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2011年9月11日 (日)

第467話 「JFザ・ジャパン」

今回は、残高は目立ちませんが(88億円)、世間的に評価の高いファンドを取り上げます。これは、日本小型株ファンドの「JFザ・ジャパン」です。運用会社は、JPモルガンアセットですが、先頭にJFとあるように、旧ジャーディン・フレミングの運用商品です。元々、クオンツ運用(モデル運用)、バリュー系のJPモルガンが、ジャッジメンタル。グロース系のジャーディン・フレミングを買収してできた会社です。ジャーディンの会社名はなくなりましたが、商品ラインナップの中に、JFとして生き残っているわけです。

この投信、主に日本の小型株に投資しますが、大型株への投資が認められているので、ベンチマークは、TOPIXに設定しています。しかし、過去のリターンを野村ラッセルの大型バリュー、グロース、小型バリュー、グロースの指数リターンで回帰分析すると、90%近く、小型グロースで説明できます。従って、TOPIXと比較するのは妥当ではないでしょう。加えて、小型運用は、こうした指数と比較する投資家はあまりいません。これは個人も機関投資家も同じです。どちらかというと、絶対リターンを求める商品と位置付けています。

さて、この運用実績ですが、非常に良いです。2000年1月から2011年8月までの年率換算利回りは約+5%、直近過去5年でも年率+1.4%と、絶対値プラスを維持しています。過去5年の野村ラッセルの小型グロース指数が、▲13.7%であることを考えると圧倒的な成績です。先ほどの回帰分析に戻ると、指数で説明されない部分(切片)が、年率15~16%あります。すなわち、アクティブ運用で、年率15~16%を指数リターンに付加できる能力を有しているということになります。これはすごいです。特に、2003年、すなわち、2006年まで続く小型株相場で、大幅に勝ち越した貯金が大きいように思われます。小型グロース指数が2倍程度に上昇する一方で、当該ファンドは4倍になりました。古い運用報告書がHPで入手できないのが残念ですが、うまく乗ったとしか言いようがありません。

ただ、数字的には出ていても、これが将来的にも続くのかが問題です。こういう運用を評価するには、本来、ファンドマネジャーが誰で、実際どういう考えで運用しているかヒアリングする必要があるのですが、ここではできません。過去の運用報告書(2007年から)を見ると、期首と期末の業種配分は大幅に異なります。また、2007年末トップは情報通信、2008年は建設と、必ずしもどこかの業種に偏重があるわけではありません。相当、柔軟に、ダイナミックに銘柄を入れ替えているようです。こうした傾向が続くのであれば、運用方針に変化少なく、今後もリターン創出に寄与できるように思われます。

従って、世間評判通り、評価は、「上」とします。

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コメント

いつもブログの更新を楽しみにしています。

私も以前、当該ファンドを保有しており、まさに圧倒的なパフォーマンスでした。

以前、ライフネット生命の出口社長に質問したとき、「国内株式市場への長期投資は、アクティブがいいんじゃないか?」という意見を聞き、私も一理あるなぁと感じています。

しかし、当該ファンドのように「アクティブらしいアクティブファンド」はめったにお目にかかれません。

一時期、インベスコジャパンエンタープライズにも投資しましたが、ライブドアショック以降は全く振るいません。

当該ファンドが、高いパフォーマンスを維持する秘密は何なのでしょう?

残高が大き過ぎないことも一因なのでしょうか。

大手証券会社や大手銀行で、大量販売されないことが一因でしょうか。

(中山)

中山さん、いつもありがとうございます。残高は、小型株において一つ大きな要因ではありますが、これよりも少ない資産額の小型株ファンドでパフォーマンスが悪いものが沢山あります。大きな要因は、運用力としかいいようがありませんね。

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