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2011年5月 3日 (火)

第445話 「通貨選択型ファンド」

日経新聞のサイトに、PRという広告が掲載されています。その中の一つで、野村アセットマネジメントの広告に、「通貨選択型ファンド 進化論」が掲載されています。これは、同社が自社の通貨選択型ファンドの広告として、美人(?)評論家の逢坂ユリさんと同社の部長さんとの対談形式で、当該ファンドの良さを宣伝しているわけです。これは、あくまでも広告、宣伝で、アピールするのが目的ですから仕方ないのですが、内容的に問題があるので、このブログで取り上げました。すなわち、同社の部長が、通貨選択型のリスクを「二階建て」と言われるのは、間違いだと断定していることです。彼の言い分は、例えば、米国ハイイールド債券のブラジルレアル建ての通貨選択型ファンドの場合、所詮、米国ハイイールド債券に投資するには、円をドルに換えないといけない、すなわち、米ドルのリスクを負っている。これを、米ドルからブラジルレアルに置き換えただけなのだから、元々とるべき為替リスクで通貨が変わっただけです、というのものです。暴論です。この商品は、そもそも、投資家にとって、どのリスクを取りたいのかが不明確です。仮に、米国ハイイールド債も投資したいのなら、ブラジルレアルのリスクを本当に取りたいと想定しているのでしょうか?また、ブラジルレアルに投資したいのなら、余分に、米国ハイイールド債のリスクを取りたいと想定しているのでしょうか?明らかに、この商品は二階建てのリスクを含んでいます。外人の間でも、「ダブル・デッカー(英国の二階建てバス)」と呼ばれています。いくら宣伝とは言え、リスク所在を曖昧にすることは、コンプライアンス上、問題がある広告の疑いがあります。加えて、最近は、日本株に通貨選択を組み合わせるなどのファンドが登場しています。これは、正直、ひどいです。また、この商品は、通貨を選択したのは、顧客の責任で、運用会社や販売会社には、責任は無いとの構造になっています。従って、投信の運用報告書には、為替に関する記述がありません。言い換えれば、通貨は運用対象ではなく、単に、投資時に顧客が選んで余計なリスクを選択したという、顧客との仕切りを巧妙に設けているのです。しかし、高齢者にこうしたリスク所在が理解できているとは思えません。知り合いの証券会社の人に、こうした売り方に問題はないのか聞きましたが、その人いわく、「クレームが来ても、責任問題が発生するような、下手な売り方はしていない」とのことでした。本当に、この商品を野放しにしていて良いのでしょうか?監督官庁の対応を期待したいものです。

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