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2010年12月19日 (日)

第418話 「J-ボンド」

日本経済新聞社は投資家の人気と運用の効率で2010年に最も健闘した投資信託を選ぶ「日経ヴェリタス投信番付」をまとめました。首位は、国内の債券で安定運用する商品として、ニッセイアセット・マネジメント社の「"J-ボンド" ニッセイ日本インカムオープン」が選ばれました。この投信、分配金は月15円と、最近流行の通貨選択型には到底及びませんが、円建てであるとことや、日本の債券であることから、銀行定期預金の代わりとして評判が高く、特に、銀行で取り扱うところが増えています。

さて、このJ-ボンドですが、これからも買っていいでしょうか。答えは、"う~ん"だと考えます。この投信は、①投資対象は、国内の社債、国債等。ただし、直近のレポートでは、90%は社債(公団などの特殊債券を含む)に投資しています、②ラダー型のポートフォリオを構築。すなわち、1年、2年~10年満期といったぐあいに、満期毎に均等に購入します。11月のマンスリーレポートによると、平均格付け、AA-、平均デュレーション4.78年、平均最終利回り0.76%、平均クーポン1.81%、平均直利1.71%となっています。また、信託報酬は0.85%(税前)です。

これらの情報から、①毎月15円、年間180円の分配金、すなわち1.8%の平均クーポンを得るために、オーバー・パーの社債でポートフォリオを作っている、②しかし、この平均クーポンだけでは、信託報酬の0.85%は賄えないので、金利が低下してキャピタルゲインを得るか、元本を喰わないと帳尻が合わない、③オーバーパーの債券なので、満期時に償還損が発生する。これは、後々、基準価額を引き下げる、④ラダー型運用なので、満期になるごとに、債券の入れ替えを行わないといけない。現状のように債券利回りが低下してきているので、入れ替えると利回りが低下してしまう。したがって、平均利回りが低下する。

こうした観点から、①金利の穏やかな上昇を願う。急激に上がると基準価額が一時的に大きく下がるが、徐々に上昇することで、見た目を傷つけずに、利回り維持ができるかもしれない、②分配金を下げて、安定運用を目指す、の2つの可能性を考えます。低金利下で、リスクを取らずに、ミラクルを起こすことはできません。

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コメント

当ファンドの信託報酬は085%ではありません。現状は税込で0.43%のはず。あと最終利回りは持っている債券の現在の平均値(持ち続けると債券の利回りは低下する)であり、ファンドの実力を示すものではないこと(実際はキャリー収益を含んで考える必要があること)を補足する必要があります。分配方針について、運用会社に確認したところインカム中心で、どうも10年ラダーの過去の期待収益率ベースで決めているようです。今10年債の金利が1%前後なので分配金は出しすぎであることは事実ですが、日経新聞にも記載がありましたが、デフォルトが起きない以上、期入りが上がっても長期投資をしておれば損しない仕組み、タイミングではなく中長期投資の金利の積み上がりで収益を目指すファンドであることも補記する必要があるのでは。

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