« 第448話 「福島原発と今後の株式市場」 | トップページ | 第450話 「ムーンライトキャピタルへの業務停止命令」 »

2011年5月15日 (日)

第449話 「投信販売と毎月分配ファンド」

5月15日付の日経ヴェリタス50面に「証券大手、投信販売に苦戦」という記事が掲載されています。2011年3月期決算から、野村、大和、SMBC日興の合計で昨年度の投信販売額は、前期と比較して3.7%減となりました。この数値から、「苦戦」というタイトルになっているようです。しかし、募集手数料から見ると、野村は+0.8%、SMBC日興は+11.5%と増えています(大和は▲5.4%でしたが)。つまり、販売額は減ったが、販売時に得る募集手数料は増えたということです。これは、単純です。募集手数料の高いものを売ったということです。例えば、野村のグローバル・ハイ・イールド債券(通貨選択型)は、募集手数料が4%と業界で話題になるほど高い手数料率です。他社も通貨選択型で3.5%程度の募集手数料を得ることで、販売額の落ち込みをカバーしようとしています。この傾向は今後ますます強まると考えます。すなわち、投信はこれから売れなくなります。個人投資家は、守りの姿勢が強まると考えるからです。そうなると、証券会社は、手数料の高い商品を売りつけることで、帳尻を合わせようとします。これは、個人だけではなく、機関投資家の世界でもそうです。株式とか債券で運用する投資家が減っているので、ヘッジファンドなどの手数料の高い商品で、受託資産が少なくとも、収入が減らないように運用会社は戦略を変えているのです。しかし、こんなことが長続きするわけがありません。一時的に帳尻があっても、結局、残高の減りをカバーすることができなくなります。そして、手数料稼ぎのために、リスクの複雑な商品を売りすぎて、個人投資家を傷つけ、結果、将来的な市場を自ら壊すことになっているかもしれないのです。

この前、「毎月分配型ファンド」の問題点を書きましたが、その時、このブログのアクセス数が急に増えました。世間の関心の高さが分かりました。しかし、上記に書いたような販売会社の帳尻合わせに自分の大事なお金が使われていることを、是非、個人投資家には理解していただきたいと思います。

« 第448話 「福島原発と今後の株式市場」 | トップページ | 第450話 「ムーンライトキャピタルへの業務停止命令」 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/512329/51674984

この記事へのトラックバック一覧です: 第449話 「投信販売と毎月分配ファンド」:

« 第448話 「福島原発と今後の株式市場」 | トップページ | 第450話 「ムーンライトキャピタルへの業務停止命令」 »

最近のトラックバック

無料ブログはココログ