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2010年11月

2010年11月29日 (月)

第409話 「ETFビジネス」

29日付けのロイター・ニュースによると、国際投信投資顧問はVIX指数に連動する国内初のETF「国際のETF VIX短期先物指数」を12月15日に設定するとのことです。同20日に大阪証券取引所への上場を予定しています。同ファンドは、指数連動有価証券への投資を通じ、基準価額の変動率を円換算したS&P500 VIX短期先物指数(S&P 500 VIX Short─Term Futures Index Total Return)の変動率に一致させることを目指して運用されます。

これに先立って、野村證券がETFの専門部署を立ち上げ、ブラックロックから専門家を採用したとのニュースもありました。ETFは、国内系の野村アセットや三菱UFJ投信なども積極的に商品数を拡充していますし、外資系も海外のETFを国内で勧誘できるよう登録しており、選択肢が広がってきています。単に、内外株式、債券だけではなく、金、REIT、コモディティ、エマージング株、そして、デリバティブまで取引できることになります。海外では、ETFを用いて、ヘッジファンド的な絶対リターンを狙った運用を提供する運用者もいるようです。これを可能にしたのが、今回のVIX指数のようなデリバティブ商品や、株式ショートのETFなど、市場の上げ以外の収益機会を与えるETFが登場してきたからです。

ETFの良さは、コストの安さと流動性(流動性の乏しいものもありますが)です。ETFを使ったより多彩な運用手法、運用戦略をプロ、アマ問わず、登場してくれば、より貯蓄から投資が促されるのではないでしょうか。

2010年11月28日 (日)

第408話 「J-REIT (2)」

28日付けの日経ヴェリタス11面に、「日銀買い入れ対象の高格付けREIT上昇」という記事があります。10月4日イ以降で、条件を満たすREITがどれだけ上昇したかをまとめています。1位の森ヒルズリートは、27.6%、2位のFCレジデンシャルは21.3%上昇しました。上昇した銘柄に共通するのは、PBRが1倍を割っていることです。すなわち、今、解散した方が、投資家にメリットがあるということです。実際は、FCレジデンシャルについては、第2位の投資主である米エスジェイ・セキュリティーズが解散を求めていることが分かりました。

世に安全な投資など、大手銀行の預金や、国債ぐらいと思われているかもしれませんが、J-REITのように、①PBRが相当低い、②保有資産が明確、③国のサポートがある(資金調達、日銀の買い入れ)、④不動産投資にお金が戻ってきている(利回りが高い)、⑤流動性がある、⑥経営に対するチェックが厳しくなった(以前は、私募不動産ファンドのごみ箱にされていたケースもある)、など、投資対象としてこれだけ不安材料が少ないものもないと思います。

2010年11月27日 (土)

第407話 「エコポイント景気」

今日午後(11月27日)は、家電芸人ではありませんが、家電量販店めぐりをしてきました。エコポイントが半減する最後の週末の雰囲気を肌で感じようと池袋に行ってわけです。感想は、一言、「すごい!」です。ヤマダ電機、上の階から降りて見て行く計画で、まず、エアコン売り場。必ずしも、大混雑という感じではありませんでしたが、隣で聞こえてくる店員さんの説明聞くと、「すいません、今日買えば、エコポイントは、今の点数がもらえますが、納品は、早くて1月、通常2月になります。メーカーに在庫がないのです」、とのこと。そんなにすごいのかと、いきなりの驚き。次に、パソコン売り場、ここ、エコポイントと関係ないのですが、大混雑。これも、エコポイントで来店が増えた影響でしょうか。そして、1階のテレビ売り場。ここが、とてつもなく、すごかった。大行列。壁沿いに長蛇の列。一体、いつ買えるのかといった雰囲気でした。これも、納品は相当に遅れることでしょう。

このエコポイント効果、10~12月期、そして、繰り越して、来年の1~3月期に、相当、景気にプラスに作用しそうです。もちろん、減税が終わった自動車のマイナスはあるかもしれませんが、トータルでは、プラスであると考えられます。そして、株高は、少なからず、プラスの資産効果を出すことでしょう。こうして見ると、短期的には、日本経済は、浮揚した雰囲気を感じるかもしれませんので、ここは、素直になって、株式市場も上昇すると思った方がよいかもしれません。

2010年11月25日 (木)

第406話 「量的緩和競争」

25日付けロイターニュースによると、イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は25日、11月に発表した四半期インフレ報告について議会の財務委員会で質問に答え、インフレを目標に保つために必要なら、一段の量的緩和も可能との認識を示しました。総裁は「インフレ率を目標に保つために必要だと考えれば、さらなる資産購入を行うこともできる」と語ったそうです。

通貨戦争、通貨安戦争などと言われ、円の一人負けを経験したわけですが、日銀による資産購入によって、若干、円高スピードが落ち着いてきたところです。しかし、英中銀総裁の話からすると、再び、量的緩和、資産購入戦争が起きるような状況です。そうなると、再び、円高傾向に戻ってしまうかもしれません。特に、欧州は心配です。あれだけの、公的債務を抱え、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインと金融危機が飛び火してしてくると、財政出動に限界がありますので、過度な金融政策依存に陥っていっています。欧州通貨は、じゃぶじゃぶの通貨で、通貨安が一段と進むかもしれません。要注意です。

しかし、民間から借金や資産が公的な部分に移動して、一体、何を行っているのでしょう。一国として、別に、プラスになっているわけではありません。帳簿の付け替えのようで、抜本的解決ではないのですが。時間稼ぎのようなことばかりです。アジア危機の韓国などのように、一度、どん底まで経験し、明治維新のような大改革が行われないと、欧州(もちろん、日本も大した違いはありませんが)が復活する可能性が薄いのではないでしょうか。

2010年11月23日 (火)

第405話 「北朝鮮による韓国への砲撃」

韓国軍の統合参謀本部によると、23日午後2時半ごろ、韓国西方の黄海に浮かぶ延坪島(ヨンピョンド)に数十発の砲弾が着弾しました。韓国軍は対岸にある北朝鮮黄海南道(ファンヘナムド)の海岸砲基地からの砲撃とみて、対応射撃をしたようで、韓国軍全軍が非常体制に入っています。

この影響もあって、香港ハンセン指数が、2%強下落しています。23,000を割ってきていますので、当面、調整に入るかもしれません。為替は、やや円安ぎみです。地政学リスクを素直に反映しているものと思われます。

日本は、休日で良かったですが、相手が相手だけに、一晩で、情勢がはっきりするとは思えません。とにかく、予断を許さない状況です。

第404話 「ゴールドマンに対する疑い」

11月23日付けのブルンバーグ・ニュースによると、米証券取引委員会(SEC)など連邦当局は、異業種にわたる組織的なインサイダー取引の疑いで、コンサルタントやヘッジファンド、投資信託のトレーダー、投資銀行のバンカーなどに対する調査を近く終える見通しだと米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が19日、事情に詳しい複数の関係者の話を基に伝えました。また、同紙によれば、ゴールドマンのバンカーがヘルスケア関連企業の買収などに関する情報を漏らしたかどうかが、調査の焦点の一つだとされているとのことです。このニュースの影響で、昨晩、ゴールドマンサックス社の株価は、3%以上、下落しました。

しかし、こうしたインサイダーの話は、なかなか無くなりません。日本でも、エクイティ・ファイナンス前後の株価が不穏な動きを示しているとのことで、調査が入っています。どれだけ、証券会社内でインサイダー情報の管理を強化したところで、全員の口を封じ込めることは不可能です。特に、こうした情報が大きな利益に結びつくわけですから、欲の塊のような人たちに、性善説を求めること自体、むなしいことなのかもしれません。ゴールドマンについては、神谷秀樹さんが、「ゴールドマン・サックスの研究」で書かれていますが、報酬が異常に高騰したことで、モラルが下がってしまったとのこと。これは、特に外資系金融業界に働く日本人にも同じことが言えます。自分達の報酬のために、顧客に高額な手数料の商品を「はめ込む」(あえて、売るではなく、「はめ込む」という言葉を使います)ことを、強制的に止めさせる必要があります。これは、法律なり、ルールで縛るしかありません。本人は、悪いことを自覚していて、高額報酬のためには、仕方ないと思っているからです。いつまでも、金融市場が実物経済をダメにしていく歴史は見たくありませんから。

2010年11月22日 (月)

第403話 「ドル建て日経平均」

11月22日付けの日経ニュースによると、株式相場の上げや円高を受け、ドル建てでみた日経平均株価の上昇が鮮明になっているとのこと。22日は121ドル台に乗せ、4月の年初来高値を更新し、リーマン・ショック前の2008年8月中旬以来の高水準となりました。米国など海外投資家からみた日本株の収益率は国際的にみてさほど見劣りしないともいえるため、一段の資金流入を期待する声もあるそうです。

しかし、このニュース、いかがなものでしょう。今年の円建ての日経平均最高値は、4月5日の11,408円です。今日の終値が、10,115円ですから、1,300円程、下回っています。率にすれば、10%強です。一方、為替は、4月5日で94円ぐらいでしたから、現在の83円より、11円ほど、円高水準です。米国投資家にとっては、13%ほどの値上がりです。理屈的には、米国投資家は、有価証券で損をして、為替で得をしたということになります。これで、日経の記事のような、日本株が米国投資家にとって、あたかも魅力のあるような表現になるのでしょうか。仮に、資金流入が期待できるとしても、米国投資家は、円高の更なる進展を期待し、と書くのが妥当ではないかと思います。ただし、元来、株式運用のファンドマネジャーは、為替の見通しをきちんと持っていません。個別銘柄の調査が中心で、あくまでも、現地通貨ベースで見通しを持つのが通常です。従って、為替で買ってくることは無いと思います。

それでは、どういう時に外人投資家は買ってくるのでしょうか。日本の株式市場は、歴史的に見て、割安(バリュー)ファクターが有効に利いている市場です。ここ2年ほど、海外市場は、成長(グロース)が有効に利いているにもかかわらず、日本だけ、割安が利いています。したがって、比較的優良企業が、すごく売られたときには、確実に資金が入ってきていると言って過言ではないと考えます。そういう点では、記事にあるような「見劣りしない」程度の水準で、大きな資金が流入するとは考えにくいと思っています。まだ、時間がかかりそうです。

2010年11月21日 (日)

第402話 「貯蓄から投資」

本日の日経ヴェリタスに、株式市場再生に関する長い特集記事が掲載されています。日経平均は1万円を回復しましたが、世界の中で取り残されている日本株について、様々な面から論じています。日経新聞としても、株式市場の低迷は部数に直結しますので、なんとか盛り上げたいということでしょう。

その中で、「貯蓄好きに転機?」とい記事があります。金融資産の約6割を預金にしている日本人の動きに変化があるのでは?という記事で、必ずしも断定的なものではありません。しかし、残念ながら、高齢化の中、貯蓄を取り崩す時代に入ってきて、貯蓄から株式にシフトっしていく可能性は低いと考えます。一方で、以前にも取り上げましたが、高分配型の投信には明らかに預金からのシフトが見られます。すなわち、インカム系の投資商品に対しては、貯蓄から投資への動きが見られるわけです。「貯蓄から投資」という言葉は、株式または株式に投資する投信を売りたい人達のポジショントークでしたので、空回りしてきましたが、日本人の特性にあった「貯蓄から投資」は、着実に動き始めています。加えて、量的緩和で、もう、金利に頼ることはできないと気づき始めているので、今後、急速にそのスピードは速まるかもしれません。

先般論じた不動産、J-REIT(指数が1000を超えてきました)を含め、「貯蓄から投資」おける投資対象間での競争が激しくなると思います。株式、すなわち、企業や証券会社も、株式の魅力と高める努力をしないと、「貯蓄から投資」の流れから取り残されるかもしれません。少なくとも、ここまでの動きは、株式投資家軽視の態度をしてきたわけで、自業自得なのですから。

2010年11月20日 (土)

第401話 「ラオックス銀座の開店」

11月20日付けの読売オンラインによると、家電量販店「ラオックス」が20日午前10時半に東京・銀座に新店舗をオープンしました。 家電量販店が銀座に出店するのは初めてで、中国人など外国人観光客や女性客の取り込みを狙うそうです。 店舗は松坂屋銀座店の6階に構え、売り場面積は約1300平方メートルとフロアのほぼ半分を占めます。中国人観光客に人気の日本製デジタルカメラや炊飯器のほか、美顔器などの体験コーナーも設けているそうです。

小売不況の中で、家電量販店というのは、全く別の動きをしているようです。ヤマダ、ビックカメラ、ヨドバシカメラが、次々に出店攻勢をかけています。主要なターミナル駅で、消耗戦とも言える戦いをしています。加えて、ネットでは、更に、激しい安売り合戦が行われています。それでも、利益を確保しているわけですから、その裏にいるメーカーも消耗戦です。以前、エアコンのダイキン工業に勤めてらっしゃった方に聞いたことがありますが、ダイキンは、ヤマダには商品を卸さないそうです。あまりにも、小売価格を壊す安売りを行うからだそうです。一方で、単価が下がる中で、メーカーも量を確保しないといけないことから、こうした大手量販店の販売ルートを絞ることもできません。「必要悪」ということでしょうか。

しかし、家電は、最近、日本の一つのカルチャーになっているような感じがします。「家電芸人」なども登場する中、「消費」というよりも、「レクリエーション・趣味」的な感覚で、家電量販店に出向き、家電を買うという行動パターンが出来てきているような印象です。年齢を問わず、家電に関するマニアックな知識、想像力、鑑賞、こうした点が、趣味に発展していっているのでしょう。

2010年11月17日 (水)

第400話 「投信の分配金競争」

11月17日付けの日経ニュースによると、投資信託の運用収益を還元する分配金利回りを巡って、運用会社の競争が過熱しているとのことです。リスクの高い海外不動産や外債などで運用して高額の分配金を出す投信が急増しており、公募投信全体の10月の平均利回りは7.0%と、約3年ぶりに過去最高を更新しました。投信の高分配競争が激しくなるなか、過去の運用益の取り崩しや元本の払い戻しなどで「実力以上」の高分配を維持している商品もあるそうです。

私の業界に身をおく一人として、いささか現状は異常だと思います。通常、投信は、1万円の額面に対して、いくら払うという表現を使いますが、主流である毎月分配型で100~150円ぐらい出さないと売れないと言われてきています。年率利回りは、10%台半ばということになります。ゼロ金利の状態からすると異常に高いと言わざるを得ません。どうしてこのような分配金を出せる仕組みになっているのか?それが、これまた、最近流行の通貨選択型投信です。すなわち、高金利のブラジルレアルや豪ドルなどの通貨を買う、いわゆるキャリートレードを行って、金利差を稼ぐわけです。この通貨選択型と実際の有価証券の投資対象で、ハイイールド債やREITなどを購入するわけです。しかし、ハイイールド債など、投資する証券は何でも良いのです。とにかく通貨選択型に仕組んで、分配金を高くすることが運用会社の狙いです。

今や、通貨選択型にして、分配金を100円超にしないと売れません。証券会社も普通の投信からこれらの投信に乗り換えを勧めていると聞きます。投資家、これはお年寄りに限らず、毎月、分配金が入ったという証券会社からの通知を見ると嬉しいと感じるので、売る側と買う側の利害が一致しているという不思議な状況なのです。

しかし、実態は、タコ足配当になっているファンドもあります。日本の投信会計では、分配原資内でしか配当できませんが、最近では、構造上、外国籍投信を使って、いくらでも配当できるようにしている投信もあります。また、売り手である証券会社や投信会社も、電卓片手に、「100円×12ヶ月÷10,000円」は何%になりますか?などと、分配金利回りの高さだけを売りにしている、営業が横行しています。

何も知らない個人のポートフォリオは、ブラジルレアルなどの偏った通貨だらけになっている可能性があります。売り手側は、歴史を繰り返さず、もう少し顧客のポートフォリオ構成を考えた投信営業を行うべきだと思います。自ら、市場を壊すのも、いい加減にしてほしいものです。

2010年11月16日 (火)

第399話「大学生の就職難」

11月16日付け日経ニュースによると、来年春に卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率が57.6%で、前年同期を4.9ポイント下回ったことが16日、文部科学省と厚生労働省の調査で分かったそうです。「就職氷河期」と呼ばれた2000年前後を大きく下回り、現在の方法で調査を始めた1996年度以降で最悪だそうです。

この数字は、確かに厳しいのですが、単に不況が原因ではないでしょう。少子化と言われていますが、年々、大学生の数は、増えていて、文部科学省の統計では、過去最高を記録しています。一方で、小学生、中学生、高校生の数は、ずっと減少しています。すなわち、今や、大学というのは、義務教育に近くなっており、学校さえ選らばなければ、誰でも大学生になれるわけです。大学生の供給が増えて、世界不況が来たわけですから、就職難になるのは、当然です。加えて、日本企業の高齢化が急速に進んでいます。60才以降の雇用延長などもあり、高コスト構造の下、若い人を採用する余力も落ちているわけです。

この問題、気長に考えるなら、方向性は改善傾向にあると思います。高校生の数と大学生の数が近づいていますので、早晩、大学生の数もピークを打つと思われます。加えて、団塊の世代の退職も、徐々に進んでいますので、需要と供給は、それなりに合ってくるでしょう。

しかし、根本的な問題として、グローバルな競争に勝てる人材が日本の学生の中で不足している現状からすると、企業は、海外の優秀な学生に更にシフトしていきます。すると、日本の学生が就ける職業は、2流、3流の仕事になっていき、当然、給料も低くなっていきます。昨今、新卒の定義を広げようとする動きがありますが、日本の大学生も、どんどん、海外に留学するなり、少し、就職時期を遅らせても、世界に通用する経験を積む方が有意義ではないでしょうか。頑張れ、日本!

2010年11月15日 (月)

第398話 「サラリーマン大家さん2:J-REIT投資」

昨日に引き続いて、不動産投資についての日経ヴェリタスの記事から。マンション投資やアパート投資になると、それなりに頭金やローンも用意しなければいけません。もちろん、投資単位が多いですから、キャッシュフローもそれに応じて多くなるわけですが。とりあえず、小額でスタートするならば、J-REIT投資が良いというのは、非常にまともなご意見です。

ここで、J-REITを知らない方は、いらっしゃらないとは思いますが、念のため説明します。J-REITとは、不動産に投資することを目的とした一種の株式会社のようなものです。株式会社の株式のように、投資証券をいうものを発行して、投資家から資金を集め、また、金融機関から借入れを行って、ビルやマンションなどに投資し、その賃料収入を投資家に分配するわけです。この投資証券は、証券取引所に上場しています。J-REITのメリットは、①流動性:上場しているので、いつでも売買できること、②利回り:直近で平均5%程度の利回り、③小口投資:何億円もするビル投資に、小額資金で参加することができる、などが挙げられます。

一方、マンションなどの不動産投資がJ-REITに勝っている点として、税金が挙げられます。そもそも、サラリーマンがマンションなどの不動産に投資することのメリットとして、損益通算があります。すなわち、不動産投資での損失を給与収入に通算させて税金を取り戻せることです。しかも、この損失は、本当にお金が無くなった損失というよりも、減価償却などの非金銭的な損失も入りますので、非常に効果的です。また、限度はありますが、経費も落とせます。これはサラリーマンには無いメリットです。度々、投資経験もない経済評論家が、こうした不動産投資のリスクとか、メリットが少ないとか書きますが、税金面をを考慮しないと、不動産投資の損得を語ることは不適当です。残念ながら、J-REIT投資では、こうしたメリットを享受できません。

ただし、高額所得者の方は、不動産投資による損益通算がデメリットになる可能性もあります。今、証券優遇税制で、J-REITからの配当金に対する税率は10%ですから、所得税の限界税率の高い方は、J-REITにしておいた方が有利かもしれないのです。こうした理由から、私も、2008年に減価償却メリットの減った物件を売却して、J-REITに乗り換えました。毎日、価格が分かるので精神衛生上は、よろしくないですが、一つの判断だったと思っています。

本日、東証REIT指数は、1000の大台の攻防でした。短期的には変われすぎかもしれませんが、不動産投資と同様に、利回りで買われているので、結構、堅調な動きが今後も期待されます。

不動産投資にせよ、J-REITにせよ、現在の量的金融緩和の恩恵を受けますので、今後も、投資家層は広がっていくと考えます。

2010年11月14日 (日)

「世界のお金情報」再開します:第397話「サラリーマン大家さん」

9ヶ月間、休載していました。その理由は、いくつかあります。①本業(運用会社)が忙しかったこと、②少し、マンネリを感じて、モチベーションが落ちてしまったこと、③次の展開を思案していたこと、などです。しかし、ブログを止めてから、ニュースに対する感度も落ちたような気もしてきて、心機一転、再開することとなりました。実は、今回から、実名にしようとも思ったのですが、会社の関係もあり、これは、もう少し、後に実現したいと思います。当面、「ファンドバスター」(これも、変えるつもりですが、まだ、思いつきません)でよろしくお願いします。

さて、再開第一号は、11月14日付けの日経ヴェリタス62面に、「意外に身近?今時の不動産投資」という記事が掲載されていました。一般のサラリーマンによるワンルームマンションからアパート一棟まで、最近の不動産投資について紹介しています。すごい例として、6棟94戸を所有し、月の家賃が400万円になっている37歳の方を紹介しています。超低金利、地価回復の兆し、そして、国債と比較して魅力的な不動産投資利回りが、不動産投資を盛り上げてきているようです。

実は、この私も、休載中にワンルームマンション投資をしてしまいました。そもそも、私が不動産投資を開始したのは、2001年。ワンルームマンション業者では有名な、菱和ライフ(現、クレアスライフ)の新築物件を赤坂と小石川に2戸購入しました。その後、2005年に中古で1戸買いましたが、何を思ったか、その1年後に売却。幸い、10%値上がりしていました。その後、2008年初めから小石川の物件を売りに出したのですが、なかなか売れず、リーマンショック直前にやっと売却できました。売値は、相当な損失でしたが、今までの賃料収入を含めるとプラスの利回りは確保しました。

そして、その後は、営業マンからの勧誘にも目もくれず、ネット銀行などで定期を継続してきました。しかし、さすがに、どのネット銀行も、今年に入って、金利を大きく引き下げたものですから、困っていたところに、久々にクレアスライフの営業マンから半蔵門にあるオーナーチェンジの中古物件の誘いが。最上階に近く、場所も英国大使館の裏手。皇居近くに是非、所有してみたいとの欲求から、即決定。一応、下見をしましたが、気持ちは固まっていました。

今、考えると、買うと決定した要因は、①低金利。ネット銀行では、1%台の金利を出すところがありましたが、今や、0.3%など、普通。日本振興銀行の破綻もあり、あまり、高金利は出さなくなっています。これでは、何か有利なものを探したいと思うのも当然、②立地。やはり、千代田区、皇居近辺は魅力です。③価格。新築ワンルームは、以前、20㎡、2000万円台が相場でしたが、最近は、広めの30㎡で3000万円台が多くなっています。さすがに、ちょっと高いです。その点、20㎡時代の中古は手ごろです。本物件も、2000万円台半ばでした。④低レバレッジ。昔に比べて、手持ち資金があったので、借り入れは、60%程度に抑えました。加えて、りそな銀行が、特定の支店だけの、アパートローンの金利1%優遇をしていたので、変動金利1.775%で借りることができました。⑤税効果:長く所有している赤坂の物件からは、ほとんど節税効果がありません。不動産投資は、初年度に一番大きい節税効果があるので、新規物件を是非持ちたかったのです。

こうして購入した物件の、投入資金に対する利回りは、6%弱です。国債金利とは約5%の利回り差。一応、納得の投資でした。やはり、現在の世界的な金融緩和は、異常です。リーマンショックからたったの2年で、自分も含めて、不動産投資熱が復活するとは思っていませんでした。「サラリーマン大家さん」、こうした金融環境の下では、非常に、有効な資産運用手段だと考えます。

一方、実は、J-REIT投資も行っているので、それについては、明日、書きたいと思います。今後とも、よろしくお願いします。

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