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2012年1月14日 (土)

第489話 「毎月分配地獄」

前回、2011年の投信市場を振り返ったが、Quick Money Lifeの集計によると、2011年の間に野村アセットの追加型株式投信は、1.1兆円純減になり、6.36兆円になりました。前回では、この純減には、国際投信のグロソブほど直接的な要因ではない、複雑な問題点を抱えているのではないかと指摘しました。今回は、必ずしも正解ではないかもしれませんが、一つの純減の要因として、「毎月分配型投信」の影響について考えます。

今回も、モーニングスターのサイトで、野村アセットの毎月分配型と隔月分配型の投信のみをスクリーニングしました。すると、毎月分配型は122本、隔月分配型は11本ヒットしました。毎月分配型122本の合計資産額は約4兆円、隔月分配型は7千億円強でした。従って、野村アセットでは、5兆円弱が毎月分配か隔月分配なわけです。きちんと計算したことがなかったので、改めて、この残高の大きさに驚かされます。

そして、これらの分配金利回り(対基準価額)は、毎月分配型で平均20%、隔月分配型で4.4%でした。この分配金利回りと残高を掛け合わせると、仮に投信で保有する証券の価格に変化がなく、新規の資金流入がなければ、何もしなくても、野村アセットの投信残高は、1年後に約8千億円、減ることになります。もちろん、保有している証券からインカムなどが入り、その分、資産額も増えるので単純に8千億円減るわけではありませんが、資産残高を競う運用会社にとっては、相当なるダメージとなります。

運用会社は売れるからといって、毎月分配型ばかりに商品を傾斜してきましたが、すでに何度も述べてきたように、分配と称して元本を返してしまうために、自分で自分の首を絞めることになったわけです。減らないようにするには、また、新たな毎月分配型の投信を出し続けなければいけないという自転車操業状態なわけです。まさしく「毎月分配地獄」。だからこそ、前回、破滅の道に進んでいると言ったわけです。

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