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2011年2月

2011年2月27日 (日)

第433話 「高齢化、資産運用そして心」

2月27日付けの日経ヴェリタス62、63面に「先進国 老い止まらない」という特集記事が掲載されています。これは、「地図で読み解く」シリーズ第2回で、世界で加速する高齢化を取り上げたものです。先進国では2025年にも5人に1人が65歳以上になり、あの中国でも、20年後には6人に1人が高齢者になってしまいます。そして、その先頭を走る日本は、2030年に高齢化率が31%に到達します。2030年、遠い未来ではありません、すぐそこにある未来です。見渡せば、65歳以上の人ばかりとい社会です。これは、成長の制約条件になることは明らかです。低成長どころか、経済後退の可能性もあります。しかし、今更、その未来を変えることは困難でしょうから、財布と心を来るべき未来に対応させていくしかありません。まず、財布ですが、今後は、収入が減って、出費が増えます。国は増税路線、社会保障費は増加傾向、年金減額傾向、健保は破綻寸前、いくらでも、理由が挙げられます。すなわち、資産取り崩しの時代に入るわけです。資産取り崩しの時代では、リスクとリターンという2つの変数だけで資産運用方法を語るのは、不十分です。これからは、必要資産取り崩し額と取り崩し時期という2つの変数を足した4つの変数で資産運用方法を検討する必要があります。未だに、リスクとリターンをだけを語る評論家やFPがいたら、信じないようにしてください。また、これは日本人には得意な分野ですが、インカム重視の運用が重要です。債券(含む外債)、REIT、証券化商品などあります。ただし、前回取り上げた無理な毎月分配型投信は別です。株式投資を否定するわけではないですし、逆に実施すべきと思いますが、取り崩し額と時期を考慮した配分が重要になります。自然と組み入れ比率が下がることになります。金などは、インカムを生みませんので、株式等の資産と同等に扱う必要があります。株式でも高配当株式は、考慮に値します。金利と違って配当は事前に決まった額を見込めませんが、業態から常に高配当の企業と判断できますから、インカム確保には役立ちます。個人でも、ローンは面白いと思います。小額ローンを投資組合形式で提供する会社も出てきています。

最後に、心です。他人に偉そうなことを言える人間ではありませんが、あくまでも、個人としては、あまり長期的に考えず、短期指向で生きるような心境で生きようかと考えます。定義として、高齢者とは65歳となっていますが、実際、肉体的にも、曲がり角だと思います(個人差はありますが)。50歳の人ならあと15年、40歳でも25年。寿命は80歳までかもしれませんが、ここまでに、もう一花咲かせるぐらいの気持ちでいたいと考えます。心まで高齢化しないように気をつけたいと考えています。

2011年2月20日 (日)

第432話 「通貨選択型投信に潜む販売リスク」

2月20日付け日経ヴェリタス57面に「通貨選択型投信に潜む販売リスク」という記事が掲載されています。高齢の母親が米国ハイイールド債ブラジルレアル建て投信を証券会社から勧誘されそうになった人へのインタビューのような形式の記事です。この人が問題視しているのは、証券会社の販売する側がきちんとリスクを説明できないことだということです。説明もできない商品を売りつけていること自体が問題だと語っています。まさしく、その通りだと思います。証券会社は、「適合性の原則」を守らないといけません。すなわち、ある投資商品を紹介しても良い対象の顧客かどうかを、その人の投資経験などから判断した上で、勧誘しなければいけないというものです。しかし、実際は形式的なものになっているのが実態です。金融商品取引法が施行されて以降、商品説明には慎重な対応が見られますが、「ちゃんと説明を受けました」という書面に判子を押させることで、証券会社は、販売責任から逃れられると考えています。しかし、実際には逃げられません。判子を押した書面があっても、かなり高齢なお年寄りで通貨選択型投信など理解できる方は非常に少ないはずですから、仮に裁判になった場合には、売った側の責任は問われる可能性が高いと思われます。さすがに、最近、少しそのことが分かってきたのか、証券会社側もほとぼりが冷めるまで少し静かにしようとの考えが見え隠れします。

通貨選択型投信の問題点は最近よく新聞等にも取り上げられたいます。例えば、野村グローバル・ハイーイールド債券投信(バスケット通貨選択型)という投信を見てみます。これは世界のハイイールド(格付けが低いが金利の高い社債)債券に投資するとともに、資源国通貨にも投資するという二階建て投信です。昨年4月に出されましたが、最も残高の大きい資源国通貨バスケット(毎月分配)を見ると、基準価額(2月18日付け)は、9007円、また、過去の分配金は毎月140円が9回、分配されています。単純に掛け算すると、1260円が投信から投資家に払われたことになります。基準価額と今まで支払われた分配金を足すと10,267円になります。仮に、分配金を出していなかったらどうなったいたでしょうか?これは、同シリーズの資源国通貨バスケット(年2回分配)の基準価額が参考になります。同ファンドはまだ分配金を払っていませんので。同じ日のこの基準価額は、10,391円です。すなわち、この差額、124円が毎月分配することによる損失(コスト)となっています。また、140円ということは、9回の分配で12.6%の利回り(対1万円)になりますが、実際には、3.91%しか値上がりしていませんから、分配することの1.24%の損失と合わせて約10%分を元本から喰っていることになります。したがって、投資家は自分で払いこんだ資金のお10%を単に受け取っただけを有難く感じているだけなのです。

証券会社側や運用会社側は、「こういう合理的でない行動を個人は喜ぶという行動ファイナンスに則った商品だ」と自慢していますが、単に素人を騙しているだけだと思います。こういう商品が運用だと言われないような、真っ当な世の中になってほしいものです。

2011年2月13日 (日)

第431話 「注目のASEAN株式投資」

2月13日付け日経ヴェリタス50面に、「海外個別株 品ぞろえ急拡大:SBIがベトナム、岡三はシンガポール追加し個人開拓」という記事が掲載されています。証券会社が米国やアジア各国など海外市場に上場する株式やETFの取り扱いを拡充しているという記事です。個人でも海外投資への関心が高まっており、それに対応する必要が出てきているそうです。一方、日経新聞の一面には、ASEANに関する記事が掲載されています。ASEANとは、東南アジア諸国連合のことで、現在、10カ国が加盟しています。その中でも、ASEAN6(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)が海外投資家の株式投資として注目されています。ASEANでは、今話題のFTA(自由貿易協定)を結ぶ動きが活発で、のろのろしている日本を尻目に、日本企業がASEANの現地法人を拠点に貿易を活発化しようとしているという記事です。確かに、ASEAN諸国の経済成長については、非常に力強いものがあります。OECDの見通しでも、2011年~2015年の実質GDP成長率は、平均で6%となっています。どうしても、新興国というと、中国やブラジルなどに目がいきますが、ASEANの成長ポテンシャルは非常に大きいと言えます。もちろん、リスクもあります。先週金曜日には、ベトナムの通貨ドンが、約9%の切り下げとなりました。投資していれば、一気に、9%程度資産が目減りしたことになります。しかし、新興国での通貨リスクは、企業利益の成長ポテンシャルでカバーすると理解するのが良いと考えます。これからは、中国、ブラジルよりも、ASEANの成長に投資することを考えています。投資手段としては、やはり、個人では個別株よりも、ファンドの方が妥当かと思います。幸い、国ごとのETFがネット証券から投資できます。コスト的にはこれが適していると思います。面倒な方は、申し込み手数料を払うことに抵抗ありますが、アクティブ投信が三井住友アセットやJPモルガンアセットなどから提供されています。いずれにせよ、中国、ブラジルへ偏った投資から、分散させることは重要です。

2011年2月 6日 (日)

第430話 「マンション価格指数」

先週の日曜日から1週間、米国に行ってきました。記録的な寒波が来てしまい、テキサス州にいたのですが、とても寒く(零度以下)、死にそうでした。木曜日にはシカゴに行かなければいけなかったのですが、観測以来2番目にひどい積雪で、水曜日まで空港が閉鎖、学校もお休みとなっていました。何とか、経由便を変えて、シカゴに入りましたが、雪の影響で大混乱、通常よりも非常に疲れた帰ってきました。テキサスの前に、LAに一泊し、日本のメガバンクに勤める友達と会いましたが、景気回復はまだまだということでした。マクロ経済指標は回復の兆しを見せていますが、ミクロレベルでは、もう少し時間がかかるのかもしれません。

さて、2月6日付けの日経新聞によると、国土交通省と東京証券取引所、早稲田大学は共同で、約3万件の物件の取引データをもとに新たなマンション価格指数を作り、公表するとのことです。個人がマンションを売買する際の目安を示すことで、中古マンションの価格形成の適正化や売買の円滑化を促すことが狙いです。将来的には、この指数の先物取引も検討されるとのことです。非常に面白い試みだと思います。不動産価格を、特に売買が実際に成立した価格に基づく情報は、素人には入手困難でしたし、また、これを過去に遡って時系列に追うことも困難でした。これで、不動産、特にマンション投資には、客観的な指標ができます。また、先物取引ができると、将来の売買のヘッジ取引が可能になります。今は、頭金を貯めている段階で、1年後ぐらいにマンション購入を検討している人は、将来の値上がりをヘッジするためいに、この先物を買っておくことも可能です。また、逆に1年後ぐらいに売却を検討している人も、値下がりヘッジに先物を売ることができます。実際には、個人というよりも大きなリスクを負う業者が使うのでしょうが、いづれにせよ、取引の幅は広がります。流動性や取引の利便性を高めることは、市場活性化、ひいては、市場の上昇に好影響を与えることが期待されます。

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