけ、大きな問題なんです。

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