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2011年6月19日 (日)

第455話 「新光 US-REITオープン(ゼウス)」

今回取り上げるのは、新光投信の「US-REITオープン」で、愛称ゼウスと呼ばれる投信です。文字通り、米国のREITに投資する投信です。この投信、2004年9月に設定された比較的6年以上歴史ある投信ですが、最近、残高を増やし、注目されている「リバイバル型」の投信です。実際、残高は、ずっと100億円以下で低迷していて、2009年3月には、株価下落もあって13億円まで減少していました。ところが、その後の米国REIT市場の急回復と、そして、最も戦略的に効果があったのは、2010年8月に毎月の分配金を60円から90円に増やしたことです。販売会社の増加も加わり、一気に残高は急増し、直近では、5900億円を超える残高に成長しました。これだけを見れば、投信会社、販売会社の戦略勝ちという、超サクセスストーリーと言えます。実際の運用は、米国のインベスコ社が行っています。インベスコ社のREIT運用に対する評判は高く、実績も中長期的に好調です。しかし、2009年、2010年と2年連続で不調です。インデックスを下回り、業界下位に低迷しています。この点を考慮すると、運用だけでは、「中の上」というところでしょうか。しかし、商品性では大きな問題があります。毎月90円の分配金ということは、1万円に対して年率10.8%の利回りです。しかし、当該ファンドの5月末基準価額は、5476円です。すなわち、基準価額に対する分配金利回りは、約20%となります。最近流行りの通貨選択型投信が年率20%の分配金で残高を増やしているので、十分に対抗するために、この水準にしたことが成功の鍵だったと思われます。しかし、5月末現在の米国REIT指数の配当利回りは3.28%です。すなわち、20%の利回りを賄う収入など全くないわけです。すると、REITの値上がりか円安による為替益がない限り、元本を喰っていくことになるわけです。値上がり益についてが、5月末の米国10年債利回りが3.05%ですから、米国REITは魅力的な水準にはなく、値上がり益を期待することが非常に難しいと考えます。一方、円ドル為替も、円高に推移しています。とすると、この分配金を維持することは困難ですし、運用にもマイナスに影響します。普通なら、運用会社は、運用自体にマイナスに影響するような商品性に反対するのですが、目先の収益を追ったために、こうした配当を容認しているのでしょう。商品性では、「下」の評価です。従って、「中の上」の運用評価+「下」の商品性で、総合評価は、「中の下」と考えます。

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