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2011年9月 4日 (日)

第466話 「さわかみファンド」

今回は、直販投信の神様のような存在である「さわかみ投信」を取り上げます。ただ、正直言って、完全個人向け商品で、かつ、澤上氏の経歴に過去の運用実績を推察できるものもありません。例えば、スイスのピクテという金融機関に在籍されたことがあるのですが、そこで何かファンドなどを運用していたのであれば、その辺から推察できるのですが、それも見当たりません。有名なわりに、分からないことが多い運用です。ただ、1999年に運用を開始して、直近2,125億円の運用資産を誇っています。直販だけで、この運用資産額は、文句なく凄い数字だと思います。

運用内容を見ると、ほとんど金融を保有していません。そして、電機、化学、機械、輸送用機器など、日本を代表をする優良企業中心に保有しています。ついては、このファンドを比較する場合、TOPIXよりも、日経平均株価が適していると考えます。そこで、実際に個人投資家が低コストで日経平均に投資できるETF(ここでは、野村アセットのETFを使用します。分配金込み)と比較してみます。さわかみファンドのリターンから日経平均ETFのリターンを引いた値(1年以上は、年率換算)は、過去1年▲3.4%、過去3年+0.6%、過去5年▲0.2%、過去10年+1.5%となっています。最近、どうも日経平均とほとんど変わらない結果となっています。

次に、さわかみファンドのリターンを当該ETFのリターンで、5年間で線形回帰して、その傾きを時系列でみていくと、2006年頃、0.78程度だったのが、その後上昇を続け、直近では、0.91ぐらいになっています。すなわち、傾きが1ということは、日経平均とほぼ同じ動きをすることを示しますが、さわかみファンドは、下げ相場に強さを示していたのが、最近は、指数との連動性を高めていることが分かります。

さわかみファンドは、割安株投資と投資スタイルを説明しています。しかし、この割安の意味は、ファンダメンタルズよりも、株価の動きを示していると考えられます。よく市場が大きく下げた日に、さわかみファンドは、買いを入れているというような説明をしているのを聞いたことがあります。すなわち、優良株を一時的に下げたところで拾い、価格が平均的な水準に戻ることで、リターンを高めてきたように思われます。しかし、資金が大きくなって、現金ポジションの比率も下がり、買い下がりの効果もファンド全体に対して限定的になっているのでしょう。

さわかみファンドのインデックス化を指摘する声は以前からありましたが、今回、数字的にも観察されたわけです。今後も、指数との連動性が高い状態が続くと思われるので、評価は、「中」とします。

全く別件ですが、投資顧問業協会の資料を見ると、さわかみ投信は、その取引の100%を、三田証券という証券会社に発注しています。私としては、あまり馴染みのない証券会社なので、少し違和感を感じてしまいます。

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コメント

とても興味深く読ませて頂きました。
私は、さわかみ投信を保有しています。

「最近、どうも日経平均とほとんど変わらない結果となっています。」私も同じ事を思っていました。今の成績は、かなり不満です。(^^;
震災時に安値を買ったとか言ってましたが、全然成績が上がってこない。買い付けたのなんて大した比率じゃないのでしょうね。


「資金が大きくなって、現金ポジションの比率も下がり~」これは特に的を得ている気がします。積立入金されるお金で追加投資しているだけで、適宜利確をしているなんて全然感じられません。規模が大きくなると難しいのでしょうか。

澤上氏は、言っていることだけは説得力があるので、それを実行に移せばいいのにと思います。

最近は、
ひふみ投信に変えようかなと思いだしたところです。

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