« 第402話 「貯蓄から投資」 | トップページ | 第404話 「ゴールドマンに対する疑い」 »

2010年11月22日 (月)

第403話 「ドル建て日経平均」

11月22日付けの日経ニュースによると、株式相場の上げや円高を受け、ドル建てでみた日経平均株価の上昇が鮮明になっているとのこと。22日は121ドル台に乗せ、4月の年初来高値を更新し、リーマン・ショック前の2008年8月中旬以来の高水準となりました。米国など海外投資家からみた日本株の収益率は国際的にみてさほど見劣りしないともいえるため、一段の資金流入を期待する声もあるそうです。

しかし、このニュース、いかがなものでしょう。今年の円建ての日経平均最高値は、4月5日の11,408円です。今日の終値が、10,115円ですから、1,300円程、下回っています。率にすれば、10%強です。一方、為替は、4月5日で94円ぐらいでしたから、現在の83円より、11円ほど、円高水準です。米国投資家にとっては、13%ほどの値上がりです。理屈的には、米国投資家は、有価証券で損をして、為替で得をしたということになります。これで、日経の記事のような、日本株が米国投資家にとって、あたかも魅力のあるような表現になるのでしょうか。仮に、資金流入が期待できるとしても、米国投資家は、円高の更なる進展を期待し、と書くのが妥当ではないかと思います。ただし、元来、株式運用のファンドマネジャーは、為替の見通しをきちんと持っていません。個別銘柄の調査が中心で、あくまでも、現地通貨ベースで見通しを持つのが通常です。従って、為替で買ってくることは無いと思います。

それでは、どういう時に外人投資家は買ってくるのでしょうか。日本の株式市場は、歴史的に見て、割安(バリュー)ファクターが有効に利いている市場です。ここ2年ほど、海外市場は、成長(グロース)が有効に利いているにもかかわらず、日本だけ、割安が利いています。したがって、比較的優良企業が、すごく売られたときには、確実に資金が入ってきていると言って過言ではないと考えます。そういう点では、記事にあるような「見劣りしない」程度の水準で、大きな資金が流入するとは考えにくいと思っています。まだ、時間がかかりそうです。

« 第402話 「貯蓄から投資」 | トップページ | 第404話 「ゴールドマンに対する疑い」 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512329/50103337

この記事へのトラックバック一覧です: 第403話 「ドル建て日経平均」:

« 第402話 「貯蓄から投資」 | トップページ | 第404話 「ゴールドマンに対する疑い」 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ