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2012年1月 8日 (日)

第488話 「2011年の投信市場を振り返る」

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、今年最初の話題は、昨年2011年での投信市場を振り返ります。「Quick Money Life」の投信注目ランキングの情報を参考とさせていただきました。

昨年1年間での資金流入額トップ5は、1、新光US-REIT、2、大和住銀 短期豪ドル債オープン、3、ダイワ米国リートオープン、4、日興 ラサールグローバルREIT、5、ダイワ US-REIT オープンBでした。

一方、資金流出額トップ5は、1、国際 グロソブ、2、ダイワ グローバル債券、3、ダイワ 外国債券F、4、ピクテ グローバルインカム、5、大和住銀 グローバル好配当株でした。

この流入、流出の各トップ5を比べると、皆さんの予想通りですが、分配金利回り(対基準価額)にはっきりとした差が出ています。先週末のデータで見ると、流入トップ5の平均は23%で、流出トップ5の平均は11.7%でした。すなわち、売れ筋と言われているものは20%以上の分配金利回りを求められているわけです。しかし、流出の方も11.7%と決して低いわけではありません。むしろ、非常に高いと言えます。実際、特別分配金の占める割合を見ると、流入トップ5平均が58.8%、流出トップ5が52.9%とどちらも半分以上、元本を返しているに過ぎないわけです。こんな無理なことが2012年も続いていくのでしょうか?もう、投信業界は異常な世界に入ったとしか言いようがありません。

そして、究極は特別分配金比率100%の投信です。それなりに残高のあるファンドでこれに該当するのが、「DIAM J-REITオープン(オーナーズ・インカム)」です。無条件に、このファンドの評価は、”C”です。ひどいです。手数料を払って、元本の償還を受けている投資家は、すぐに売却してください。無意味ですから。

投信会社別でみると、最も資金流出が多かったのは、野村アセットで、約1.1兆円失いました。現在、6.3兆円の純資産残高なので、単純に計算すると、前年比15%程度失ったわけです。国際投信も9千億超の資金が流出しましたが、これはグロソブの影響なので分かりやすいですが、野村アセットの場合は、問題の本質は複雑そうです。大和投信も、REITで資産を増やしていますが、一方で、外債ファンドを失っています。意識的に乗り換えを進めたのでしょうか。

いずれにせよ、業界は、明らかに「残高から収入」にビジネスの基軸を移したと考えます。すなわち、販売会社の一時的な手数料の高いものや信託報酬の高いものを、長く保有されなくても良いから、とにかく売る、そうした姿勢になっていると思います。表面的には「個人の資産形成に貢献する」と言っておきながら、全く違う方向に行っている。今年もそんな1年になりそうです。しかし、それは、破滅への道だと私は思います。

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» 2011年、投資信託の資金流入が55%減 [金融起業家 河合圭のオフショア投資ブログ]
2011年は米国格下げ、欧州危機などで投資信託の運用状況が悪化し、それに伴い投資信託への資金流入も大幅に減った。結果、昨年をとおした資金流入が55%減。 特に資産純減が大きいのが株式投信やグローバル...... [続きを読む]

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