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2011年10月

2011年10月31日 (月)

第476話 「MF Globalの破綻」

10月31日のニュースによると、米先物ブローカーのMF Global社が、破綻する見込みとのことです。この会社、ゴールドマンサックス出身で、前ニュージャージ―州知事のジョン・コーザイン氏がCEOですが、この人が主導して欧州の危ない国々の短期債を大量に保有したため、欧州信用危機で大きな痛手を被ったようです。

しかし、ゴールドマンサックス出身者は、どこまでも強欲だし、こういう問題をよく起こしますね。ちなみに、日本でも外為証拠金取引会社で、MF Global FXA証券会社(MF Globalの100%子会社)がありますが、今朝から、新規の建玉注文の受付を停止しました。私は、あまり、FX業者について詳しくありませんが、今回の件は、更に大きな問題に発展するのかもしれません。

2011年10月29日 (土)

第475話 「バリュー・小型株」

このブログで、日本では、バリュー・小型のファンドが有効であると書きました。それについてコメントももらっているので、更に、分析してみます。バリュー効果や小型株効果については、すでに、アカデミックな世界では多くの論文が出されています。有名なところは、ファーマ・フレンチの3ファクター・モデルの論文。更には、行動ファイナンスによってバリュー効果と小型株効果を説明しようとしたものです。以前にも書きましたが、日本では、バリュー効果の有効性は観察されていて、ITバブルの時期を除けば、大半の運用機関は、バリュー運用を行っていた時代がありました。

9月末での指数を見ると、野村ラッセルのスタイル指数では、過去5年間(年率)で、小型バリューが▲7%、大型バリューが▲11.4%、小型グロースが▲13.5%、そして大型グロースが▲14%とバリュー、小型有利であったことが分かります。しかし、これはあくまでも指数の話。実際の運用ではどうだったかを、日本株投信で検証してみます。データは、モーニングスターのHPから入手しました。日本株に投資し、過去5年以上の実績があり、配当は年1回のものに限りました。その結果、219ファンドが該当しました。なお、以下、モーニングスター社のファンド区分(大型、中型、小型、バリュー、ブレンド、グロース)で議論します。

上記219のファンドで、各分類毎に、過去5年のパフォーマンスを現在の資産残高で加重平均を作成しました。その結果、最もパフォーマンスが良かったのは小型バリューの▲8.5%、次が大型バリューと小型グロースがほぼ同じで▲11.4%、そして、最も悪かったのが大型グロースの▲13.8%でした。従って、実際の運用でも小型・バリューが有効であったことが示されます。もちろん、小型・バリューだと、どうしても財務上不安のある銘柄も出てきてアクティブ運用では心配される銘柄を意識的に避けてしまう傾向があるので、どうしても指数には負けてしまっているように見受けられます。

なお、今回小型・バリューに含まれたファンドは、219ファンドのうち、7ファンドのみ。野村アセットは、「日本低位株ファンド」、「野村小型株オープン」、「野村ファンドマスターズ日本小型株」、大和住銀は、「J-stock アクティブオープン」、「日本小型株ファンド」、日興アセットは、「低位株オープン」、そして、ばんせいの「黒田アクティブジャパン」です。

2011年10月23日 (日)

第474話 「雑感Ⅱ」

評論家の今井 澂(いまい きよし)さんが、世界一斉株暴落とコメントされています。

心配です。

http://kiyoshi-imai.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-b6d3.html

第473話 「雑感」

朝から片頭痛に悩まされ、ファンドを選択する元気がないものですから、いくつか気になることを雑多に書き連ねます。

1、「野村グローバル高配当株プレミアム(通貨選択型)

野村證券のHPに新規募集ファンドとして掲載されていました。このファンド、世界の配当率の高い株式に投資するのですが、同時に、コールオプションを売却してプレミアムを得るカバード・コール型の投信のようです。これ、第469話で取り上げた大和証券の「ダイワ米国株ストラテジー・α」と基本的同じ仕組みです。

http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/469-53da.html

これを取り上げた後、「結局、よく分からん」とのコメントをいただきましたが、まさしくその通りです。これをすぐに分かる人は少ないのです。どれだけのお客様がきちんと理解して購入できるのか心配です。

2、「Buy the rumor Sell the fact」

噂で買って、事実で売る。昔からの格言です。先週は、欧州信用問題に解決に向け、23日のEU首脳会議への期待感から、株式が買われ、ユーロも買い戻されました。しかし、今回も、典型的な、噂で買って、事実で売るになるような気がします。リーマンショック以降、銀行の決算は、どうも不明瞭で信じられません。まさしく、バブル崩壊からりそな破綻までの日本の銀行を見るようです。そんな簡単に解決するわけないと思うのですが。

3、「年金問題」

ある運用会社主催の企業の年金運用担当者向けセミナーに参加しました。現在、運用がうまくいかず、企業年金を維持するための目標利回り(大体、2%~4%ぐらいが多い)を達成するためには、ヘッジファンドの導入やアセットアロケーションを大胆に変更する戦略で達成可能というのが、セミナーの主旨でした。多くの企業から担当者が出席していましたが、まさしく「裸の王様」のように個人的には感じてしまいました。みんな、世界的の低金利の中、金利以上に過度に高い利回りを達成することは難しいと思っているのに、「それを言っちゃー、お仕舞よ」ということで、努力している姿勢を、担当者側も運用会社側も、アピールしたくて、無理なことを議論していました。あ~、もっと正直にならないと、どの企業も年金制度を維持できなくなるのでは。心配です。

2011年10月16日 (日)

第472話 「ストラテジック・バリュー・オープン」

最近、日本株に対する見直し論が出ています。欧米での混乱が続く中、日本株は非常に割安に放置されており、魅力的だというものです。もちろん、割安だけど上がらない(これは、「バリュー・トラップ」と言います)という意見もありますが。いずれにせよ、何かに投資する必要があるのであれば、日本株に注目することは妥当性があると思います。そこで、日本株アクティブでファンドを探してみました。条件としては、大型株で長期の運用実績があるもの。以前にも書きましたが、日本では、「バリュー・小型」の運用スタイルが最も有効であることは、実証分析から確実性が高いと思われています。小型株は以前取り上げたので、今回は、大型株系に注目してみました。

そして、今回は、野村アセットの「ストラテジック・バリュー・オープン」と取り上げます。2000年7月に設定され、設定来のパフォーマンスは、TOPIXが▲49%に対して、当該ファンドは、+8%となっています。もちろん、バリュースタイルの運用は全般的に、良い成績を挙げているのですが。月次リターンを用いたスタイル分析では、大型株80%、小型株20%、また、バリュー65%、グロース35%という計算結果が出ています。すなわち、大型株重視で、バリューながら極端なバリューではないとい運用スタイルでしょうか。

純資産額は、残念ながら、22億円しかありません。通貨選択型などの商品に比べると、販売会社が全く興味を抱いていないことが分かります。一方、保有銘柄数は、174銘柄とちょっと多過ぎです。日系運用機関は、どうしても特徴を消したいと思ってしまいがち、アクティブ運用としての個別銘柄要因が薄まっています。

野村アセットの日本株は、「コア」型と呼ばれるものが主流と位置づけられていました。ややグロースよりで、輸出関連株、電気株を好む運用スタイルです。2000年代初めまでは順調だったのですが、その後、運用が悪化。残高も減り、アクティブ運用での主力商品を失った状態にあります。そういう時こそ、このバリュー運用に注力すべきではないでしょうか。何度も繰り返しますが、日本株は、「バリュー・小型」なのです。これを守っている限り、大きく負けること可能性は低いのです。

日本株投信で、特に大型株では、良いファンドを探すことは非常に困難だと思っています。その中で、10年続けていること自体は、評価されるものだと思います。本来は、「中」の評価とするところですが、大型株分野での選択肢が少ないこともあり、おまけで、「中の上」という評価にしたいと思います。

2011年10月10日 (月)

第471話 「フォーシーズン」

最近、似たようなファンドしか売れていないので、どのファンドを取り上げるべきか、選定に悩みます。昨日、9月の月間流入額ランキングを見ていると、第50位に36億円と可愛くランキングしているファンドがありました。それが、この「フォーシーズン」です。これは、日興アセットが今年2月に設定したヘッジファンド型投信です。ヘッジファンドの位置づけについて、一度、書きたいと思っていましたので、このファンドを取り上げようと考えていると、なんと、今日(10日)の日経新聞にヘッジファンド型投信の記事が掲載されていましたので、その偶然を驚いています。

ヘッジファンドは、非常に大まかに分けて2種類あると考えます。一つは、ショート・ポジションも含めた取引手法で儲けるものと、非流動性証券に投資することで流動性が劣る分だけ上乗せされるリターン(非流動性プレミアム)で儲けるものです。個人向け投信は、普通日々設定・解約が条件になるので、後者のヘッジファンドはできません。したがって、前者が中心になります。たとえば、株式ロング・ショート(上場株式で上がりそうな銘柄を買い持ちし、下がりそうな銘柄をショートにする)、CTA(株式、債券、為替、コモディティなどを対象とした先物を用いて、相場のトレンドを狙うもの)です。これらは、上場株や先物なので、問題ないのです。

さて、「フォーシーズン」は、目標リターンを日本の短期金利+α、変動性を年間4%程度を狙っています。具体的には、日興アセットの運用する日本短期債ファンドを半分ぐらい組み入れ、残りを同社の運用するヘッジファンドに投資します。このヘッジファンドは、主に先進国の債券先物と通貨先物で運用します。2月23日の設定来から10月7日までのパフォーマンスは、1.32%です。この間の日本短期債ファンドは0.31%でしたから、1%ぐらいの超過収益を得ています。変動率は、年率2.4%程度ですから目標範囲内です。商品としては、非常に低リスク型ヘッジファンドです。ちなみに、販社には、地銀や郵貯なども入っており、なるほどという感じです。

ポートフォリオ資産配分は、通常、内外株式、債券、現金などで構築するのが普通です。ヘッジファンドは、運用能力にかける商品で、また、費用も高いので、前向きに考えない専門家も多くいます。しかし、機関投資家も個人も、今や、ヘッジファンド抜きにポートフォリオ構築は考えられないと思います。世界的な低成長時代の中、有価証券自体からの期待リターンは低くなると覚悟しないといけません。その中で、リターンを上げる手法として、ヘッジファンドは有効だと考えます。是非、検討してください。なお、このファンドの評価は、運用実績がまだ短いこともあり、「中」とさせていただきます。

2011年10月 3日 (月)

第470話 「日興レジェンド・イーグル・ファンド」

このブログで取り上げるのは、2回めです。最初は、日興証券向けのファンドが設定される前に、その話題を取り上げました。詳しくは、2009年8月の第360話をご参照ください。

http://fundbuster.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/360-ded9.html

このファンドは、伝説のファンドと言われる「ファースト・イーグル・グローバル・ファンド」と同じ運用の外国籍投信を日本の投信で包んだ投信です。このファンド、市場指数をベンチマークと比較した運用というよりも、絶対リターンを意識した運用と言えます。2年前、非常に注目しておりましたが、さて、ここまでの結果はどうなのでしょうか?

設定時から2011年8月までの「資産成長コース」の分配金再投資リターンは、▲0.64%とでした。この期間、MSCIの世界株価指数(円換算)は、▲4.87%でしたので、4%以上も良い結果を出しているわけです。特に、絶対リターンで若干のマイナスであったことは特筆すべきだと考えます。もちろん、2011年9月を加味すると厳しいものではあるかもしれませんが。

こうした良好な結果になった要因は、大きく3つあります。一つは、バリュー運用スタイルであること。二つめは、金(ETF)を保有していること。最後に、社債なども購入対象であることです。これらは、全て投資元本保全を目的としています。特に、金。世間では値上がり対象として考えられていますが、彼らの方針では、金の保有はヘッジ目的だということです。

当面の運用戦略は、増やすよりも維持するということを、あるストラテジストの方も主張されていますが、このファンドは、成長と元本保全の両面を兼ね備えたファンドだと思います。最近は、このファンドには、円ヘッジコースも追加されているので、外貨投資に不安な方も投資しやすくなったのではないでしょうか(毎月分配型も同時に作られていますが、これは、いかがなものか!)。

以上、このファンドについては、2年前と変わらず、「上」の評価を与えたいと思います。

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