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2010年12月 5日 (日)

第411話 「GPIFの資産取り崩し」

日経ニュースによると、公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2011年から、保有する国内債券と国内株式を売却した場合の市場への影響について研究を始めるそうです。09年度から積立金である運用資産の取り崩しを始めており、市場に影響が少ない売却方法を検討する必要があると判断したためです。

GPIFは、約120兆円の年金資産を管理する世界最大の年金ファンドです。しかし、高齢化に伴う年金給付の急増で、入ってくる年金保険料よりも、年金給付が多くなってしまうことから、こうした資産取り崩しが今後、どんどん進んでいくことになります。すると、最も影響を受けるのが、日本国債です。資産配分の半分は国債ですので、新規で買わないだけでも大変なのに、一部でも売りに出ることは、金利上昇につながるかもしれません。日本国債は、国内のこうした固定投資家に引き受けられることで、順調に消化され、金利を低水準に保てたわけですから、そのバランスを狂わす可能性があります。

また、日本株は、10%程度配分していますので、これもそこそこの金額です。一度に売られるわけではありませんから、上値を抑える程度の影響は否定できません。

しかし、GPIFの資産取り崩しは、今後、予想以上に加速するかもしれません。基礎年金の国庫負担で財源の目処がたたないことから、2分の1の負担が維持できないということです。当面は、こうした部分も資産取り崩しで賄うことになるでしょうから、資産はますます減っていくわけです。今まで、増える局面での資産運用しか経験のないGPIF。全く逆の局面で、きちんと運用管理ができるのか心配です。

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