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2011年4月

2011年4月30日 (土)

第442話 「テクニカル分析」

多忙で、お休みしておりました。改めて、日曜日の日経ヴェリタスを読んでみましたが、興味を引くニュースが少ないです。そんな中、30面にテクニカル分析の記事があり、野村証券のテクニカルアナリストの方が、原油相場について語っています。結論的には、120ドルあたりが当面の高値とのことです。理由の一つは、この辺りが強力なレジスタンスであること、また、11か月サイクルでは、そろそろ高値ということです。さて、この予想が当たるかどうかは知りませんが、このテクニカル分析は、アカデミックには否定されることが多いのですが、昔から、根強く信奉されています。一種、宗教的なところがあります。11か月サイクルなんて、「どうして11か月なんですか?」と質問されて答えられません。フィボナッチ級数もそうです。黄金分割に比率といっても、「どうして、相場がそういう比率で、動くのですか?」と聞かれても、「自然の摂理です」とでも答えるのでしょうか。テクニカル分析を宗教的と書きましたが、言い換えると、「信じるものは救われる」だと思います。すなわち、信じる人が多いと、あるテクニカルポイントが本当に重要なポイントになるのです。逆に、「これは、独自開発のチャートで、誰も知らない」という分析があったとすると、誰も知らないので、必ずしも、それで得た情報は、意味が薄いかもしれません。私は、基本、ファンダメンタルズ分析だと思っていますが、誰もが注目しているチャートポイントは、気にするようにしています。一時的には、同じ行動を取る人が多くいて、市場が動くからです。一方で、テクニカル分析は、「たられば」分析と言われ、「ここを抜いたら」という停止条件付きになるので、あまり、将来予想に使わない方が良いと思います。ご参考まで。

2011年4月16日 (土)

第441話 「年金崩壊」

本日付の各新聞には、震災復興のための第1次補正予算に関する記事が掲載されています。与党民主党は、復興資金に、基礎年金の補填に充てるはずの2兆5千億円を転用しようというもので、自民と公明は反対しています。この2兆5千億円は、保険料と税金での負担を半々にするために、現在の3分の1の税金分との差額となっています。しかし、民主党のやろうとしていることは、非常に危険です。自ら、年金崩壊への道にアクセルを踏むようなものです。保険料が足りなくて、税金も足りないとなると年金を支払うために、今まで積み立てられている資金を取り崩しことになります。この資金は、現在、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で国民年金、厚生年金保険合わせて運用しています。その資産額は、2010年3月末で123兆円でした。四半期ごとに運用状況が開示されていますが、直近の2010年12月末の資産額は、116兆円となっています。あれ?7兆円減っています。うち、運用収益は、マイナス1兆円でしたので、差し引きすると、約6兆円の資産が払いだされたことになります。残り3ヶ月を加味すると、今年度は6兆円以上の資産が取り崩されているかもしれません。これは、高齢化社会の進行で、年金支払い額が増えていますし、消えた年金問題で、本来支払うべき年金額も増えてしまったことが影響していると思います。これに、単純に先程の2兆5千億円を足すと、来年度は10兆円ぐらいの資金取り崩しがあるかもしれません。仮に、運用が上手くいかず、せいぜい、今後1%ぐらいの運用収益しかなく、毎年10兆円の取り崩しがあったとすると、12年後ぐらいに資産はゼロになってしまいます。これは、大変なことです。資産がなくなると、保険料と税金で自転車操業しないと年金が払えなくなります。12年後というのが、極端なケースとしても、それに近いような危機が早晩来ると考えます。すなわち、年金崩壊の危機です。日本は、震災問題もありますが、将来に向けて非常に厳しい局面を迎えています。民主党政権で、この危機を乗り越えられるとは思えないですが。恐ろしいです。

2011年4月10日 (日)

第440話 「証券会社は消えるか。」

4月10日付けの日経ヴェリタスの株式欄に、先週、松井証券の株価が低迷したことが掲載されています。また、2ヶ月ほど前の日経新聞に、証券会社の数が減っているとの記事が掲載されていました。松井証券に限らず、今、昔ながらの証券会社は消えようとしています。松井証券もネットでの株式投資のさきがけとして、有名になりましたが、その後は、手数料競争にさらされ、信用取引の金利などで収益をかさ上げしていたと聞きます。しかし、今回の震災で、信用取引も先細りですし、取り扱いを止める証券会社も出ています。証券会社の個人向け取引は、野村のような大手も含めて、株式の手数料では食えなくなっています。そこで、投資信託を勧めて、その手数料で食っているわけです。しかし、中堅以下の証券では、投信がそれほど売れるわけではありません。非常に小さい地場証券では、自己売買の収益だけで食っているところもありました。ネットにウェイトの高い会社は、株式を捨て、FXにシフトしています。FXでは、手数料だけでは美味しくないのですが、マリー(ある顧客と別の顧客の注文を合わせて、鞘を取る)や、ほんの短い期間で自己ポジションを取ったりして、収益を上げることができます。今後、中小証券は、ますます廃業していき、FX、CFDなどの業者に収斂していくことでしょう。そして、その絶対数も急減していくことが予想されます。言い換えれば、証券会社という言葉自体が消えるかもしれません。

第439話 「インフレになるか。」

4月10日付けの日経ヴェリタス45面に、ミスター円で有名な榊原英資の寄稿文で「日本もインフレに備えよ」が紹介されています。日本は、デフレというより、グロバリゼーションによってもたらされた物価安定の状態であって、これからは燃料、食料品価格が恒常的に上昇し、インフレ対策が重要になるという意見です。このミスター円、確かに為替介入で有名になりましたが、評論家としては、あまり当たっていないというのが私の印象です。まだ、彼がいつも非難している竹中教授の方が、相対的に当たっているような気がします。それはともかくとして、今後、日本はインフレに向かうのでしょうか?確かに、エネルギー価格が上昇していますし、食料も世界的な争奪戦になっており、インフレ率は上昇すると思います。しかし、重要なことは、いわゆる「コア」のインフレ率に変化があるかどうかです。すなわち、変動性の高いエネルギーや食料品を除いたインフレ率が、今後、上昇に転じるのかどうかを、こうした学者さんには議論していただきたい点です。私は、コアインフレ率にトレンドの変化は無いと考えます。そもそも、高齢化社会、人口減少社会で需要が減っていることが底辺的なデフレの原因と解釈されていると思います。震災があって、この傾向が変わったのでしょうか?逆に人口が早く減ってしまいました。一時的に、供給力が落ち、需給関係が改善されますので、デフレといった状況は一時的に止まると思いますが、インフレに繋がるような構造的変化を感じることはできません。あまり、インフレ、インフレという話に惑わされないように、今後の生活、資産運用を考えたいと思います。

2011年4月 3日 (日)

第438話 「震災後の為替相場」

今週の日経ヴェリタスも、震災後の市場見通しを取り上げています。基本的に、①日本株は割安で、復興需要もあり、今後、上昇、②為替は、貿易収支の悪化、海外での出口戦略もあり、円安、というトーンです。これは、同紙だけではなく、現在、一般的な見通しではないでしょうか。特に、為替においては、76円25銭を記録した以降、協調介入、加えて、先週金曜日の米国雇用統計も予想よりも良い数字であったことから、84円台まで円安が進んでいます。また、ユーロ、豪ドルに対しても更に円安になっています。機関投資家も特に目立って、円に資金をシフトしていないとの見方も安心して円を売り易くしているようです。それでは、今後も、こうした展開になるのでしょうか?別に”あまのじゃく”の性格だから言っているわけではありませんが、どうも腑に落ちません。確かに、目に見える条件は、円安で、疑念を持っているわけではありません。為替相場については、購買力平価や金利差などで説明されてきましたが、最近は、もっぱら金利差に注目する人が多くなっています。しかし、金利差だけなら、金利を高く維持しなければいけない弱い国の通貨が常に強くなることになってしまいます。

現在のマーケットは、「リスク量」という観点からポジションを考える人(プロもアマも)が多くなっています。すなわち、株式を買うことと、金利の高い通貨を買うことは、ある意味リスクを取るという意味で同じ方向性なわけです。したがって、リーマンショックなどが起きると全体的なリスク量を下げるために、株式や豪ドルや新興国通貨を売るわけです。すると、今、株高、円安を訴えている人は、同じ目線にいるわけです。すなわち、「リスクを取りましょう」と言っているのです。本当にそうなのか?という疑問が、私の疑念の根底にあります。先週も書きましたが、リーマンショックの後の世界株式市場は、大きく戻しています。しかし、経済はそこまで戻ったのでしょうか?QE2などの極端な金融緩和に支えられているだけではないでしょうか。仮に、欧米での早期の出口戦略が実施された場合、腰折れのリスクもあります。今、取るべきリスク量を拡大するのは、得策とは思えないのですが。皆さんは、いかがお考えでしょうか?

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